日経平均株価 が4万5000円に初到達です。
先週は4万4000円を突破し、そのまま崩れることなく今週に入りました。その流れのまま9/18に年初来高値45,508円に到達し、終値でも4万5000円を維持しました。
8月下旬に横ばい状態に入った日経平均株価でしたが、9月に入ってからは崩れることなく、順調に上昇を続けています。
ただ、こうなると警戒してしまうのが「天井」ではないでしょうか。
あくまで参考データではありますが、過熱感を見るテクニカル指標RSIで日経平均株価を見ると、直近は過熱気味の水準まで来ています。
何か金融政策が発動されているわけでもない中、ここまで上昇すると天井と更に上昇のどちらを想定すれば良いのか、とても難しいところかもしれません。
そこで今回も相場の動きを数値で見える化した「株トレンド指数」や先週の動向をもとに、今週の株式市場の動向や、今後の動向について考えていきましょう。
今週の市場動向と 日経平均株価 の変動
こちらをご覧ください。こちらは9/4〜9/18の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。

株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。
・天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
・底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
・押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
・空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
株トレンド指数から見る今週の日本株市場の特長
今週の株式市場は、3日間のデータなので参考データにはなりますが、先週に続き日経平均株価と株式市場全体が”ほぼ連動している週”でした。
ただし、連動と言っても先週よりは分かりにくい連動でした。なぜなら、今週は先週のような上昇勢いが見られなかったからです。
日経平均株価4万5000円初到達のニュースはありましたが、株式市場全体には上昇勢いがなかったので、人によっては実感のない到達だったかもしれません。
一方で、日経平均株価だけを基準に方向感を捉える人と、株トレンド指数も使って方向感を捉える人では、やや差異が生じた週だったとも言えます。
日経平均株価だけを見ると、結果として4万5000円到達しましたが、上昇率が小さいので、上昇勢いがあるのか不明な状態だったでしょう。
反対に株トレンド指数も含めて見ると、大きな上昇はないですが、再上昇できる小さな水準を保っていることが分かりました。
大きな差異はありませんが、こういった細部には両者にやや差異が生じた週だったと言えます。
日経平均株価 と株式市場全体の動きを比較
では、詳細を見てみましょう。週初め9/16の日経平均株価は0.3%上昇しました。円単位では134円上昇です。
変動率の通り、ほぼ水平に推移しました。これでは、何も読み取れないに等しい状況です。
株トレンド指数を見ると、ここには動きがありました。上昇傾向を示す天井指数が、先週末は27でしたが「39」まで上昇しました。
もちろん、これは株式市場全体が上昇トレンドに入ったと示すような水準ではありません。
しかし、日経平均株価がほぼ変動なしの裏側で、株式市場全体は上昇していたことが分かります。
9/17の日経平均株価は、-0.25%下落しました。円単位では111円下落です。前日に続き、ほぼ水平に推移しました。
こうなると、色々判断が難しいところですが、日経平均株価だけを基準に方向感を捉える人の中には、停滞と読み取った人もいたかもしれません。
株トレンド指数を見ると、前日と状況が変わり、上昇傾向を示す天井指数の水準が1/3以下まで下がりました。
これを踏まえると、日経平均株価はもう少し下落しても良かったと思われます。しかし、連動していなかったことを考えると、日経平均株価採用銘柄以外に動きがあったと考えられます。
9/18の日経平均株価は、1.15%上昇しました。円単位では513円上昇し、4万5000円をつけ年初来高値を更新しました。
もしかすると、今週はこの9/18が投資家ごとに感覚が最も違った日だったかもしれません。
日経平均株価を基準に方向感を捉える人でも、変動率で捉える人は、1%少々の上昇でしたので、前日から少しだけ変動があったくらいの感覚だったでしょう。
反対に、円単位で捉える人にとっては、4万5000円、年初来高値更新、513円上昇と、大きく上昇した感覚で受け止めたかもしれません。
ですが、実際は変動率の通り、今週の中では変動率が大きかっただけで、それほど大きな上昇ではないことが分かります。
株トレンド指数を見ると、上昇傾向を示す天井指数が再び30の水準に到達しました。
前日1/3水準まで落ちましたが、再び近い水準まで戻っています。これをふまえると、引き続き上昇勢いは保たれたままということでしょう。
今週の市場動向と 日経平均株価 の変動のポイント
このように今週の株式市場は、日経平均株価が4万5000円には到達していますが、そこまでの過程を見ると、緩やかに上昇した結果として到達していることが分かります。
先週も同じような状況でした。それも踏まえると「緩やかに上昇しているが、様子見状態」だと読み取れます。
やはり、今は「自民党総裁選の結果がどうなるか」が次の展開を作る大きな材料になっています。
前回も同様でしたが、今回もまだ結果を予測できない状況です。ある程度予測が固まれば、それに向かって動きますが、そこにたどり着いていない状況です。
違う見方をすると、状況にたどり着いていないとはいえ「再上昇の環境を維持している」と読み取れます。
万が一、9/18の天井指数が、そのまま水準を下げたら分かりませんでしたが、再上昇したことで、引き続き上昇勢いをギリギリで保っていることが分かります。
言い換えると、同じ様子見でも下落の可能性も含む様子見ではなく、どちらかと言えば「再上昇待ち」のような状況です。
これをより深く見るには、直近2ヶ月間のデータも見る必要があるので、次は、期間を広げて分析を進めましょう。
日経平均株価 の動向を徹底分析する
日経平均株価を基準に見ると、先週から今週の上昇で、これまでのボックス圏の目安「上値:4万4000円~下値:4万2000円」を上抜けしているように見えます。
ただし、前述の通り勢いのある上昇が発生しているわけではないので、まだボックス圏を推移していると思われます。
現段階では、とても微妙なラインですが、日経平均株価がこの水準まで上昇しているので、4万5000円到達は、上値目安:4万4000円の誤差の範囲だと考えられます。
一方で、来週に4万6000円に到達することがあれば、そのときは上抜け、もしくはボックス圏の水準が上がったと考えて良いでしょう。
この水準までくると、同じ1%でも円単位の変動幅が大きくなります。そのようなこともあり、誤差の範囲も大きくなっていますので、安易に上抜けなどとは判断しないほうが良いでしょう。
なお、これが更に水準が上がると、同じ1%でも更に円単位の変動幅が大きくなります。
そうなると、日経平均株価の千円単位の突破が、どんどん速くなることは事前におさえておきましょう。
反対に言えば、円単位ではなく変動率で見ないと、色々と判断を見誤る可能性が上がるということです。ぜひ、この点は注意していきましょう。
次に、株トレンド指数を見ると、上昇傾向を示す天井指数は上昇しているものの、先週に続き8月の上昇トレンド時よりも水準が低いことが分かります。
ここからも日経平均株価が4万5000円に到達し年初来高値を更新したというほど、株式市場全体が上昇していないことが分かります。
むしろ、株式市場全体を牽引するような指数がないことから、ボックス圏の中で小さな上昇傾向が発生が続いているのが今週だと読み取れます。
また、この流れが先週から続いていることをふまえると、やはり日経平均株価は勢いよく上昇するのではなく、直近のように緩やかに上昇すると想定されます。
そして、この動きから自民党総裁選の結果が出るまでは、明確な上昇はしないが、再上昇できる準備をしたボックス圏を推移することが続くと考えられます。
来週の日経平均株価の予想シナリオ
このように今週の株式市場は、先週に続き週単位で見ると緩やかに上昇していましたが、2ヶ月間で見ると依然としてボックス圏を推移していることが分かります。
そして、ボックス圏の範囲も「上値:4万4000円~下値:4万2000円」の目安が続いていると考えられます。
ただ、この目安だと誤差の範囲が分かりにくいので「上値:4万4000円(誤差+1500円程度)~下値:4万2000円」としておいても良いかもしれません。
また、ここでもう一つ考えなければならないのが「天井のタイミング」です。
日経平均株価がボックス圏を推移していることと、株トレンド指数の天井指数の発生状況を見ると、ここは天井ではないと考えられます。
ただし、それは自民党総裁選の結果が悪いサプライズにならないことが前提です。
天井を気にしてしまう心理としてあるのは「ここまで上がったから」「さすがにもう上がることは」のような何となくの不安ではないでしょうか。
しかし、実際は日経平均株価は◯円までしか上昇してはいけないという制限はありません。
あくまでも、今の株式市場が上昇するのか、それとも下落するのかで、特定期間の天井が決まるだけです。
今の株式市場は株トレンド指数を見ての通り、下落方向へ進む動きは見せていません。それは、ここから再び上昇する準備をしていると読み取れます。
反対に、もしここが天井であるならば、下落傾向を示す底値指数の水準が上がります。その動きがない限りは、まだ上昇余地があると判断して良いでしょう。
改めて話をまとめると、日経平均株価はボックス圏の範囲を「上値:4万4000円(誤差+1500円程度)~下値:4万2000円」を目安にしておくと良いでしょう。
かつ、この水準までくると円単位の変動幅が大きくなるので、ボックス圏の円単位の範囲が広くなることをおさえておきましょう。
天井については、直近の株トレンド指数を見る限り、ここが天井ではなく、上昇余地があると判断できます。
国内外投資家の売買動向から見た今週の見通し
補足としての日本株市場の根底部分である株式市場全体の需給バランスも見ておきましょう。今週は営業日が少ないので、前週と同じデータです。
・外国人投資家:売り越し → 小さく買い越しに転換(↗)
・個人投資家:買い越し → 買い越しが弱まる(↘)
・日本の機関投資家:売り越し → 売り越しが弱まる(↗)

三者をまとめると、全体の需給バランスはグラフのように「均衡状態」です。今回は、外国人投資家と個人投資家、国内の機関投資家で違う動きをしました。
そのような中、特徴的なだったのは全体の動きです。8月4週と比較して、全体的な需給バランスが小さくなりました。
これは日経平均株価が4万3000円に到達した頃の動きです。日経平均株価がわずかに上昇しているが、横ばいに近い状況のときなので、それを表しているのでしょう。
この情報をふまえて、改めて各投資家の詳細を見てみましょう。
外国人投資家の売買動向
まず、外国人投資家です。外国人投資家は8月4週に売り越しでしたが、最新週ではわずかに買い越しになりました。
今週の日経平均株価は4万5000円に到達しましたが、これまでの分析の通り勢いがある上昇によるものではなく、流れで到達しています。
それを考慮すると、外国人投資家は直近でもそれほど動いていないと予想されます。
日本株市場は、外国人投資家だけでトレンドが発生するわけではありませんが、割合が大きいことをふまえると、ここから外国人投資家がどう動くかがポイントになるでしょう。
直近も大きなポジションを取っていないことが想定されますので、次に買いと売りのどちらに大きくポジションを取るかが日本株市場を左右する要因の一つになりそうです。
そのような背景がありますので、次の投資主体別売買動向が発表されるまでは、ニュースなどで外国人投資家の動きをできるだけ把握しておくと良いでしょう。
個人投資家の売買動向
次は、私たち個人投資家です。8月4週と比較して買い越しが小さくなりました。
これを考慮すると、直近にどう動いているかは予想が難しい状況でもあります。
ただ、ここで警戒しなければならないのが、個人投資家は「日経平均株価の高値更新」などをきっかけに、売り越しに転換しやすい動きがあることです。
例えば、外国人投資家が明確に買い越しにきても、それを個人投資家の売り越しが打ち消してしまうこともあります。
直近のデータがないと、今のところどうなるか判断できませんが、4万5000円到達のニュースで売りが先行することもあるでしょう。
そのようなこともありますので、日経平均株価が高値更新するなど、そういった動きがあった場合は、個人投資家が売り越しになることも想定しておくと良いでしょう。
日本の機関投資家の売買動向
最後に日本の機関投資家です。8月4週と比較して売り越しが弱まりました。いつも通り日本の機関投資家は、他の2者に比べ動きが読みにくい投資家です。
ただ、個人投資家のように日経平均株価が高値更新したら売り越しに回るなどの動きも見られません。
そのようなことを考えると、日本の機関投資家は外国人投資家と同じような動きをするのではないかと思われます。
また、これは単なる予想ですが、自民党総裁選が終わるまでは、手堅く様子見を続け、あまり動かないのではないかと思われます。
そういった動きをするのが日本の機関投資家ですので、あまり動かないことを前提にしばらく見ていくと良いでしょう。
国内外投資家の売買動向から見た今週の見通し
以上が三者の状況です。前回データの通りですので、全体として均衡状態です。
ただし、今週の日経平均株価や株式市場の状況をふまえると、ここから動きがありそうにも見えます。
一方で、国内外の機関投資家は、自民党総裁選がどうなるかまでは手堅く様子見し、個人投資家は日経平均株価の高値更新をきっかけに売り越しに回る可能性が高いと考えられます。
そうなると、理屈上では、一時的に売り越しが強まるかもしれません。もしくは、自民党総裁選に向け、ある程度の方向性が見えた段階から、少しずつ国内外の機関投資家の買いが入るかもしれません。
あくまでも予想ですが、こういった需給バランスを想定しながら、週明けの株式市場を見ていくと良いでしょう。
来週の日経平均株価見通し:ワンポイントアドバイス
このように今週の株式市場は、週単位で見ると緩やかに上昇していますが、まだ上抜けとは判断できず、ボックス圏を推移していることが分かります。
ボックス圏の範囲の目安は「上値:4万4000円(誤差+1500円程度)~下値:4万2000円」です。
また、ここが天井ではなく、株トレンド指数を見る限り、まだ上昇余地があると読み取れます。
ただし、その背景や直近が様子見状態になっている要因として、自民党総裁選があると考えられます。
昨年もそうでしたが、流れとしては自民党総裁が首相になる確率が高いので、次の有力な首相候補が決まらない限り動けないのが、今の株式市場でしょう。
このようなことふまえると、ここからは急上昇はないものの、ボックス圏の中を緩やかに上昇する可能性が高いでしょう。
場合によっては、緩やかな上昇が続くことで、気がついたらボックス圏の水準が上がっているということも想定されます。
しかしながら、いずれの場合も明確なトレンドが発生した中での出来事ではなく、流れからの出来事になるでしょう。
よって、ここからしばらくは様子見状態のボックス圏が続き、流れによってはボックス圏の水準が上がることもあると考えておくと良いでしょう。
来週も、円単位では動くが変動率では動かない相場が続くと思われますので、これを前提に週明けの株式市場も見ていきましょう。
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▼ご注意▼
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2025/9/18(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。