日経平均株価 が4万3000円を突破したものの、維持できず緩やかに下降しています。
8/19の年初来高値到達までは勢いよく順調に上昇しましたが、それ以降上昇勢いが不足し、息切れ状態にも見受けられます。
ただし、これは円単位で見た場合で、下落率で見るとピークから3%程度の下落にとどまっています。
上昇が止まりここが天井のように見えるものの、これを考慮するとまだ再上昇を狙える水準に留まっています。
むしろ、引き続き高値圏を推移し、年初来高値を再度更新するのも射程圏とも言えそうです。
このように、一方では息切れ状態に見え、一方では再上昇を狙える状態の日本株市場ですが、ここからどうなるのでしょうか。
そこで今回も相場の動きを数値で見える化した「株トレンド指数」や先週の動向をもとに、今週の株式市場の動向や、今後の動向について考えていきましょう。
先週の市場動向と 日経平均株価 の変動
こちらをご覧ください。こちらは8/14〜8/27の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。

株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。
・天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
・底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
・押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
・空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
株トレンド指数から見る先週の日本株市場の特長
今週の株式市場は、3日間のデータなので参考ではありますが、日経平均株価と株式市場全体が”あまり連動していない週”でした。
ただし、引き続き日経平均株価だけを基準に方向感を捉える人と、株トレンド指数も使って方向感を捉える人では”差異”が生じた週だったと言えるでしょう。
なぜなら、日経平均株価と株式市場全体では引き続き「上昇勢いが違っていたから」です。
大まかに言うと、株式市場全体は目立った上昇は週初めしかなかったものの、その後完全に失速はせず、次の上昇を狙うような動きをしていました。
反対に日経平均株価は、株式市場全体と同じような動きとは言い難く、横ばいの推移だったので、この動きが何を意味するかをつかみにくかったでしょう。
つまり、日経平均株価だけを基準に方向感を捉える人にとっては、今どうなっているかが分かりにくい動きだったと考えられます。
これに対して、株トレンド指数も含めて方向感を捉える人にとっては「なぜ、日経平均株価がこのような動きをしているか」を理解できたでしょう。
現時点では、これが損益には影響しないと思いますが、こういった場面では精神的な部分が次の展開に関わり、これが今後の差異になる可能性があるでしょう。
日経平均株価 と株式市場全体の動きを比較
では、詳細を見てみましょう。週初め8/25の日経平均株価は0.41%上昇しました。円単位では174円上昇です。上昇率の通り、先週末とほぼ変動がありませんでした。
日経平均株価だけを基準に方向感を捉えている人にとっては、この日の変動で、これまでの上昇勢いがなくなったと判断したかもしれません。
先週は3日続落など下落がありましたので、日経平均株価の年初来高値更新を天井に、ここから下落に入るのではないかと弱気になったタイミングかもしれません。
株トレンド指数を見ると、先週末の天井指数の水準をほぼ維持しました。日経平均株価の動きと違い、ここから株式市場全体はまだ上昇傾向が続いていることが分かります。
下落傾向を示す底値指数の水準も引き続き安定していますので、下落傾向に入る兆しも見えない状況です。
このように、この週初め8/25は日経平均株価だけを基準にする人にとっては、停滞もしくは上昇勢いがなくなったと捉え、株トレンド指数も含めて分析する人にとっては、まだ上昇が続いていると捉える分岐点になったでしょう。
ただし、やや注意しなければならないのが、次の8/26です。8/26の日経平均株価は0.97%下落しました。1%程度変動するのは、8/20以来です。
円単位では413円下落しました。もし、円単位で日経平均株価を見ている人がいたら、この下落は少々大きなものに感じたかもしれません。
ですが、実際は約1%下落ですので、それほど大きな下落ではありません。前日と比較すると横ばいに推移と言ってもよい範囲でしょう。
株トレンド指数を見ると、上昇傾向を示す天井指数の水準が一気に1/6程度まで下がりました。
前日までは先週末までの上昇勢いを保っていましたが、それがここで途切れたと考えられます。
しかし、ここで注意したいのが「押し目買い指数」の動きです。先週も比較的高水準でしたが、今週に入りいったん一桁に戻ってから、再度「19」まで上昇しました。
押し目買い指数は、その名の通り上昇中の一時的な下落ですので、ここから再上昇の可能性があることを示唆します。
かつ、二桁の水準まではなかなか届かないので、それだけ押し目買いの動きになる可能性が高まります。
一方で、この状態が続いたまま再上昇しないと、そのまま上昇勢いが完全になくなってしまいます。
この8/26は各指数の中でも押し目買い指数の水準が最も高かったことから、ここから再上昇を示唆する動きになっていると考えられます。
日経平均株価は横ばいで、上昇傾向を示す天井指数の水準も下がりましたが、押し目買い指数が示す通り、再上昇の可能性を示唆したのが、この日でした。
8/27になると、日経平均株価は0.3%上昇でした。前日とほぼ変わらない水準です。円単位では125円上昇しました。
株トレンド指数は前日に上昇した押し目買い指数の水準を、ほぼそのまま維持しました。上昇傾向を示す天井指数も小さいながらも水準を上げてきました。
もし、このまま押し目買いの水準が変則的に続かなければ、今週末から来週初めに再上昇もあるかもしれません。
週明けまでこの水準が続いてしまうと、このまま上昇勢いがなくなると考えられますが、このままセオリー通りに行けば、そのような展開が予測されます。
先週の市場動向と 日経平均株価 の変動のポイント
このように今週の株式市場は、日経平均株価も株トレンド指数も全体感では横ばいのような動きをしています。
しかし、内訳を見ると、日経平均株価は先週からの流れで「弱気」にならざるを得ない状況だと読み取れます。
反対に、株トレンド指数では先週までの上昇はいったん落ち着いたものの、この日経平均株価の停滞は再上昇に向けた調整局面だと読み取ることができます。
もちろん、押し目買い指数の動きにリスクはありますが、これが週明けも再上昇がなければ上昇傾向は完全に収まったと判断できます。
このように、どちらの指標を基準にするかで内訳の読み取り方が大きく変わってきます。
今の時点で、この読み取り方によって差異はありませんが、ここから週末や週明けの展開を予測するには差異が生じるでしょう。
なお、日本株市場の天井については、今週の動きだけを見る限り「まだ天井ではない」と読み取れます。
ただし、それは押し目買い指数の動き次第でもありますので、週明け早々に再上昇がない場合は、すでに天井をつけたと判断するのが妥当でしょう。
天井を付けたからと言って、そこから下落に転じるわけではありませんが、再上昇することなく、再び今のような高値圏でボックス圏に入ると想定しておくのが良いでしょう。
日経平均株価 の動向を徹底分析する
日経平均株価を基準に見ると、ボックス圏を上抜けし高値圏を推移しているものの、停滞していることが分かります。
もし、このまま停滞が続くと、従来通りボックス圏を上抜けしたものの、大きな上昇なくボックス圏の水準を押し上げる上昇にとどまるでしょう。
今回は、従来よりはセオリー近い上昇トレンドが発生していますが、ネガティブに見るとこのようなことも考えられます。
もちろん、これは日経平均株価だけを見た場合の話です。ただし、株式市場全体も含め、一つのシナリオとして持っておくのは良いでしょう。
なお、天井についてですが、日経平均株価の推移だけをみると、天井らしい天井になっていないことが分かります。
年初来高値を更新していますので、そこが天井と言えますが、ダラっとした推移をしています。
そういった意味では、瞬間的に見ると天井を付けたように見えますが、従来のようにボックス圏の水準を押し上げる過程で偶然天井を付けたようなイメージかもしれません。
一方、株トレンド指数を見ると、今週でいったん短期の上昇トレンドが終わったように見えます。
ただし、前述の通り今週は押し目買い指数が目立っていますので、再上昇の可能性はあります。
日本株市場の天井については、この2ヶ月間だけを見ると天井を付けたように見えますが、再上昇の可能性がありますので、その動き次第になりそうです。
ただ、ここから再上昇するにしても天井指数が8月上旬よりも上がるのは難しいのではないかと推測します。
そうなると、結果的には天井がこの先にはあるが、実際の流れではそれほど明確な天井ではないと考えられます。
引き続き高値圏を推移する中で、小さな上昇が発生し、その過程で天井を付けるイメージではないかと思われます。
今週の日経平均株価の予想シナリオ
このように今週の株式市場は、期間を広げてみると、ややネガティブな動きとも読み取れます。
少なくとも言えるのは、8月上旬に発生した上昇トレンドは、アベノミクスのような大相場ではなく、短期的上昇トレンドだったということです。
押し目買い指数の動きを見る限り、再上昇の可能性はあります。ただ、それが再び上昇トレンドに入るような勢いがつくかと考えると、そこは難しいかもしれません。
あくまでも一時的な上昇にとどまり、再びボックス圏を推移することになりそうです。
ただし、そこから下落する動きも見られませんので、高値圏を横ばいに推移しながら、再び上昇トレンドが発生するきっかけを狙うような動きになるでしょう。
そういった意味では、ここからはあまり楽観的に見ることはせず、中間や慎重に動きを見ていったほうが良いかもしれません。
国内外投資家の売買動向から見た今週の見通し
補足としての日本株市場の根底部分である株式市場全体の需給バランスも見ておきましょう。
・外国人投資家:わずかに売り越し → 買い越しに転換(↗)
・個人投資家:売り越し → 売り越しが強まる(↘)
・日本の機関投資家:わずかに売り越し → 売り越しがやや強まる(↘)

三者をまとめると、全体の需給バランスはグラフのように「売り越し」です。特長的なのは、国内外で全く違う動きをしていることです。
これは8月1週から最新週にかけてなので、おそらくお盆休みに向けたポジション整理が影響していると予測されます。
また、特に個人投資家が売りに出ていることをふまえると、日経平均株価が上昇したことが影響していると予測されます。
必ずしも日経平均株価と保有株式の動きが連動しているわけではありませんが、このタイミングに利益確定した人も多いと予測されます。
これらの動きを反映したいのが、最新週の需給バランスだと想定されます。では、各投資家の詳細を見てみましょう。
外国人投資家の売買動向
まず、外国人投資家です。外国人投資家は8月第1週わずかに売り越しでした。それが最新週には買い越しに転じています。
この動きを見る限り、4月から続いていた外国人投資家の買い越しはいったん止まりましたが、引き続き日本株を買いにきていることが分かります。
また違った見方をすると、直近の日本株の上昇は国内の投資家によるものではなく、依然として外国人投資家によるものだったと考えられます。
個人投資家の売買動向
次は、私たち個人投資家です。8月1週に続き売り越しが続き、売り越しを拡大しています。
これは前述の通り、お盆休みを考慮したポジション整理や日経平均株価が上昇したことにより利益確定した可能性が高いと考えられます。
ただし、こうなると難しいのが、個人投資家が買い越しに転換するきっかけです。4月以降、買い越しの週もありますが、ほぼ売り越しています。
直近は急に上昇トレンドが始まったので良いですが、それまでは方向感なく売買の判断が難しい状況が続いていました。
その点を考慮すると、ここから個人投資家が買い越しに転じるには、わかりやすいトレンドが発生しない限り難しいかもしれません。
または、アベノミクスのように明確な経済政策など、そういったものがない限り、なかなか買い越しに転じるのは難しいでしょう。
日本の機関投資家の売買動向
最後に日本の機関投資家です。売り越しが拡大しているものの、ポジションが前週からほぼ変わりませんでした。
決して大きな売り越しではありませんので、お盆明けにどのような動きをしているかがポイントになりそうです。
もしここで動くようなことがあれば、外国人投資家に続き日本株市場を動かすメインプレイヤーになります。
その一方で、お盆前のポジション整理から買い戻し程度で終わる可能性もありますので、お盆明けのデータが出るまで待つ必要がありそうです。
国内外投資家の売買動向から見た今週の見通し
以上が三者の状況です。お盆明けの日本株市場の上昇から推測する限りでは、外国人投資家が買い越しに回るだけでなく、日本の機関投資家が買い戻しをしているのではないかと推測されます。
ですが、それを私たち個人投資家が利益確定売りで足を引っ張っている可能性があるでしょう。
そうなると、ここから予測される需給バランスは”均衡”に近い上昇かもしれません。大きく上にはいかないが、大きく下にいくこともない状態だと予測されます。
よって、ここから日本株市場は、需給バランスを見る限りやや動きにくい市場になるかもしれません。
とはいえ、下落するバランスでもないので、引き続き日経平均株価が高値圏を推移するようなバランスを維持するのではないでしょうか。
来週の日経平均株価見通し:ワンポイントアドバイス
このように今週の株式市場は、日経平均株価だけを見ると天井を付け、停滞しているようにも見えます。
ただし、依然として高値圏を推移しているので、ここから崩れるようなリスクは小さいと思われます。
一方、株トレンド指数を見ると、先週末からの上昇の流れはいったん週初めで止まったものの「押し目買い指数」の動きから再上昇が期待できます。
ですが、万が一このまま押し目買い指数の高水準が続くと、再上昇の可能性がなくなり、そのまま失速してしまう可能性もあります。
よって、ここからの展開は楽観的に見れば再上昇、悲観的に見れば失速、中間で見ると、いったん高値圏を横ばいに推移と考えられるでしょう。
なお、悲観的な場合の失速ですが、ここから下降することは想定しにくい状況です。もし、その場合は下落傾向を示す底値指数が上昇してくるでしょう。
また、ここで一つ心配なのが岸田政権以降続く株式市場の傾向が再発することです。
8月上昇の上昇トレンドは何年ぶりと言ってよいほど久しぶりの上昇トレンドでした。
これまであった上昇は、日経平均株価の水準は上がるが株式市場全体は上昇しないものでした。それが今回はセオリー通りの上昇でした。
そのようなこともあり、ここからセオリー通りの株式市場に戻ることを期待していますが、次の展開によっては、再び戻る可能性があります。
もし、もとに戻ってしまうと、私たち個人投資家には難易度の高い株式市場に戻ってしまいます。
その分岐点が、今週末から来週初めの押し目買い指数の動きですので、ここが上手く機能し再上昇することを期待しましょう。
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▼ご注意▼
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2025/8/27(水)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。