12/5に第3四半期決算発表を迎えた積水ハウス<1928>。今年前半は8月上旬の暴落までは堅調に推移していました。暴落後も堅調さが続き、そのまま上昇を続け9月下旬には年初来高値を更新しました。

しかし、そこをピークに下落トレンドに入り11月下旬までダラダラと下落が止まりませんでした。直近はそこからやや持ち直すも、反発は小さく依然として長期的に見れば株価が下がり続けています。

そのような中、 決算発表を迎えた同社ですが、ここからどれくらいの範囲で株価が推移することが予測されるのでしょうか?そして、この下落の理由はどのようなことが考えられるのでしょうか?

積水ハウス<1928>の第3四半期決算前後の株価動向は?

まず同社の株価が、決算を挟んだ1ヶ月間(11月下旬~12月中旬)で、例年どのような傾向が見られるのか分析してみます。そのデータ分析の結果はこちらです。

※上記グラフは「SAC Technologies」の独自システムによるデータ分析による結果です

2000年から2023年の株価の推移を見ると、上昇傾向が15回、下落傾向が9回見られます。この数字を見る限り、この期間は明確に上昇傾向があると読み取れます。

変動幅を見ると、10%以上の変動は上昇時に2回見られます。下落時は最大でも7~8%にとどまっています。対して、5%以内の変動は上下合わせて15回あります。その他7回は5~10%の中程度の変動です。

この点を考慮すると、10%以上の大きな変動の可能性は低く、5%以内の小幅変動にとどまる可能性が高いでしょう。

ただし、注意点もあります。それは上昇時と下落時でやや傾向が違うことです。上昇時は、5%前後で上昇が止まる可能性が高く、まれに10%以上の変動があります。

これに対して、下落時は9回中5回が中程度の変動です。つまり下落時は、5%以内の小幅変動よりも、5%よりも大きい変動になる可能性が高いと厳しめにみておくと良いでしょう。

これらを考慮すると同社の株価は、この時期に全体としてこの時期に明確な上昇傾向があるものの、その変動幅は小幅にとどまる可能性が高いと考えられます。反対にもし傾向に反して下落する場合は、5~8%程度の下落を想定しておいたほうが良いかもしれません。

では、同社の株価は、第3四半期決算発表前後でどれくらいの範囲で株価が推移することが予測されるのでしょうか?

積水ハウス<1928>12月中旬の目標株価は?

データ分析によると、ここから株価が以下のような範囲で推移することが予測されます。

【目標株価】
上値目安:3,710円
下値目安:3,368円

※11/28終値3,544円を基準に計算

これまでの株価を分析した結果を見る限り、上昇幅は約4.7%、下落幅は約5.0%と考えられます。よって、上値は「3,710円」、下値は「3,368円」が目標株価と考えられるでしょう。

上値の目安に到達した場合は、現在の株価より一段高い水準まで上昇し、下降する25日移動平均線を上抜けします。しかし、依然として75日移動平均線の下の水準にとどまることから、上値は重たいでしょう。

先ほどの傾向をふまえても、時々見せる10%以上の上昇ではなく、確率の高い5%以内の変動にとどまるでしょう。そのようなこともありますので、直近の上昇は元の水準に反発するきっかけではなく、このままダラダラといく可能性が高いかもしれません。

反対に、下値の目安に到達した場合は、200日移動平均線を下抜けします。こうなると、ここから更に下落が続くと考えられます。8月につけた年初来安値2,843円には至りませんが、次の展開には注意が必要でしょう。

うえの傾向をふまえても、この時期は50%以上の確率で中程度の下落を見せています。その点をふまえると、上記の下値目安を更新し、そのまま下がることも想定しておくと良いでしょう。

積水ハウス<1928>下落が続く理由は?

このように同社は、この時期に明確な上昇傾向があるものの、今年に限ってはこれまで確率の低かった下落傾向に陥る可能性が高いと考えられます。

年初来高値更新までは暴落を除いて堅調でしたが、そこから下落トレンドが続いています。その下落が続く理由としては、やはり25日移動平均線が75日移動平均線を下抜けしたことや、同時に株価がそのから離れた水準まで下落したことだと考えられるでしょう。

そして、ここから再上昇を期待したいところですが、直近はそれに加えて200日移動平均線を下抜けする可能性も出てきていますので、どちらかといえば悲観的に見ていかないとリスクがあるでしょう。

特に今は、年単位見れば明確な下落トレンドですが、ダラダラと下落していることもあり、その場その場ではこの動きを感じにくいかと思います。加えて、直近は方向感を失った状況ですので、今後は思った方向と反対方向に株価が動くこともあるでしょう。

そのような状況ですので、ここは無理に動くことなく、そして再上昇を期待することなく、ここから下落がどこまで続くか、そしてその次の展開がどうなるかの見通しがある程度ついてから売買を考えるのが良いでしょう。

ぜひ、このような情報をもとに、あなたの投資スタンスを決めてみてはいかがでしょうか。

※本記事は2024/12/9時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。年初来高値などの更新日や移動平均などの記載については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。