11/7に第2四半期決算発表を通過した日産自動車<7201>。年初から600円手前での推移を維持しましたが、7月末より急降下し400円台前半まで大きく値を下げました。

その後、11/7の第2四半期決算では悪材料が出て直後も10%ほど下落しました。そこから反発もありましたが、業績悪化で9000人リストラなど悪材料が続き12/4には年初来安値を更新しています。

そのような先行き不透明で落ち着く先がなかなか見えてこない同社ですが、これから株価はどのように推移することが予測されるのでしょうか。

そこで今回は、この12月の傾向と直近の動向をふまえて、今月下旬にどれくらいの株価になることが予測されるか、具体的に算出してみます。

日産自動車<7201>の12月の傾向は?

同社の株価は、例年12月初旬~12月下旬で、例年どのような傾向が見られるのでしょうか?そのデータ分析の結果がこちらです。

※上記グラフは「SAC Technologies」の独自システムによるデータ分析による結果です

2000年から2023年の株価の推移を見ると、上昇傾向が9回、下落傾向が15回見られます。この数字を見る限り、今月は下落傾向があると読み取れるでしょう。

変動幅を見ると、10%以上の変動は上昇・下落合わせて8回見られます。2020年も約10%です。それも含めると、3割以上の確率で10%以上の変動があると考えられます。

上昇時と下落時の発生頻度は、ほぼ同じです。3割以上の確率で10以上の変動がありますが、上下のどちらに動くかは、その年にならないと分からないでしょう。

ただし、今年については、直近の状況をふまえると、もし10%以上もしくは10%程度の変動が起きる場合は、下落方向に動く可能性が高そうです。

対して、5%以内の変動は変わらずも含めると上下合わせて12回あります。そのうち10回は下落時ですので、下落する場合は、中程度の可能性は低く、小幅か大幅に動く可能性が高いでしょう。

反対に上昇する場合は、小幅になる確率は低く、中程度から大幅に上昇する可能性が高いでしょう。

これらを考慮すると同社の株価は、この時期に全体として下落傾向があり、大幅に変動する確率が高いと考えられます。

ただし、下落方向の場合で考えると、大幅になるか小幅になるかはそのときにならないと分からないのと、現在の水準から大幅になるのは株式自体がどうなるかの水準ですので、ここから慎重に見ていく必要があるでしょう。

では、同社の株価は、この12月に具体的にどれくらいの範囲で株価が推移することが予測されるのでしょうか?

日産自動車<7201>12月下旬の目標株価は?

データ分析によると、ここから株価が以下のような範囲で推移することが予測されます。

【目標株価】
上値目安:397.4円
下値目安:340.4円

※12/2終値360.4円を基準に計算

これまでの株価を分析した結果を見る限り、上昇幅は約10.3%、下落幅は約5.5%と考えられます。よって、具体的な上値は「397.4円」、下値は「340.4円」が目標株価と考えられるでしょう。

上値の目安に到達した場合は、25日移動平均線をギリギリで上抜けします。ただし節目の400円を越えることができず75日移動平均線にも到達しないので、さらなる上昇は厳しいでしょう。

反対に、下値の目安に到達した場合には、直近更新した年初来安値を再度更新します。こうなると、下落の速度が増すでしょう。

昨年同時期には580円前後にあった同社株価ですが、この1年で60%程下げています。こうなると、そろそろこの下落の底を伺いたいところですが、まだまだ分からないでしょう。

特に、この12月は大幅に下落するときは下落するので、上記の下値目安よりも5%以上下落することも考えられます。

そうなると、さらに底が見えない展開になることが予測されますので、年明けの売買はとても慎重にならざるを得ないでしょう。

このように同社は、ファンダメンタルズ要素による悪い状況が続き、データ分析やテクニカル分析でも先行きが全く見えないといってもおかしくない状況です。

繰り返しになりますが、この12月は大幅下落の傾向もあるので、今月下旬の株価水準次第で、年明けがどうなるか決まりそうにも見えます。

これまでのV字回復などの実績がある同社ですが、今回は何がどうなるか分かりません。このような状況ですので、データやテクニカル分析だけでは図れないことが多いのが現状です。

決して、データだけ見て売買判断するのではなく、ファンダメンタルズ要素も十分に考慮しながら、今後の判断を慎重にしていくと良いでしょう。

今まで多数の解説を続けてきましたが、これほどまで先行きが不透明なことはありませんでした。それくらいの状況ですので、とにかく何が起こるか分からないと考えていきましょう。

なお、もしここから過去のようにV字回復になる場合は、気持ちとしては先に仕込みたいところですが、今はリスクが多き過ぎます。

もしそうなる場合は、焦ることなくそういった兆しがしっかりと見えてから動く出すのが良いでしょう。「とにかく慎重に」というのが、現状ですので、その姿勢だけは崩さずにいきましょう。

ぜひ、このような情報をもとに、あなたの投資スタンスを決めてみてはいかがでしょうか。

※本記事は2024/12/5時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。年初来高値などの更新日や移動平均などの記載については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。