執筆者: 秋山大介|データ・アナリストプロフィール詳細
(独自の「株トレンド指数」を開発・運用。需給バランスに基づく分析で定評あり。)

日経平均株価は1/6、節目の5万2000円を一時回復しました。11月以来の水準まで上昇し、年始の「ご祝儀相場」を期待させる勢いを見せました。しかし、その後は一転して続落。再び5万1000円台へと押し戻される展開です。

この年始の上下は、単なる「お祝いムード」だったのでしょうか?それとも市場のエネルギーが本格的に高まった証拠なのでしょうか。

本記事では、独自の「株トレンド指数」を用いて、年始相場の裏側で何が起きていたのか、そして来週の日経平均株価の予想レンジと今後の見通しについて詳しく紐解きます。

【株トレンド指数分析】日経平均以上に「株式市場全体」は熱狂していた

こちらをご覧ください。こちらは2025/12/23〜2026/1/8の日経平均株価と株トレンド指数の状況です(株トレンド指数の算出ロジックと運用実績はこちら)。

【2026年1月第1週】市場動向と 日経平均株価 の変動
【2026年1月第1週】市場動向と 日経平均株価 の変動

株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。

天井指数|相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向を示す(目安:「170」付近)
底値指数|相場全体が底値に近づき適正株価まで回復する傾向を示す(目安:「220~420」付近)
押し目買い指数|押し目買い戦略が機能しやすい傾向を示す(目安:「30」に近い水準)
空売り指数|相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向を示す(目安:「50」付近)
>>株トレンド指数の算出ロジックと運用実績はこちら

10月以来の「天井指数100超え」が示す相場のエネルギー

今週の株式市場は、年末から変化し日経平均株価と株式市場全体が”ほぼ連動している週”でした。

ただし、細部を見ると日経平均株価よりも株式市場全体のほうが上昇していると判断できる週でした。

日経平均株価は。1/5と1/6で4.29%上昇しました。ですが、株式市場全体は、上昇傾向を示す天井指数が「46→108」まで上昇するなど、大幅な上昇を見せました。

天井指数が100を超えるのは10/27以来です。11/4に日経平均株価が年初来高値を更新したこともふまえると、それくらい大きな上昇が株式市場全体には発生していたと分析します。

ただ、これが実際の損益に影響するかというと、そこまでのことはありません。あくまで、分析上では、こういった差異があったと捉えるのが妥当です。

その後、日経平均株価も株式市場全体も続落する動きを見せていますが、まだ高値圏を維持する動きも見せています。

そうなるとポイントになるのは、株価が下がりやすい曜日である金曜日1/9に、どのような動きがあるかです。

この部分は、まだデータがありませんが、1つのポイントになりますので、ぜひ注視していきましょう。

高値圏での「ブレーキ」と今後の期待

では、この背景をふまえて詳細を見てみましょう。今週の日経平均株価は以下のような推移でした。

  • 【1/5】2.97%上昇(大発会の買い戻し)
  • 【1/6】1.32%上昇(5万2000円回復)
  • 【1/7】1.06%下落(利確売り)
  • 【1/8】1.63%下落(続落も高値圏維持)

日経平均株価の推移を見る限り、週の前半は上昇、週の後半は下落と前半と後半で違った動きをしていました。

ただし、これが何かに影響があるかと言えば、そこまではありません。1/6に日経平均株価は5万2000円台を回復し続落しましたが、引き続き高値圏を推移しています。

まだデータがない1/9に大きく崩れない限り、年初の勢いを保ったまま高値圏を推移するでしょう。

まとめると、続落はあったものの全体は好調に推移していると判断します。

次は、今週の株トレンド指数の推移を見てみます。今週は以下のような推移でした。

  • 【1/5】上昇傾向を示す天井指数が12/10以来「40」以上の水準まで上昇
  • 【1/6】天井指数が10/27以来「100」以上の水準まで上昇
  • 【1/7】天井指数は水準を下げるも「40」以上の水準を維持・空売り指数が上昇
  • 【1/8】天井指数は「28」まで水準を下げる・空売り指数は維持

今週の株式市場全体は、日経平均株価と同じような動きをしていました。しかし、細部を見ると、日経平均株価よりも株式市場全体のほうが大きく上昇していると判断します。

特に違いがでたのは「1/6」です。1/6の日経平均株価は1.32%上昇と小幅上昇でした。しかし、天井指数は前日の2倍以上の水準「100」を超えてきました。

つまり、株式市場全体は、大発会よりも1/6のほうが大きく上昇しました。

今週の市場総括:ご祝儀相場も日経平均はブレーキ状態

このように日経平均株価は5万2000円の節目に到達するものの、変動率で見ると5%にも届いていないことから、上昇勢いがそこまで強くないことが分かります。

一方、株式市場全体は、株トレンド指数の天井指数の推移の通り、上昇勢いが直近の中ではとても強かったと分析します。

その後、日経平均株価が続落する場面でも、上昇勢いがなくなったというよりは、空売り指数によって上昇にブレーキを掛けられている状況です。

そうなると、上昇勢いが途切れたわけではないので、今後の再上昇も期待できます。

【来週の予想】日経平均株価の予想レンジ(54,000円~47,000円)

日経平均株価を基準に見ると、ようやく年末までの水平状態を抜け出し、やや上向きに変化したように見えます。

ボックス圏を上抜けする勢いのある上昇には届いていません。先ほどの分析の通り、円単位では節目を超えましたが、変動率では5%未満の上昇にとどまったことが、これを象徴しているのでしょう。

こうなると、日経平均株価日経平均株価のボックス圏の範囲は、急上昇時の上値誤差も含めると「上値:5万4000円~下値:4万7000円」と上値を少し上げても良いでしょう。

勢いのある上昇ではないものの、高値圏を推移しています。現時点では上抜けはなくても、将来の上抜けは期待できる水準です。

このようなことを勘案して、上値を2000円上げ5万4000円と見るのがよいでしょう。

下値については、これまで通り慎重に見ていくのが良いと考えます。この水準までくると、同じ1%下落でも円単位の変動幅が大きくなります。

そういったことを考慮すると、再びこのあたりの水準まで下落することも想定されますので、引き続き同水準で見ていくのが良いでしょう。

株トレンド指数を見ても、ようやく年末の無風状態のような株価が動きにくい状態から、上昇勢いを感じられる変動が見られました。

ただ、ここで気になるのは週単位で見ると好調ですが、期間を広げると”突発的な上昇”になっていることです。

もちろん、週明けの動向やご祝儀相場を考えると仕方ないことですが、実態としては突発的上昇の動きをしています。

この点を考慮すると、日経平均株価は引き続き5万円台のボックス圏を推移すると予測します。

ですが、株式市場全体は、株トレンド指数の通り突発的な上昇のあとは、再び勢いがなくなる恐れがあります。

イメージとしては、日経平均株価は高値圏を変動幅が小さい状態で推移するが、株式市場全体は無風状態に近づく可能性があるということです。

これにより株式市場全体が崩れることはないと予測しますが、今週が突発的な上昇である可能性があるだけに、ここは一つのリスクとしておさえておくのが良いでしょう。

来週の日経平均株価の予想シナリオとレンジ

このように今週の株式市場は、期間を広げて見ると週単位では見えなかった部分が見えてきます。

日経平均株価も株式市場全体も高値圏を推移していますので、心配するような話ではありませんが、再び株価変動が小さくなるシナリオは持っておいたほうが良いでしょう。

では、改めてそのボックス圏の範囲を改めて整理すると、日経平均株価は誤差を含めて以下の範囲を推移すると分析します。

▼来週の日経平均株価の予想レンジ
上値:5万4000円~下値:4万7000円

これまでの中では、比較的強気な水準です。矛盾するような話ですが、再び株価変動が小さくなるリスクがあるものの、一方で突発的な上昇の可能性はあります。

その点を考慮すると、今週前半のように一時的に円単位では急上昇することが想定されます。

その動きをふまえると、上値は5万4000円には届きませんが、昨年来高値を更新することも考えられます。

最新の需給バランス:ご祝儀相場の正体は「買い戻し」?

補足としての日本株市場の根底部分である株式市場全体の最新の需給バランスも見ておきましょう。

・外国人投資家:わずかに売り越し → 変化なし(→)
・個人投資家:売り越し → 買い越しに転換(↗)
・日本の機関投資家:買い越し → わずかに買い越しに転換(↘)

投資主体別売買動向
『投資主体別売買動向 | 信用・手口 | トレーダーズ・ウェブ』をもとに筆者作成

上記のデータは年末のデータということもあり、国内外の機関投資家には目立った動きがありません。よって、こちらは参考データとして捉えておきましょう。

ちなみに、年末の株式市場は個人投資家が支えているというお話を何度かしましたが、上記のデータがよく示しています。

個人投資家以外は、ほぼ動きがありません。国内外の機関投資家は休暇に入るにあたりポジションを整理し、大納会ギリギリまで売買することはありません。

その動きを本当によく示しているのが、上記のデータです。ぜひ、このデータを今後の年末に活かしていきましょう。では、改めて各投資家の詳細を見てみましょう。

外国人投資家の動きとその示唆

外国人投資家は、12月4週と大納会の最終週ではポジションの変化が、ほとんどありませんでした。

外国人投資家は、クリスマス休暇などもありますので、早めにポジション整理をしていることが、ここからも分かります。

12月4週には整理をしてしまい、あとは大発会を待つ状態になっていることを、このデータが示しています。

個人投資家の傾向と注意点

次は、私たち個人投資家です。三者の中で唯一動きのあった投資家です。これまでお伝えした通り、個人投資家は大納会の週まで売買の動きがあります。

昨年末は多少状況が違ったかもしれませんが、年末休暇が長いと、大納会まで動きがもっと盛んです。

ただし、近年はNISA枠が理由で、駆け込み保有もあると耳にします。そういった動きも感じられるのが、上記のデータでしょう。

日本の機関投資家の今後

最後に日本の機関投資家です。外国人投資家よりは1週間長く売買をしていたように見受けられます。おそらくこれは、暦のバランスからこうなったのでしょう。

いずれにしても、機関投資家は休暇中のリスクを嫌がり、それを避けることを目的に休暇前にポジション整理をしていきます。

日本の機関投資家も、その動きをしていることが明確に分かりました。

国内外投資家の売買動向から見た来週の見通し

以上が三者の動向です。年末のデータですのであまり参考にならない部分も多いでしょう。しかし、このような見方もできます。

国内外の機関投資家が、これだけポジションを整理したということは、大発会では「買い戻し」の可能性が大きいということです。

つまり、それがご祝儀相場といわれる根底にあるものです。大発会だ!おめでとう!という雰囲気にも見えますが、実際は彼らが年末に整理したポジションを、戻すから起きるのがご祝儀相場です。

ですので、これも材料として入れると、今週の上昇は株式市場本来の上昇勢いというよりは、買い戻しによる上昇だと読み取れます。

特に機関投資家は、大型株を狙いますので、日経平均株価の上昇につながりやすく、大発会からの上昇が5%未満程度にとどまったことにも理由がつきます。

反対に、株式市場全体は大型株だけでなく中小型株も含まれていますので、株式市場自体に勢いがあるとも読み取れます。

まだ今年の最終週ということもあり、今の時点で判断は難しいですが、買い戻しによる上昇なのか、株式市場自体の上昇なのかについては、引き続き見ていく必要があるでしょう。

まとめ:高値圏での「スピード感」に備える

このように今週の株式市場は、大発会がご祝儀相場となり日経平均株価が5万2000円を回復しました。

しかし、需給バランスでも見た通り、この上昇は株式市場自体が理由の可能性もありますが、国内外の機関投資家による買い戻しの影響の可能性もあります。

そうなると、ここから勢いのある上昇が発生するというよりは、日経平均株価が高値圏を推移する中で、突発的な上昇によって昨年来高値を一時的に更新するようなことが考えられます。

この点を考慮すると来週の日経平均株価の範囲は、このようになるでしょう。

▼来週の日経平均株価の予想レンジ
上値:5万4000円~下値:4万7000円

少々範囲の広くなっていますが、これは日経平均株価の水準によるものです。同じ変動率でも円単位では大きくなっているのが影響しています。

このまま高値圏を維持するのであれば、上値の5万4000円の上昇が見込まれます。反対に、下落する場合は、下落の円単位の幅が大きくなるので、下値を4万7000円で見ています。

日経平均株価が5万円水準になると、株価の変動スピードがこれまで以上になります。

再び4万円台に戻ればそのスピードは落ちますが、年初より5万円水準を維持していることを考慮すると、スピードが速いことを想定しておきましょう。

この記事は、独自の株トレンド指数を用いた分析レポートの一部です。すべての予測実績検証は過去の分析レポート一覧からご覧いただけます

▼ご注意▼
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2026/1/8(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。

最終的な投資判断について】

当記事は、特定の銘柄の売買を推奨するものではなく、情報提供を目的としています。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。当記事によって生じた損害等について、当社は一切の責任を負いかねます。