12/23に第3四半期決算発表を迎えたしまむら<8227>。8月の安値更新から下がり続けることなく反発し直近8,500円前後まで回復しています。

しかし、直近はその水準で停滞していることもあり、なぜ同社の株価がこの水準まで上昇しているのかと理由を考えたり、この水準は割高ではないのかと考える投資家もいるかもしれません。

このように安値更新からの回復や直近までの上昇を好材料と見る一方で、ネガティブな見方もできるので、ここっからの株価の推移をどう判断して良いか難しいところもであるでしょう。

同社は、ここからどれくらいの範囲で株価が推移することが予測されるのでしょうか?また、同社の株価はなぜ、ここまで上昇しているのか、その理由も一緒に考えましょう。

しまむら<8227>の第3四半期決算前後の株価動向は?

まず同社の株価が、決算を挟んだ1ヶ月間(12月中旬~1月上旬)で、例年どのような傾向が見られるのか分析してみます。そのデータ分析の結果はこちらです。

※上記グラフは「SAC Technologies」の独自システムによるデータ分析による結果です

2000年から2023年の株価の推移を見ると、上昇傾向が10回、下落傾向が13回、変わらずが1回見られます。この数字を見る限り、やや下落傾向があると読み取れます。

変動幅を見ると、10%以上の変動は、ほぼ10%も含めると上下合わせて7回見られます。そのうち4回は下落時に発生し、2000年には約30%の下落が見られます。

対して、5%以内の変動は上下と変わらずを合わせて10回あります。その他7回は5~10%の中程度の変動です。

この点を考慮すると、同社の株価はどの変動幅になるは、その年になってみないと分からず、傾向らしい傾向がないと考えられます。

ただし、下落時はどちらかと言えば、小幅に動くときは動き、大幅に動くときは動くという、比較的極端な動きをする傾向があるでしょう。もし、5%を超えることがあれば、10%以上の下落を想定しておくと良いでしょう。

これらを考慮すると同社の株価は、この時期に全体としてやや下落傾向があり、下落した場合は小幅と大幅のどちらかに動く可能性が高いでしょう。

仮に上昇すると、小幅、中程度、大幅の確率がほぼ同じなので、予測するのは難しいかもしれません。 

では、同社の株価は、第3四半期決算発表前後でどれくらいの範囲で株価が推移することが予測されるのでしょうか?

しまむら<8227>1月上旬の目標株価は?

データ分析によると、ここから株価が以下のような範囲で推移することが予測されます。

【目標株価】
上値目安:9,152円
下値目安:7,918円

※12/10終値8,538円を基準に計算

これまでの株価を分析した結果を見る限り、上昇幅は約7.1%、下落幅は約7.2%と考えられます。よって、上値は「9,152円」、下値は「7,918円」が目標株価と考えられるでしょう。

上値の目安に到達した場合は、3/21の年初来高値9,235円には届きませんが、それに準ずる高値水準に届きます。

ただし、注意したいのは3月の高値更新後は大きく下落していることです。今回も同じ動きをするとは限りませんが、年間を通して値動きが大きいことを考慮すると、この上昇に楽観的にならないほうが良いでしょう。

反対に、下値の目安に到達した場合は、現在の200日移動平均線付近まで一気に水準が下がります。

8月以降は下値の抵抗線として、この200日移動平均線が機能する期待もありますが、それより以前は抵抗線として機能していません。それをふまえると、抵抗線になるか慎重に見ておいたほうが良いでしょう。

万が一、抵抗線として機能しなかった場合は、8月の安値更新後のように低迷する可能性があります。

特にこの時期は、やや下落傾向があり、もし小幅にならず大幅になると15%前後の下落になる可能性が高まります。

直近は上昇しているものの、まだ勢いのある上昇ではありませんので、過度に反発を期待せず、場合によっては事前に損切りタイミングを設定しておくのが良いかもしれません。

しまむら<8227>株価が高い理由は?

このように直近8,500円前後の水準まで上昇しているものの、データ分析する限りではここから大きく上昇するのは想定しにくい状況にあります。

だから、今の株価は割高で「天井ではないか」という疑問もあるかもしれません。しかし、上記のデータを見る限り、そうとも言い切れないでしょう。

なぜなら、上昇する場合は小幅、中程度、大幅上昇の可能性が、ほぼ同じだからです。下落する場合は、上記のようなリスクがありますが、上昇の場合は話が変わってきます。

もし、10%以上の大幅上昇の傾向に重なれば、ここが天井ではなく、更に上昇すると考えられます。

株価は上昇すると、天井を意識することもあるでしょう。また、なぜ株価が高いのかと考えることもあるでしょう。特に直近は、上昇一辺倒ではなく、停滞気味ですので、そう感じるときも多いかもしれません。

しかし、株価は根本として需給バランスで決まりますので、このバランスが「需要>供給」になれば、更に上昇しますす、「供給>需要」になれば下落します。

株価が今の水準だということは、それだけ需要が続いたことであり、下落するときは需要が小さくなったということでしょう。

そのような根本原理や上記のデータ分析をふまると、同社の現状は不思議な状況ではなく、株価の原理のもと上昇したと考えられます。

ただし、そういった言っても直近の株価は、割高かどうかに限らず、下落に押される可能性が高いでしょう。しかし、その確率は僅差でもありますので、下落リスクに比重を置きつつ、上昇も考えておくと良いでしょう。

結果として、それが変に株価を予測することなく、ニュートラルな状態で動向を見ることになり、株価の変動に合わせてあなたの意思決定を変化させていくことにつながると思います。

ぜひ、このような情報をもとに、あなたの投資スタンスを決めてみてはいかがでしょうか。

※本記事は2024/12/23時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。年初来高値などの更新日や移動平均などの記載については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。