年始から日経平均株価の一進一退が続いています。
大発会でのご祝儀上昇はなかったものの、約1.5%下落にとどまり大きく崩れることなく今年の株式市場がスタートしました。
その後は4万円前後を一進一退で推移する状況が続いています。
今年のスタートとしては、少々物足りない印象もあるかもしれませんが、年末からの小幅上昇を維持し堅調に推移しているとも見えます。
この1月は上昇しやすい傾向があります。果たして、ここからさらに上昇し日経平均株価4万円が定着する可能性はあるのでしょうか。
そこで今回も「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向や、今後の動向について考えていきましょう。
今週の株式市場動向
こちらをご覧ください。こちらは2024/12/20〜2025/01/08の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。
株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。
・天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
・底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
・押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
・空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
週の半ばのデータではありますが、年末の状況もふまえて今週の動向を見ていきましょう。
これらの指数をふまえると今週の株式市場は、日経平均株価と株式市場全体が”やや連動している週”でした。
読み取り方によっては”連動していない”とも読み取れるので、どちらとも言えないという表現もできます。
ただし、冒頭の通り日経平均株価が一進一退で推移している通り、株トレンド指数もそれに準じた動きをしているように見受けられます。
そのような年末年始でしたので、日経平均株価と株式市場全体の差異があったというよりは、ご祝儀相場による上昇がなかったことへの期待外れが大きい週かもしれません。
詳細を見ると、大発会1/6はご祝儀相場とはならず日経平均株価の下落からスタートしました。株トレンド指数を見ても、天井指数の水準が大発会とほとんど変わらず、やや失速したような印象です。
しかし、ここで重要なポイントがあります。それが「押し目指数」です。この指数は通常あまり2桁などまで上昇することはないのですが、「8」まで上昇しました。
結果論のように見えるかもしれませんが、年末の小幅上昇や今週半ばにかけての上昇は、この押し目買い指数が起点になったと考えられます。
押し目買い指数は、その名の通り株式市場全体が押し目買いの動きをする可能性を示します。この指数が2桁に近い数字になると、その近い日付に上昇する傾向があります。
例えば、年末12/23も「8」まで上昇し、そこから日経平均株価が小幅上昇し4万円に到達しました。
そのようなこともあり、この押し目買い指数が2桁に近い水準になったことが、今週の株式市場を左右したと考えられます。
実際に1/7は上昇傾向を示す天井指数の水準が上がり、日経平均株価も上昇し再び4万円に到達しました。
そして1/8も天井指数は同水準を維持し、押し目買い指数が「11」の水準に達しました。2桁になるのは9月上旬以来です。
週明けの日本株どうなる?
こういった押し目買い指数の状況を考慮すると、ここから再び株式市場が押し目買いの動きをする可能性が高いと考えられます。
このように今年のスタート3日間は、イレギュラーな動きを見せています。まだ1/9、1/10を残していることを考えると、週末もしくは週明けに上昇の可能性もあるでしょう。
では、直近2ヶ月間の状況もふまえて、現状をより詳しく見てみましょう。日経平均株価を基準に見ると、4万円前後を推移しているものの約2ヶ月間変わり映えしない状況です。
そして、ボックス圏の範囲も、引き続き「上値:3万9500円・下値:38,000円前後」と考えて良いでしょう。楽観的に見れば「上値:4万円・下値:38,500円前後」でしょう。
堅調に推移しているとも捉えられますが、どちらかと言えば「崩れていない」という表現が適切です。
なお、あえて付け加えるならば、年末からようやく株価変動が目に見える形で現れてきました。これまでは、あまりに変動がなかったので直線のような状況が続いていました。
それがようやく年末から変動が分かるようになってきました。セオリーから言えば、もしこのまま変動が続くようであれば、上下のどちらかに再び動き出す可能性が出てきます。
対して、株トレンド指数を見ると、今週は押し目買い指数によって変動があったように見えますが、まだ株式市場全体が明確に動き出すような状況ではないことが分かります。
日経平均株価は、このまま変動が続けば動き出す可能性があり、株トレンド指数では明確に動き出すような動きが見られないとなると、引き続き一進一退の状況が続きそうです。
もし変化があるとしても今週のような押し目買い指数による一時的なもので、明確なトレンドによる動きはなさそうです。
どちらかと言うと、日経平均株価4万円前後の状態が定着し、ボックス圏の水準がやや上昇するのか、それとも現状のボックス圏に戻るのかの変化を見ていくような株式市場になるでしょう。
需給バランスから見た週明けの日本株は?
補足としての日本株市場の根底部分である株式市場全体の需給バランスも見ておきましょう。需給バランスは、以下の通りでした。
・外国人投資家:売り越し → 買い越しに変化
・個人投資家:やや買い越し → 売り越しに変化
・日本の機関投資家:やや買い越し → 売り越しに変化
今週はデータに続き、三者をまとめると全体の需給バランスは「売り越し優勢」です。
ただし、こちらのデータは年末のものですので大納会に向けて一時は活性化しましたが、ポジションを整理した投資家が多いことを示していると考えられます。
予測にはなってしまいますが、この状態で大納会を迎えていますので、大発会で日経平均株価がいきなり下落したことで、買い戻しができない状況の可能性があります。
それと押し目買い指数の状況をふまえると、時間差でご祝儀相場のような上昇もあるかもしれません。
しかしながら、その上昇は上昇トレンドのようなものではなく、押し目買いの上昇が示す通り、一時的な上昇にとどまると考えられます。
このように今週の株式市場をみる限り、ご祝儀相場になっていないのは明確です。だからと言って、ここから上昇がないかと言えば、需給バランスや押し目買い指数の動きから小さな上昇の可能性はありそうです。
ですが、その上昇はボックス圏の水準を今よりもやや上げ、日経平均株価4万円を前後するような上昇にとどまると予測されます。
方向感がないと言えば、その一言につきますが、方向感がない中でも下落リスクよりも、ここから小幅上昇の可能性を秘めた方向感のない推移と捉えておくと良いかもしれません。