日経平均株価 が再び3万8000円を割りました。
先週末5/30に3万8000円を維持できなかったことも影響し、今週は3万7000円台での水平状態の推移が続いています。
円単位で見ると週初め6/2に約500円の下落があったものの、日経平均株価がこの水準まで上昇していることもあり、変動率は1.3%下落にとどまりました。
その他の日は1%未満の変動にとどまっていることもあり、日経平均株価に変動が見られない週が続いています。
やはり先週の株式市場が「上値が重たい状態」だったことも影響し、下落への動きは見られないものの、上昇への動きも見られない状態に陥っています。
ここまで方向感なく水平状態が続くと、次の展開を予測するのもとても難しくなります。
そのような状況ではありますが、来週の日本株市場や日経平均株価は、どのように推移することが予想されるのでしょうか。
そこで今回も「株トレンド指数」や先週の動向をもとに、今週の株式市場の動向や、今後の動向について考えていきましょう。
今週の市場動向と 日経平均株価 の変動
こちらをご覧ください。こちらは5/23〜6/5の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。

株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。
・天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
・底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
・押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
・空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
株トレンド指数から見る今週の日本株市場の特長
今週の株式市場は、再び先週と変化し日経平均株価と株式市場全体が”連動していない週”でした。
読み取り方によっては”連動している週”とも言えますが、これは日経平均株価に株トレンド指数も加えて日々の方向感を捉えている人だけの視点だと考えられます。
そのようなこともあり、日経平均株価だけを基準に方向感を捉えている人にとっては”連動していない週”だったと読み取れます。
先週から空売り指数優位の変則的な株式市場が終わり、今週も引き続き通常の動きの株式市場を維持しています。
ただし、日経平均株価と株式市場全体の動きには連動性がなかったことで、株トレンド指数も一緒に見ていない人にとっては難しい週でした。
なぜなら、株式市場全体は小さな上昇傾向を維持しているが、日経平均株価はほぼ水平状態の推移だったからです。
株トレンド指数も一緒に見ている私たちは「株式市場全体が小さな上昇傾向を維持しているから、日経平均株価は下がり切ることなく水平状態を維持」と読み取れたでしょう。
一方、日経平均株価だけを基準に方向感を捉える人にとっては「方向感が全くない」「上値が重たい」など、状況が分かるような分からないようなという状況だったでしょう。
今の時点で実際の損益に影響はないと思われますが、このようないわゆるストレスの溜まる展開のときは、ここを抜けたときに影響が出やすくなります。
このように、今すぐの差異ではありませんが、今後のことを考えると両者に差異が発生した週だったとも捉えられます。
日経平均株価 と株式市場全体の動きを比較
詳細を見てみましょう。週初め6/2は日経平均株価が約1.3%下落しました。円単位で見ると約500円下落した。
先週末5/30と合わせると約950円下落しています。円単位で相場状況を捉える人にとっては、先週末とこの週初めは悲観的な2日間であったかもしれません。
ですが、変動率でみると6/2は約1.3%、5/30は約1.2%です。単独で見ても両日で見ても、それほど変動していないことが分かります。
よって、ここは同じ日経平均株価だけで相場状況を判断する人でも、変動率で捉えるか、それとも円単位で捉えるかで状況が随分変わったと考えられるでしょう。
ちなみに、株トレンド指数を見ると上昇傾向を示す天井指数の水準を維持しています。
5/29からは下がったものの、先週末5/30も週初め6/2も天井指数の水準をある程度で維持しています。
つまり、この日の株式市場全体は、株式市場全体を牽引するような上昇傾向ではなかったものの、先週からの小さな上昇傾向を維持していることが分かります。
このように、この週初めは日経平均株価だけを見て判断するか、株トレンド指数も一緒に見て判断するかで、状況の捉え方に差異があったと考えられます。
6/3の日経平均株価は0.06%下落と、前日とほぼ同じ水準を維持しました。もしくは方向感なく水平に推移です。
株トレンド指数を見ると、わずかに天井指数の水準が上がっています。ここから引き続き小さな上昇傾向を維持していることが分かります。
両者に目立った差異はありませんが、日経平均株価だけを見て相場状況を判断する人にとっては、疑問の残る日だったかもしれません。
週の半ば6/4の日経平均株価は300円変動したものの変動率が約0.8%と1%未満であったことから、前日同様水平状態が続きました。
株トレンド指数は、わずかに天井指数の水準が下がりましたが、前日と変わらず小さな上昇傾向を維持しています。
このように株トレンド指数も見れば、日経平均株価は小さな上昇傾向の中、一定の株価水準を維持していることが分かります。
しかし、日経平均株価だけで考えると、ほぼ水平状態が続いていることから、このような判断ができず難しかったでしょう。
週の後半6/5も同じことが言えます。日経平均株価は約0.5%下落し水平状態が続きました。
株トレンド指数を見ると、天井指数の水準が下がりましたが、株式市場全体が下落傾向に転換するような状況ではないことが分かります。
つまり、日経平均株価のわずかな下落は、株トレンド指数の天井指数の水準が下がったことに連動して、多少下落したのではないかと考えられます。
今週の市場動向と 日経平均株価 の変動のポイント
このように今週の株式市場は、株トレンド指数を見ていれば、天井指数の発生水準の変動と日経平均株価が連動していることが分かります。
しかし、日経平均株価だけで相場状況を把握しようとすると、株式市場全体が小さな上昇傾向を維持しているのか、それ以前の問題として上昇傾向と下落傾向のどちらが発生しているのか、読み取るのは困難だったでしょう。
そういったことをふまえると、今週の株式市場は両指数を見ていれば”連動している週”と読み取れますが、日経平均株価単独だと”連動性がないので難しい週”だったと考えられます。
投資家心理で言えば、日経平均株価だけで判断する人は「上がりも下がりもせず、よく分からないが上値が重たくストレスの溜まる週」など、ネガティブに捉えていたかもしれません。
反対に、株トレンド指数も含めて判断する人は「方向感はないが、小さな上昇傾向を維持している週」と比較的ポジティブに捉えることができたと思います。
実際の損益には影響は出ていませんが、このようにメンタル面ではポジティブとネガティブで正反対の状況だったと考えられます。
では、直近2ヶ月間の状況もふまえて、現状をより詳しく見てみましょう。
日経平均株価 の動向を徹底分析する
日経平均株価を基準に見ると、週初めに下落しているものの、引き続きボックス圏を推移していることが分かります。
ただし、そのボックス圏の水準は暴落前の「上値:3万9000円付近・下値:37,000円前後」には届かない状況が続いています。
引き続き現在のボックス圏は「上値:3万8500円付近・下値:36,500円前後」だと思われます。
日経平均株価だけ見ると、先週に続き上値が重たい展開が続いていると読み取れます。
一方、株トレンド指数を見ると、株式市場を牽引するような上昇傾向ではありませんが、先週からの小さな上昇傾向が続いていることが分かります。
ただし、天井指数の発生がほぼ水平状態ということもあり、ここからもボックス圏を推移していることを読み取れます。
違う角度から見れば、やはりこの天井指数の維持があることで、ボックス圏の水準が下落方向へ進むことがないと考えられます。
来週の日経平均株価の予想シナリオ
このように両指数を見ると、週単位のような動きの差異はありませんが、ポジティブに言えば「株式市場全体が下がりにくい状態」を維持していることが分かります。
ネガティブに言うと「上昇の勢い不足」により、ボックス圏を上抜けするのは難しいと考えられます。
総合すると「上がりもしなければ、下がりもしない」ということになりますが、水準を維持していることを考えれば、日本株市場は今底堅いとも言えます。
なお、具体的な日経平均株価予想シナリオは引き続き「上値:3万8500円付近・下値:36,500円前後」を変動すると予想されます。
国内外投資家の売買動向から見た来週の見通し
補足としての日本株市場の根底部分である株式市場全体の需給バランスも見ておきましょう。タイムラグがあるデータではありますが、現状は以下の通りです。
・外国人投資家:買い越し → 買い越し強まる(↗)
・個人投資家:売り越し → 売り越しが強まる(↘)
・日本の機関投資家:買い越し → 売り越しに変化(↘)

三者をまとめると、全体の需給バランスは以下のグラフのように「わずかに買い優勢」です。
ただ、こうして見ると分かるのは、今の日本株は「外国人投資家」によって、やや上昇傾向になっているということでしょう。
国内の両投資家が売り越しなのに対して、外国人投資家は買い越しが強まっています。そこで、各投資家の詳細を見てみましょう。
外国人投資家の売買動向
まず、外国人投資家です。外国人投資家の状況が変化しました。前週ではいったん買い越しの水準が下がりましたが、再び買い越しを強めています。
しかもその水準は、わずかではありますが国内の両投資家を合算した以上の水準です。
もし外国人投資家が買い越しを強めなかったら、日本株市場は下落していたでしょう。
最新週の日本株市場は私たちのような国内の投資家ではなく、外国人投資家によって買い支えられていたとも考えられます。
個人投資家の売買動向
次は、私たち個人投資家です。個人投資家は売り越しを強めました。前週が小幅だったこともあり、一気に売りの圧力が強まったようにも見受けられます。
ただし、ポジティブに見れば前週よりも取引が大きくなっているのは明らかですので、これから株価が動き出す可能性もないとは言い切れません。
個人投資家は4月2週以降売り越しが続いていますので、ここから買い越しに転じるかが一つのポイントになるでしょう。
日本の機関投資家の売買動向
日本の機関投資家を見ると、前週から一気にポジションを変えました。前週は大きく買い越しでしたが、今週は売り越しです。
日本の機関投資家は、今回のようにいきなりポジションを変えることが少ない傾向が見られます。また年間を通じて、売り越しが続く週はあまり見られません。
その傾向に当てはまれば、次に更新されるデータは「買い越し」に転換するでしょう。
国内外投資家の売買動向から見た来週の見通し
このように前週データでは全体として「買い越し」でしたが、最新データでは「わずかに買い越し」に変化しました。しかも、それを支えているのは外国人投資家のみです。
日本の機関投資家は、あまり売り越しを続けない動きが見られるので、再び買い越しに転じるかがポイントになるでしょう。
また、そのときに外国人投資家が、今の買い越しを維持するかもポイントです。
直帰の株式市場はトレンドらしいトレンドが発生していないので、私たち個人投資家の動きが活発化する可能性は低いのではないかと予測されます。
もし活発化するならば、株価が短期で上昇し、利益確定するときではないかと思われます。
そういったこともふまえると、次の株式市場の展開を握るのは国内外の機関投資家だと思われます。
日本の機関投資家の動きを予測するのは少々難しいですが、外国人投資家は直近であれば米国大統領による急な発表がなければ比較的素直な動きをしているように見受けられます。
そういった部分もありますので、ぜひこの株式市場の根底になる需給バランスも国内外の機関投資家を中心に見ていくと良いでしょう。
来週の日経平均株価見通し:ワンポイントアドバイス
このように今週の株式市場は日経平均株価を見ると水平状態でした。
株トレンド指数を見ると、小さな上昇傾向の水平状態とも言えますが、下がる可能性のある水平状態ではなく、上がろうとしている水平状態であることが分かります。
また、その根底にある需給バランスは、タイムラグのあるデータではありますが、わずかに買い越しと、やはりここでも水平状態や均衡状態を示しています。
これがボックス圏の典型的な動きといえばそうなりますが、引き続き次の展開を読みにくい状況が続いています。
今週は小さな上昇傾向があり、上昇しようとしていました。しかし、その上昇が小さいことで上昇することはなく「下がりにくい」状況を作るのが精一杯でした。
つまり、今の日本株市場は”上値が重たい”というよりは「下がりにくい」と表現したほうが妥当かもしれません。
だから、ボックス圏の水準も暴落前水準までは戻りそうで戻らなかったり、下値に向かって動き出すことが直近では見られないと考えられます。
このような中であえてポジティブなことを言うと、水平状態ではありますが”膠着状態ではない”と思われます。
ただ、株式市場全体が動くには、もう完全にパワー不足ですので、ここから何かの材料が必要でしょう。もしくは、少しずつ株式市場がパワーを蓄積して動き出すかもしれません。
いずれにしても、ここからすぐに上下のどちらかに動くための下地は整っていません。
そのようなこともありますので、引き続き水平状態が続きつつ、上下のどちらかに動いても対応できるように”中立状態”のスタンスを崩さずにいくのが良いでしょう。
なお、ここからは中立状態のスタンスを保ちつつ、株式市場全体の微妙な変化を読み取れるかがポイントになります。
その微妙な変化を読み取るには、例えば上のグラフにはないOVER指数やRISK指数を見るのが効果的です。
この2つの指数のバランス次第で、「上昇・均衡・下落」を読み取ることができますので、ぜひそういった指標も参考にしながら次の展開を予測しながら動向を見ていきましょう。
>>来週の日本株が上がるか?下げるか?知りたい人は他にいますか?
より詳しい分析結果も読むには、こちらをクリック(note)<<
▼ご注意▼
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は本記事は本記事は2025/6/5(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました(日経平均株価のみ5/30前場時点のデータを含みます)。予めご了承くださいませ。