日経平均株価 が依然として4万円に届かない状況が続いています。
今週は全体として上昇しているものの、1%未満の変動にとどまっていることから、ほぼ水平状態で推移中です。
一方で、一時3万9500円割れはあったものの回復し、3万9500円付近を底値にした堅い展開が続いているとも言えます。
ここから参議院選挙を控えていることもあり、その影響で堅調に推移するものの、上昇の勢いが不足し水平状態が続いているのかもしれません。
そのような日本株市場ですが、ここからどのような展開になることが想定されるのでしょうか。
そこで今回も「株トレンド指数」や先週の動向をもとに、今週の株式市場の動向や、今後の動向について考えていきましょう。
今週の市場動向と 日経平均株価 の変動
こちらをご覧ください。こちらは7/4〜7/17の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。

株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。
・天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
・底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
・押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
・空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
株トレンド指数から見る今週の日本株市場の特長
今週の株式市場は、先週同様に日経平均株価と株式市場全体が”ほぼ連動している週”でした。
よって、今週は日経平均株価だけを基準に方向感を捉える人と、株トレンド指数も使って方向感を捉える人では”差異”があまり生じない週だったでしょう。
ただし、日経平均株価は先週から値動きが小さくなっていますので、日経平均株価だけで方向感を捉える人にとっては読みにくい市場だったかもしれません。
一方、株トレンド指数も使って方向感を捉える私たちは、日経平均株価は水平状態ではあるが「依然として緩やかな上昇は続いている」と読み取れたでしょう。
先週に続き、この段階で実際の損益に影響があるような状況ではないと思います。
しかし、このような水平状態では、その裏側で起きていることを把握しているかがポイントにもなります。
今の時点では差異はありませんが、後々差異が出てくる週だったとも考えられるでしょう。
日経平均株価 と株式市場全体の動きを比較
詳細を見てみましょう。週初め7/14は日経平均株価が0.28%下落しました。4万円到達後は3万9500円以上を維持してきましたが、ここで初めてその水準を割りました。
しかし、割ったと言っても1%未満の話であり、円単位でも約40円です。日経平均株価が1万円を割る水準であれば意味合いが違いますが、今は4万円目前の水準です。
この水準であれば、誤差の範囲程度の話ですので、決して悲観的になるような3万9500円割れではないと考えられます。
株トレンド指数を見ると、先週末に36まで上昇した天井指数が11まで下がりました。日経平均株価の下落幅と比較すると、株式市場全体のほうが下落したと考えられます。
ただし、この下落が下落方向へ引き込むようなものではなく、あくまで先週までの緩やかな上昇がいったんおさまったと考えるのが妥当でしょう。
7/15は日経平均株価が0.55%上昇しました。ほぼ変動なしではありますが、円単位で見るとこの上昇で3万9500円を回復しました。
引き続き誤差の範囲のような上昇幅ではありますが、この回復で先週までの上昇はいったんおさまったが、引き続き緩やかな上昇は続くと想定することができたでしょう。
株トレンド指数を見ても、わずかな上昇ではありますが天井指数が前日よりも上昇し、多少上昇が強まりました。
もし、この上昇がなければ誤差の範囲とはいえ失速する可能性があったでしょう。しかしながら、この上昇で引き続き日本株市場には緩やかな上昇が続いていることが分かりました。
7/16の日経平均株価は0.04%下落しました。これもほぼ変動なしと読み取って良いでしょう。
株トレンド指数を見ても、再び天井指数の水準が下がっています。ですが、下落を示すような下がり方ではないことから、ここからも引き続き緩やかな上昇が続いていると判断できます。
なお、ここで多少気がかりなのが底値指数の水準が同日に上昇したことです。株トレンド指数を牽引することは想定されませんが、7/3以来の水準です。
また失速することが予測されますが、このような動きがあったことは、ここでおさえておくのが良かったでしょう。
7/17は日経平均株価が0.6%上昇しました。今週の中では、最も大きな変動です。この上昇により日経平均株価は3万9900円台まで上昇しました。
ここまで来ると日経平均株価の4万円突破を描きたいところです。しかし、株トレンド指数を見るとわかる通り、この日の天井指数はそれほど大きく上昇していません。
今週だけで見ると大きく上昇しているようにみえますが、実際は先週の上昇勢いには届いていません。
今週の市場動向と 日経平均株価 の変動のポイント
このように今週の株式市場は、全体感としては日経平均株価だけを基準に株式市場を見ても、株トレンド指数も加えてみても、それほど大きな差異はありませんでした。
ですが、詳細を見ると、水平状態の日経平均株価の裏側で、株トレンド指数は動いていることが分かります。
先週よりは緩やかな上昇ではありますが、週初めの日経平均株価の下落よって完全失速したわけではなく、引き続き上昇の機会を狙っていることが分かります。
依然として次の展開を読みにくい状況ではありますが、日本株が完全に失速しているわけではないことも分かります。
今は参議院選挙を控えているので、その結果次第で変動することも想定されますが、現状では次の上昇のタイミングを模索しているようにも見受けられます。
よって、日経平均株価は水平状態ではありますが、株式市場全体は引き続き状況は比較的ポジティブに捉え「再上昇するタイミングはいつか」と、そのタイミングを伺っても良いでしょう。
では、直近2ヶ月間の状況もふまえて、現状をより詳しく見てみましょう。
日経平均株価 の動向を徹底分析する
日経平均株価を基準に見ると、なかなか見ないような水平状態で推移していることが分かります。6/30の4万円到達以降、狭い範囲のボックス圏を推移しています。
具体的には「上値:4万円付近・下値:38,500円前後」のボックス圏です。
ネガティブに見ると水平状態で方向感がありません。一方、ポジティブに見ると、ズルズル下落することなく、高値圏を維持していると言えます。底堅い展開とも言えるでしょう。
こうなると、前述の通り次の展開のきっかけになるのは参議院選挙の結果がどうなるかかもしれません。
後ほど見る株式市場の需給バランスの状態からも、そのような様子が見受けられます。
一方、株トレンド指数を見ると、先週よりは上昇傾向が弱くなっているものの、引き続き緩やかな上昇傾向を維持していることが分かります。
ネガティブに見れば上昇の勢い不足ではありますが、ポジティブに見ればこの緩やかな上昇によって、日経平均株価も崩れることなく水平状態を維持できていると考えられます。
来週の日経平均株価の予想シナリオ
このように今週の株式市場は、期間を広げると”より水平状態の推移”を続けていることが分かります。
そして、その裏側では上昇傾向を示す天井指数の発生がなくならないことや、他の指数の水準が上がらないことから、上手く現状維持ができていると読み取れます。
繰り返しにはなりますが、この「上値:4万円付近・下値:38,500円前後」のボックス圏での水平状態が次の展開に行くのは参議院選挙後だと想定されます。
サプライズがなければ現状維持を続けるか、場合によっては日経平均株価4万円突破や、そこから4万1000円…2000円…3000円と上昇する可能性もあります。
反対にサプライズが起きればボックス圏を下抜けし、そのまま下落することもあるでしょう。
特に今は、日経平均株価で考えると、狭いボックス圏での水平状態が続いています。ボックス圏の推移が長ければ長いほど抜けるときは、上にも下にも大きく動く傾向があります。
また、直近のボックス圏がほとんど変動のない珍しいタイプのボックス圏ですので、期間は短いですが抜けるときは大きく抜けることを想定しておくと良いでしょう。
国内外投資家の売買動向から見た来週の見通し
補足としての日本株市場の根底部分である株式市場全体の需給バランスも見ておきましょう。現状は以下の通りです。
・外国人投資家:買い越し → 買い越し弱まる(↘)
・個人投資家:売り越し → ほぼ変動なし(→)
・日本の機関投資家:買い越し → 売り越しに転換(↘)

三者をまとめると、全体の需給バランスはグラフのように「やや買い越し」です。「ほぼ均衡」と言っても良いかもしれません。
このデータをふまえると日経平均株価4万円到達後、「上値:4万円付近・下値:38,500円前後」のボックス圏で推移している理由が分かります。
おそらく、今週の株式市場も同じような需給バランスなのではないかと想定されます。これでは、動きたくても動けない状況だと言えます。
全体のポジション量も同じくらいですので、膠着しているわけではありませんが、三者とも選挙結果が出るまで様子見をしているようにも見受けられます。
では、各投資家の詳細を見てみましょう。
外国人投資家の売買動向
まず、外国人投資家です。最新週も買い越しでしたので、これで15週連続で買い越しです。この買い越しが今の日経平均株価の底堅さを維持してると読み取れます。
ただし、依然として、日本株市場が本格的な上昇トレンドを迎えるような買いポジションの大きさではないこともあり、株価自体はそこまで上昇していません。
とはいえ、買い越しを続けていることをふまえると、外国人投資家からは日本株市場は魅力的なのでしょう。
今は選挙結果が出るまでの様子見状態だと思われますので、現状が転換するようなサプライズがなければ、ここから買い越しを強める可能性もあるでしょう。
そうなると、日本の投資家たちも様子見から動き出しますので、いよいよ本格的な上昇トレンドに入ることも考えられます。
個人投資家の売買動向
次は、私たち個人投資家です。先週と同じくらいの売り越しです。これで5週連続売り越しです。
ただし、直近2週は売り越しが弱まってきました。この動きは、おそらく選挙結果がでるまで様子見をする動きだと思われます。
仮に現状が転換するようなサプライズになる場合は下落が想定されますので、そうならないよう今の高値圏で手仕舞いを進めているのかもしれません。
反対に現状が加速するようなサプライズになれば、一気に上昇することが想定されますので、そのときにすぐに動けるようにニュートラルポジションに近い状態にしているのでしょう。
データを見る限り、このようなことが想定されますので、ここからもやはり選挙結果でどうなるかが決まりそうです。
日本の機関投資家の売買動向
最後に日本の機関投資家を見ると、売り越しに転換しています。日本の機関投資家は動きを読めない部分がありますので何とも言えませんが、個人投資家と同様に選挙結果を待っているのかもしれません。
いったん、ニュートラルポジションに近い状態にし、選挙結果次第で買い戻しなどそういった動きをしようとしている可能性があります。
動きがランダムなので可能性としか言えませんが、今の状況を考慮する限り、こういったことが想定されるでしょう。
国内外投資家の売買動向から見た来週の見通し
このように三者の状況をまとめると、今の需給バランスが示すように「様子見状態」になっていると考えられます。
株トレンド指数が上昇傾向を示しているのは外国人投資家のおかげで、日経平均株価が水平状態になっているのは日本の投資家がニュートラルポジションにして様子見をしているからだと考えられます。
このように需給バランスを見ても、次のイベントである選挙結果が出ない限り、誰も積極的に動こうとしていないことが分かります。
違う見方をすると、選挙結果次第で三者それぞれポジション量を多くすることが想定されますので、今のボックス圏を抜ける場合は上下のどちらにも大きく変動するでしょう。
その根拠が、まさに今の需給バランスになっていると思われます。
このような状態ですので、やはり今は選挙結果次第で、株価が動き出すと考えられます。
特に今回は予想も見えにくい状況ですので、需給バランスが示す通りニュートラルポジションを取ってしまうのでしょう。
来週の日経平均株価見通し:ワンポイントアドバイス
このように今週の株式市場は、日経平均株価は水平状態で高値圏を維持するものの、全く方向感がありません。
ですが、それは各指数を見ても分かるように選挙結果が出るまで様子見をしていることが理由だと分かりました。
そうなると、ここからのポイントは選挙結果によって、ボックス圏を上下のどちらに抜けるかです。
こればかりは株式市場では計算できないものですので、結果次第であなたのスタンスを調整していく必要があるでしょう。
ただし、大まかには以下の3つのシナリオが想定されます。
(1)楽観|良いほうのサプライズ → ボックス圏を上抜けし本格的な上昇トレンド
(2)中間|現状維持 → ボックス圏を一時的に上抜けするが上昇トレンドには入らない
(3)悲観|悪いほうのサプライズ → ボックス圏を下抜けし下落が加速
よく考えられる通常のシナリオではありますが、分析しても同じようなことが想定されます。
日経平均株価や株トレンド指数、需給バランスを見ても、現状が様子見であることを考慮すると、やはりこうなります。
そうなると、やはりここは結果次第で動けるように複数のシナリオを想定しながら、週明けに備えておくのが良いでしょう。
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▼ご注意▼
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2025/7/17(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。予めご了承くださいませ。