日経平均株価6日続落が止まり、再び3万9000円を回復しました。

12/12から続いた緩やかな下落が止まり、再び下落前水準まで上昇しようとする動きが見られます。

ただし、依然として続くボックス圏上抜けするような勢いは見られず、中長期的見ればこちらも依然として横ばい状態が続いています。

株式市場の需給バランスも、大納会に向けて収束するような動きが見られますので、このまま株価が動きにくいまま今年を終えるかもしれません。

例年この12月は株式市場全体が上昇しやすい傾向がありますが、残りわずかの今年は大納会に向けどうなるのでしょうか。また、年明けの大発会からはどのように推移するのでしょうか。

そこで今回も「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向、大納会に向けた動向や年明け大発会からの動向について考えていきましょう。

今週の株式市場動向

こちらをご覧ください。こちらは2024/12/13〜2024/12/26の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。

株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。

・天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
・底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
・押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
・空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向

これらの指数をふまえると今週の株式市場は、日経平均株価と株式市場全体が”連動している週”でした。

ただし、注意点があります。それは日経平均株価が、ほぼ横ばい状態での推移であったことです。

変動幅が先週よりは大きくなりましたが、大きくても1.19%でした。円単位で見ても、この株価水準で500円未満の変動でした。

そのようなこともあり、日経平均株価を基準に相場分析する人にとっては、引き続き横ばい状態としか分析できない状況だったでしょう。

対して、株トレンド指数も使って相場分析する私たちは、彼らと違って日経平均株価の横ばい状態の中でも、株式市場全体の動きを把握することができたでしょう。

しかし、動きを把握することができると言っても、明確なトレンドは発生していないので、実際の利益の面では、彼らと変化はなかったでしょう。

よって、今週の両指数の連動は、細部では何を基準に分析するかで読み取れる内容が変わりましたが、全体としては両指数が連動していたので、差異がそれほどなかったでしょう。

詳細を見ると、まず週初め12/23は、日経平均株価が12/12以来1%以上の変動を見せました。この動きにより、6日続落から脱すると同時に3万9000円を回復しました。

株トレンド指数も連動し、トレンドらしいトレンドではないものの、上昇傾向を示す天井指数が最も上昇しました。

12/24は、日経平均株価は0.32%下落と、ほぼ水平状態での推移でした。

株トレンド指数もこれに連動するように、前日の天井指数の水準が下がり、全指数の水準がほぼ同水準になりました。

この動きにより株式市場は無風状態に近い状態になったこともあり、日経平均株価も水平状態での推移になったと考えられます。

12/25は、日経平均株価が0.24%上昇と、前日の変動幅よりもより小さな変動にとどまりました。

株トレンド指数も同様に前日とほぼ変わらない動きを見せました。強いて言うなら空売り指数の水準が最も高い状態でした。

ですが、全体的に発生水準が小さいこともあり、これは無風状態に近い状況の中で、偶然高くなったと考えられます。よって、ここで何か変化が起きるようなことはありませんでした。

12/26は、日経平均株価1.12%上昇を見せました。直近の中では、週初め12/23に次ぐ水準での上昇であるのと、再び3万9000円半ばまで戻したこともあり良い印象のある上昇だったでしょう。

ただし、まだその上昇幅は1%台と小幅です。株トレンド指数も同様に上昇傾向を示す天井指数が今月中旬以来の水準にはなりましたが、まだ本格的な上昇とは言えない状況でした。

このように日経平均株価は横ばい状態ではあるものの、1%程度の変動があり、それに連動して株トレンド指数が発生しました。

しかしながら、日経平均株価は横ばい状態での推移であったことから、日経平均株価だけで相場分析するのは難しい週だったでしょう。

私たちのように株トレンド指数も含めて考えると、上のように分析することができます。ですが、上のグラフから株トレンド指数を除いてしまうと、分析が難しいと考えられます。

特に、今週のような横ばい状態だが、1%程度の小幅変動があると「思った方向に株価が動かない」と思うことが多いタイミングでしょう。

そのようなこともありますので、全体としては差異がありませんが、株トレンド指数で株式市場全体の動きを把握しつつ日経平均株価を見ているか、それとも日経平均株価単体で見ているかで、精神的な部分で差異はあったかもしれません。

大納会・大発会の日本株どうなる?

日経平均株価を基準に見ると、引き続き約2ヶ月間変わり映えしない状況です。6日続落が止まり下落リスクはないように見えますが、上昇も勢いがあるわけではないので、横ばいが続きそうに見受けられます。

ボックス圏の範囲も、6日続落した分を今週で取り返したような動きですので、引き続き「上値:3万9500円・下値:38,000円前後」と考えて良いでしょう。

また、先週から今週の動きを見る限り「上にも下にもいかない相場」だと判断できます。

ボックス圏の「上値付近に到達したら下がり、下値付近に到達したら上がり」の繰り返すのが今の相場状況だと考えられます。

こうなると、今後難しいのは「何をきっかけにボックス圏を抜けるか」です。大納会まで残りわずかの期間に材料が出ることは難しいでしょう。

それを考慮すると、本当の意味で株価を動かす材料ではありませんが、大発会からのご祝儀相場くらいしかないかもしれません。

大発会からの動きを少々見ないと分かりませんが、例えば「大発会で少々株価水準が上がり、上昇トレンドでの上抜けはせず、ボックス圏の水準だけが上がり、再び横ばいが続く」となる可能性も考えられます。

2021年10月以降、トレンドらしいトレンドがなく、一見すると上昇トレンドに見えても、それは「ボックス圏の水準を上げる上昇」に過ぎないことが続いています。

今の状況をふまえると、大発会後はそのような動きを想定しておいても良いかもしれません。

また、株トレンド指数を見てもボックス圏を示すような横並び状態の発生が続いていることが分かります。

12/26の上昇が多少大きく見えますが、これも本格的な上昇トレンドを起こすようなものには見えません。

やはり、ここからも日経平均株価と同様に、もし上昇するとしてもボックス圏の水準を上げる上昇にとどまると予測されます。

今の時点では、大発会からのご祝儀相場で本格的な上昇トレンドを迎えるような状況には見えません。

もし大納会で勢いのある上昇もしくは、その手前の水準になれば可能性もありますが、今の時点ではそういったことも想定しにくいでしょう。

いずれにしても、日経平均株価と株トレンド指数のどちらも、ボックス圏の維持を示すような推移をしています。

需給バランスから見た大納会・大発会の日本株は?

補足としての日本株市場の根底部分である株式市場全体の需給バランスも見ておきましょう。需給バランスは、以下の通りでした。

・外国人投資家:売り越し → 同水準で売り越しを維持
・個人投資家:売り越し → やや買い越しに変化
・日本の機関投資家:買い越し → やや買い越しに変化

今週も先週のデータに続き、三者をまとめると全体の需給バランスは「中立よりは売り越し」です。

外国人投資家は先週と変わらずです。年末年始の休暇に向け、ポジションを整理し、そのまま大納会を迎えると思われます。

また、日本の機関投資家も、ここにきてポジションの整理に向かっていると考えられます。このデータはタイムラグがあることを考えると、おそらく今週は完全に整理し、中立になっているのではないかと予測されます。

対して、ポジションに変化があったのが個人投資家です。個人投資家は売りから買いに変化しました。

おそらく、これは年末を狙って短期売買を仕掛けている個人投資家の動きだと考えられます。

毎年この時期は、国内外の機関投資家は年末年始休暇に向けポジションが中立に近づき、個人投資家だけが活性化されます。今回の変化もその動きの現れだと考えられます。

このような需給バランスを考慮しても、やはり大納会までに上下のどちらにも波乱は起きず、個人投資家の気まぐれ次第で、株価が小幅に上下のどちらかに進むのでしょう。

株式市場のプレイヤーが個人投資家だけになると、それほど株価を大きく動かすことはできません。

そのようなことも考慮し、引き続き上記のような狭い範囲でのボックス圏のまま大納会を迎えると考えられます。

また、大発会からのご祝儀相場での日経平均株価は、ここだけは異例の動きをすると考えられます。

あくまで、国内外の機関投資家がポジションを新たに持つことで株価が変動するだけで、材料があってのトレンドになるとは考えにくいです。

そのようなこともありますので、予測にはなってしまいますが、ご祝儀相場でボックス圏を上抜けするような上昇ではなく、ボックス圏の水準を上げる上昇を見せ、再び横ばい状態が続くのではないかと考えます。

また、一時的にご祝儀相場で上がりすぎたこともあり、緩やかに下落を続け再び今のボックス圏の水準に戻るかもしれません。

もちろん、株価を動かす材料が発生したらトレンドの発生も見込めますが、材料が発生しない限りそのようなシナリオを中心に考えておくと良いかもしれません。