日経平均株価 が失速し4万5000円を割りました。
先週は4万6000円も射程圏の水準まで上昇しましたが、上昇勢いがなかったこともあり、4日続落で4万5000円を割ってます。
円単位で見ると、大きな上昇はないものの、これまで順調に上昇してきた日経平均株価も、ここで転換を迎えそうです。
新首相・政策が本当の意味で株式市場を動かすきっかけになりますが、その前のきっかけとして週末に自民党総裁選があります。
参考データではありますが、過熱感を見るテクニカル指標RSIで日経平均株価を見ると、先週よりは過熱感が原則したものの、過熱の水準が続いています。
このような状況の日本株市場ですが、週明けはどのように推移する可能性が高いのでしょうか?
そこで今回も相場の動きを数値で見える化した「株トレンド指数」や先週の動向をもとに、今週の株式市場の動向や、今後の動向について考えていきましょう。
今週の市場動向と 日経平均株価 の変動
こちらをご覧ください。こちらは9/18〜10/2の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。

株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。
・天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
・底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
・押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
・空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
株トレンド指数から見る今週の日本株市場の特長
今週の株式市場は、再び変化し日経平均株価と株式市場全体が”連動している週”でした。ここまで連動しているのは、直近では珍しいかもしれません。
全体としては日経平均株価も、株トレンド指数も株式市場がやや下落気味であることを示していました。
やや下落気味という程度なので、引き続き想定されるボックス圏を推移していると考えられます。
ただし、細部を見ると、日経平均株価だけを基準に相場分析する人と、私たちのように株トレンド指数も使って相場分析する人では、多少の差異はあったでしょう。
大まかに言うと、日経平均株価だけを基準にする人にとっては、続落の印象や4万5000円割れの印象から、随分下がったと感じたかもしれません。
一方、株トレンド指数も含める私たちにとっては、悲観まではいかないが「株式市場が上下のどちらの進もうか迷っている」と判断したでしょう。
現時点では、実際の損益に影響はないと思いますが、このような差異がありました。
これから自民党総裁選のイベントを控えた中ですので、今週の読み取り方次第では、週明け以降に実際の損益に影響が出るかもしれません。
日経平均株価 と株式市場全体の動きを比較
では、詳細を見てみましょう。週初め9/29の日経平均株価は0.69%下落しました。円単位では311円下落です。
8/29~9/1にかけての2日続落以来の続落です。ただし、2日あわせて1.56%の下落ですので、この時点では心配になるような続落ではありません。
円単位で見ると、710円下落でした。もし、円単位で変動を捉えている人がいるならば、この続落は大きなものに感じたかもしれません。
株トレンド指数を見ると、先週末に発生した上昇傾向を示す天井指数が39から6に急降下していることが分かります。
反対に下落傾向を示す底値指数の水準がわずかに上がりました。これにより「底値指数>天井指数」の関係になり、株式市場全体が下落気味になったことが分かります。
ただし、まだ両指数の水準が低いので、株式市場全体を動かすようなものにはなっていません。ここからも、明確な下落というより「下落気味」のほうが適していることが分かります。
なお、同日が思ったよりも下落しなかった理由として「押し目買い指数が2桁」であったことが考えられます。もし、この水準が底値指数より低かったら、もう少し下落の勢いがあったかもしれません。
そのような意味では、週初めのここでもう少し幅のある下落にならなかったことが、今週の株式市場を崩れにくくした要因なのかもしれません。
9/30の日経平均株価は、0.25%下落しました。円単位では111円下落です。これで3日続落です。合計の変動率は1.81%です。円単位では821円です。
3日続落ではありますが、同日の変動は1%未満の変動だったこともあり、ほぼ横ばいの推移でした。3日続落は8/19~8/21以来ですが、悲観的ではないことが分かります。
株トレンド指数を見ると、上昇傾向を示す天井指数の水準が前日から更に下がりました。ただし、下がったといってもマイナス1です。
下落傾向を示す底値指数も目立ちましたが、押し目買い指数の水準が下がったことでの印象です。数値は、前日からマイナス1です。
どちらの指標を見ても、この日は前日から横ばいの推移だったことが分かります。ただし、日経平均株価だけを見ると、場合によっては3日続落の印象で下落リスクを想定した人もいるかもしれません。
10/1の日経平均株価は0.85%下落しました。円単位では381円です。今週の中では、最も大きく変動した日でした。
ただし、続落の幅ではなく、この日だけの変動で見る限りでは、この日も1%未満の下落にとどまっています。
4日続落でも、合計の変動率は-2.66%です。これを考慮すると、続落の言葉ほど、まだ下落していないことが分かります。
このままずるずると行くと好ましくはないですが、今の時点ではまだ一時的な下落と考えることができます。
株トレンド指数を見ると、下落傾向を示す底値指数の水準が上がりました。ただし、まだ15までしか上昇していません。
グラフだけ見ると下落の勢いが加速しているように見えますが、まだそこまでの状況ではありません。
このように、今回の4日続落は、この言葉や円単位の変動だけを見ると随分下落しているように見えますが、実際はそこまで下落していないことが分かります。
よって、今週の時点では下落傾向に入ったなどの判断ではなく「わずかに下落気味」だったというのが、適切な表現だと考えられます。
そして、この4日続落から開けたのが10/2です。日経平均株価は0.87%上昇しました。円単位では385円上昇です。前日の下落を取り返しました。
あくまでも結果的にではありますが、この上昇で今週の株式市場は、より崩れにくい状況だったことが分かります。
株トレンド指数を見ると、前日まで勢いがなくなっていた上昇傾向を示す天井指数の水準が22まで上がりました。
同時に空売り指数も上昇しています。これをふまえると上がり過ぎ状態になっている可能性もあります。
しかし、そういった動きがないと、ずるずる下落する恐れがありました。よって、この動きが今週の株式市場をさらに底堅くするものになったと考えられます。
今週の市場動向と 日経平均株価 の変動のポイント
このように今週の株式市場は、直近では珍しく下落気味の週でした。その下落の一方で。日本株市場が崩れにくく、底堅いことも知らせる週でもありました。
ただし、悲観的に見ると、これまで自民党総裁選が控えているせいか様子見が続いていましたが、週末に迫り結果の予測にそった動きが出てきているのではないかと考えられます。
今回は前回よりも、さらに誰が優勢かが分からない状況に見受けられます。それもあり、株式市場は「誰なのか」の予測がつかない状況になり、動きようのない状況になっていると思われます。
また、厳しめに見ると、今週は底値指数がわずかに上昇しているので、株式市場が「想定外の結果」を織り込もうとしているようにも見えます。
いずれにしても、先週まではまだ期間があることもあり、おおらかに動いていましたが、直前になると、株式市場も厳しめに動き始めてきたのではないかと思われます。
なお、自民党総裁選に関係なく見ると、現状はボックス圏の推移に当てはまっているだけとも言えます。
ボックス圏を上抜けする勢いが出るまでは、ボックス圏の上値付近をウロウロしますので、その動きが今週だったとも読み取れます。
この2つの視点を合わせると、自民党総裁選の結果を厳しめに見る動きとボックス圏の推移が重なるので、結果として今週のような方向感のない推移になるのでしょう。
日経平均株価 の動向を徹底分析する
日経平均株価を基準に見ると、今週下落したことによって、ボックス圏の目安を「上値:4万5000円~下値:4万3000円」に上げることなく「上値:4万4000円(誤差+1500円程度)~下値:4万2000円」を維持で良いでしょう。
先週は大きな上昇はなかったものの高値更新が続き、4万6000円到達も想定されました。
しかし、先週お伝えした通り勢いのある上昇ではなかったことから、今週は失速気味の動きをしました。
そのようなことをふまえると、今の日経平均株価は依然とし、想定したボックス圏の上値付近をウロウロしていると考えられます。
前述の通り、今週単体で見ると、自民党総裁選の結果に向けて厳しめに日経平均株価が動いているように見えました。
ですが、この2ヶ月間で見ると、実際はそこまで厳しめに動いていないことも分かります。
細部で見ると自民党総裁選が影響した動きだが、大きく見るとあくまでもボックス圏内の動きといったところでしょう。
違う角度から見れば、自民党総裁選の結果が好感の方向で出たとしても、新総理に指名され、政策を打ち出すまでは、このボックス圏を上抜けする可能性は低いかもしれません。
このボックス圏を抜けるのは、先週のような小さな上昇では無理です。そうなると、パワフルな上昇を求められますので、新総裁決定だけでは弱いでしょう。
今、ボックス圏を推移していることは、このような影響も想定されるので、もし上抜けがあったとしても、まずは突発的な上抜けと捉えておくのが良いでしょう。
一方、株トレンド指数を見ると、今週の株式市場は10/2を除いては無風状態まではいきませんが、近い状態であることが分かります。
下落傾向を示す底値指数が上昇した場面もありましたが、それは直近2ヶ月間で見ると、気にするような水準ではありません。
ここからも、日経平均株価で読み取った通り依然としてボックス圏を推移していることが裏付けられます。
加えて、無風状態にやや近い状況ですので、日経平均株価が1%未満の変動を続けたことも、ここに繋がります。
ただ、1つだけ読み取りが難しいのが、10/2です。前日までの流れがパタッと止まり、天井指数の水準が再び上がりました。
もし、10/3の株式市場でも同じような水準や、それ以上の水準になることがあれば、自民党総裁選の結果を株式市場がポジティブに受け止めようとする動きに見えます。
現時点では10/3のデータがないので何とも言えませんが、ここのデータ次第では、新総裁決定後に、どちらの方向に株式市場が進むかが見えてくるかもしれません。
来週の日経平均株価の予想シナリオ
このように今週の株式市場は、日経平均株価と株トレンド指数が連動していたこともあり、どちらの指数を見ても、ボックス圏を推移していることが分かりました。
ボックス圏の範囲は「上値:4万4000円(誤差+1500円程度)~下値:4万2000円」です。依然として、この範囲を抜け入れていません。
そうなると、ここで期待したいのは自民党総裁選の結果次第で、上抜けするなどしてトレンドが発生することでしょう。
ですが、これまで見た通り、今はボックス圏の上値付近を横ばい状態で推移し、株トレンド指数から見ても無風状態に近い状況です。
そうなると、いくら新総裁が決まっても、そこから新首相に指名されるか、新首相に指名されたら、どのような政策を打ち出すかなど、その後には本当に必要な材料があります。
このような部分もふまえると、株式市場の期待通りの新総裁が決まったとしても、一時的な上昇にとどまるでしょう。
反対に期待と違い下落したとしても、これも一時的なもので完全な下抜けは予測しにくい状況です。
現状が、ある程度膠着に近い状態で横ばいに推移していますので、ここから上下のどちらかに抜けるのは、大きなパワーが必要です。
しかし、そのパワーが株式市場に蓄積されていないことを考慮すると、これらのことが想定されます。
一方で、この話はデータ分析ではないこともあり、例外が起こる可能性もあります。
膠着に近い状態で横ばいに推移しているとの判断はデータ通りですが、株式市場を動かすパワーは政治に関連して急に動くこともあります。
そういったイレギュラーなことがあることをふまえつつ、ボックス圏を抜けるのは、大きなパワーが必要であることを把握しておくと良いでしょう。
国内外投資家の売買動向から見た今週の見通し
補足としての日本株市場の根底部分である株式市場全体の需給バランスも見ておきましょう。
・外国人投資家:売り越し → 売り越しを拡大(↘)
・個人投資家:わずかに売り越し → わずかに買い越し越しに転換(↗)
・日本の機関投資家:売り越し → 売り越しを拡大(↘)

三者をまとめると、全体の需給バランスはグラフのように「明確な売り越し」です。
9月3週では三者が売り越しで、最新週は個人投資家だけが、わずかに買い越しです。しかし、全体では最新週は9月3週から大きく買い越しに変化しています。
そのような中、日経平均株価はわずかに上昇し、4万5000円維持していました。
これを考慮すると、需給バランスは売り越しでしたが、日経平均株価に採用される一部の銘柄が、水準を維持したのかもしれません。
反対に言えば、それがなければ日経平均株価も下落したと考えられます。そうなると、株式市場全体が暴落することも想定されました。
需給バランスから見ると、ここで日経平均株価を維持できたのは、今後の日本株市場にとって、とても良い材料だったと言えます。
では、改めて各投資家の詳細を見てみましょう。
外国人投資家の売買動向
外国人投資家は9月3週に売り越しで、最新週では売り越しが拡大しました。
8月2週をピークに、株価のように上下しながら、売り越し方向へ下がってきています。需給バランスは株価ではないので、このまま下落トレンドのような話にはならないと思いますが、気がかりではあります。
ポジティブに捉えると、日本の首相が代わるが、その前評判での判断が難しいので、一時的にポジションを減らしていると考えられます。
ネガティブに捉えると、これまで日本株に流入していた資金を引き上げ、他の投資価値の高いものへポートフォリオ変更を行っていると考えられます。
現時点では、どちらか分かりませんが、このような2つの動きが想定されます。
個人投資家の売買動向
9月3週はわずかに売り越しでしたが、わずかに買い越しに転換しました。ただし、買い越しといっても、ほぼニュートラルに近い状況です。
9月3週の動きを含めると、やはり私たち個人投資家も、自民党総裁選の結果が出るまでの様子見が続いているように見受けられます。
むしろ、現状では誰の可能性が高いかが分からないので、動くに動けないといったほうが良いかもしれません。
日本の機関投資家の売買動向
9月3週から売り越しが拡大しました。この動きで考えられるのは、外国人投資家と同じことです。
よく使う先行き不透明とは違いますが、自民党総裁選の結果の予測が難しいので、下手に動けないからポジションを減らしているのではないでしょうか。
もしくは、日本株市場以外で良い投資先が見つかり、そちらに資金を移動している可能性があります。
ただし、あまり後者は考えられないので、前者の可能性が高いでしょう。
国内外投資家の売買動向から見た今週の見通し
以上が三者の状況です。どの投資家を見ても、自民党総裁選の結果が出るまで様子見しているように見受けられます。
もしくは、総裁選の結果が出ても、必ずしも新首相になるわけではないので、新政策も一緒に決まるまで待っているのかもしれません。
なお、やや気になるのは、国内外の機関投資家と個人投資家が違う動きをしていることです。
確率はまちまちですが、こういった動きをしているタイミングは、日経平均株価に大きな変化があることが多いタイミングでもあります。
現時点で大きな変化がないので、外れている可能性もありますが、何かの前兆の可能性もあります。
明確なことは言えませんが、機関投資家 vs 個人投資家のようになったときは、リスクを考えたておいたほうが良いので、この視点は持っておきましょう。
来週の日経平均株価見通し:ワンポイントアドバイス
このように今週の株式市場は、諸々難しいタイミングではありますが、引き続きボックス圏を推移していることが分かります。
ボックス圏の範囲の目安は先週に続き「上値:4万4000円(誤差+1500円程度)~下値:4万2000円」です。
そして、こちらも先週に続き、自民党総裁選の結果が出るまで株式市場全体が様子見をしているように見受けられます。
ただし、先週とは違い、間近にせまった中で最有力候補が不明なことから、完全なる様子見のような状態に入ったと考えられます。
こうなると、今後は自民党総裁選の結果次第で、株式市場が期待や失望で動き始めることでしょう。
または、すぐに動かず前述の通り新首相が決まり、政策が打ち出されたタイミングで動き始めるかもしれません。
そのような状況ですので週明けは、もし株式市場が動くなら、データ分析の結果ではなく、自民党総裁選の結果を株式市場がどう受け止めるかで左右されると考えておくと良いでしょう。
ただし、直近の膠着に近い状況を見る限り、ボックス圏を大きく抜けるような変動は難しいと考えられます。ここはデータ分析の通り受け止めると良いでしょう。
仮に大きく抜けそうな動きがあった場合は、それは突発的であり、本格的なトレンドと捉えないほうが良いと思われます。
ベースはボックス圏の推移を念頭に置きつつ「自民党総裁選の結果の受け止め方次第で、一時的な変動がある」そういったことを想定し、週明けの株式市場を見ていくのが良いのではないでしょうか。
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▼ご注意▼
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2025/10/2(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。