執筆者: 秋山大介|データ・アナリスト| プロフィール詳細
(独自の「株トレンド指数」を開発・運用。需給バランスに基づく分析で定評あり。)
2026年3月、日経平均がついに5万4000円台へ。
この現在値は単なる下落か、それとも絶好の買い場か?独自の株トレンド指数のデータが示す最新の予測をお伝えします。
この記事は、独自の株トレンド指数を用いた分析レポートの一部です。すべての予測実績検証は過去の分析レポート一覧からご覧いただけます。
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日経平均株価 が地政学リスクで3日続落し、一時5万4000円台に突入しました。
この急落を見て『いよいよ暴落か?』『二番底が来るのでは?』と不安を抱いた方も多いはずです。
しかし、独自の「株トレンド指数」を詳細に分析すると、市場の表面的なパニックとは裏腹に、驚くべき『再上昇のサイン』が点灯しています。
本記事では、データ・アナリストの視点から、今回の下落が『絶好の買い場』と言えるのかどうか、需給バランスと指数の異常値からその正体を明らかにします。
【指数分析】5万4000円は二番底の入り口か?日経平均の下げ止まりを検証
こちらをご覧ください。こちらは2/19〜3/5の日経平均株価と株トレンド指数の状況です(株トレンド指数の算出ロジックと運用実績はこちら)。

株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。
・天井指数|相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向を示す(目安:「170」付近)
・底値指数|相場全体が底値に近づき適正株価まで回復する傾向を示す(目安:「220~420」付近)
・押し目買い指数|押し目買い戦略が機能しやすい傾向を示す(目安:「30」に近い水準)
・空売り指数|相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向を示す(目安:「50」付近)
>>株トレンド指数の算出ロジックと運用実績はこちら
地政学リスクに左右された今週の株式市場
今週の株式市場は、日経平均株価と株式市場全体が”あまり連動していない週”でした。
地政学リスクによる下落が発生したことで両者の動きに差異が出ました。今週の株式市場は、地政学リスク時に起きやすい典型的な市場だったと言えます。
なぜなら、日経平均株価は3日続落で約4600円下落とインパクトの強い数字で下落しましたが、株式市場全体は再上昇に向け動き出しているからです。
例えば、EU離脱ショック、チャイナ・ショック、ロシアとウクライナの問題が発生したときなどが、似た動きをする典型です。
日本株市場が原因で下落したのではなく、あくまで地政学リスクによる下落の場合、一時的に日経平均株価が過敏に反応する傾向があります。
一方、日本株市場全体は、日経平均株価採用銘柄などを中心に一時的に下落しただけで、時間の経過につれて元に戻る傾向があります。
今週は押し目買い指数が再び急上昇したことからも、その傾向に入っていると判断します。
また、下落傾向を示す底値指数の動きも最大でも3/4の「24」であることから、ここから株式市場は下落に入る可能性は低いと分析します。
いわば、日本株市場としては上昇しようとしていた動きがあっただけに、この地政学リスクによって邪魔されたような状況だと考えられます。
押し目買い指数が「75」の異常値!絶好の買い場を示唆するデータとは
では、この状況をふまえて詳細を見てみましょう。今週の日経平均株価は以下のような推移でした。
- 【3/2】1.35%下落:5万8000円まで下落
- 【3/3】3.06%下落:5万6000円台まで下落
- 【3/4】3.61%下落:5万4000円台突入
- 【3/5】1.9%上昇:5万5000円回復
日経平均株価は3日続落し3/4には5万4000円台まで下落しました。3日間で約4600円下落したことだけを見ると「記録的な下落」です。
しかし、下落率で見ると約8%です。10%未満の下落率であることから、記録的な下落とは言えないと判断します。
もし3/5に5万5000円を回復しなかったら違いましたが、回復しましたので今は「ボックス圏の下値付近」を推移していると分析します。
次は、今週の株トレンド指数の推移を見てみます。今週は以下のような推移でした。
- 【3/2】天井指数「71」・空売り指数「69」/押し目買い指数「10」高水準
- 【3/3】天井指数「12」急落/押し目買い指数「52」急上昇/底値指数「13」
- 【3/4】天井指数「1」/押し目買い指数「75」・底値指数「24」まで上昇
- 【3/5】空売り指数「10」回復/押し目買い指数「30」/底値指数「9」まで減少
今週の推移は3/2と3/3以降で展開が大きく変化しています。3/2までは先週まで続いた株式市場全体が上昇しようとしている動きが継続していました。
上昇傾向を示す天井指数が「71」と高水準を維持していました。
上昇にブレーキを掛ける空売り指数も「69」と高水準でしたので、引き続き上昇のエネルギーを蓄積している状態だったと分析します。
しかし、ここから地政学リスクにより状況が急転しました。このような場面の典型的な動きに変化しました。
天井指数は「71→12」まで減少し、3/4には「1」まで水準を下げ、空売り指数の水準も下がりました。
それに連動するかのように3/3から3/4に掛けて、下落傾向を示す底値指数の水準が「13→24」まで上昇しました。しかし、3/5には「9」まで水準を下げています。
一方、これらの指数とは違い、押し目買いが急上昇しました。最大「75」まで水準を上げ、その前後も通常から見ると、とても高い水準を維持しています。
総合すると、3/2までは上昇のエネルギーを蓄積していたが、地政学リスクによっていったん強制ストップを受けた状態です。
そのようなこともあり、株式市場全体は押し目買いの高水準が示す通り、再上昇の機会を狙っていると分析します。
日経平均株価 は下げ止まり再上昇を狙う
次に、直近2ヶ月間の状況もふまえて、現状をより詳しく見てみましょう。日経平均株価を基準に見ると、今週は急落しているように見えます。ただし、これは円単位で見た場合です。
衆議院選挙後のボックス圏を小さく上抜けしましたが、再び上昇前水準まで下落しています。
しかし、このまま下落へ方向感が出ていないことから、ボックス圏の下値付近で下げ止まり再上昇を狙える水準を維持していることが分かります。
一方、株トレンド指数を見ると、先週まで上昇エネルギーを順調に蓄積していましたが、強制ストップをさせれているような動きを見せています。
天井指数が下がるとしても、なだらかに下がる予定だったところを3/3に急激に止められていると分析します。
また、押し目買い指数は直近2ヶ月間の中でも、異常なほどの高水準まで上昇していることが分かります。
2月中旬も通常よりも異常値ともいえる高水準でしたが、それを上回る高水準です。
この押し目買い指数の状況から見ても、株式市場全体は再上昇の機会を狙っていると判断できます。
【来週の予想】日経平均株価の予想レンジ(6万2000円~5万4000円)
今週の株式市場は期間を広げて見ても、日経平均株価の円単位のインパクトほどの下落はなく、ここで下げ止まり再上昇を狙っていると分析します。
地政学リスク発生直後は状況の把握ができていないことから、3日続落が見られましたが、そこからの投げ売りは見られません。
そうなると、ここで日経平均株価も株式市場全体も下げ止まったと判断します。
そこで来週の日経平均株価のレンジを整理すると、引き続き以下の範囲を推移すると分析します。
▼来週の日経平均株価の予想レンジ
上値:6万2000円~下値:5万4000円
新たな地政学リスクの動きがあると一時的に5万4000円を割ることもあるでしょう。しかし、そのような場合でも今週のようにすぐに回復すると予測します。
ただし、ここで一つだけリスクがあります。それはやはり地政学リスクと押し目買い指数の関連です。
地政学リスクは先が読めません。そうなると、今は押し目買い指数の高水準で再上昇を期待できますが、あまりに不透明な状況が続くと、それが重しになり押し目買い指数の勢いをなくす可能性があります。
もちろん、その場合は下落傾向を示す底値指数が水準を上げるなど付帯する条件はありますが、一つのリスクとしては頭においておきましょう。
地政学リスクによる強制ストップがなければ今週は上値に向かってどう動くかを分析するタイミングでした。
しかし、ここから少しの期間は、上値ではなく下値付近からいつ水準を上げるか、または一時的に割るのであれば、そこまで下落するかがポイントになるでしょう。
最新の需給バランス:週明けはニュートラルポジションの可能性
補足としての日本株市場の根底部分である株式市場全体の最新の需給バランスも見ておきましょう。
・外国人投資家:買い越し → 買い越し強まる(↗)
・個人投資家:買い越し → 売り越しに転換(↘)
・日本の機関投資家:大きく売り越し → 大きく売り越しを維持(→)

最新週の需給バランスは、2月3週から少々変化し「売り越し優勢」です。また、国内外の投資家で需給が分かれたのが特長です。
もしくは、国内外の機関投資家は2月3週とポジションを変えていませんが、個人投資家がポジションを変えたことで、全体が売り越しになったと見ることもできます。
国内外の機関投資家は、規模は変化しますがある程度ポジションを維持しますが、個人投資家は毎週変化することも多くあります。
そういった動きが現れたのが2月3週から最新週とも言えるでしょう。
外国人投資家の動きとその示唆
外国人投資家は、年初から8週連続買い越しです。昨年4月から17週連続買い越しには届きませんが、直近1年間を見ても、外国人投資家が日本株を買い越していることが分かります。
この動きは、日経平均株価6万円も射程圏に入ったと思われるタイミングに起きています。
地政学リスクが発生した今週の動きは入っていませんが、日本株自体が要因ではないので、引き続き買い越しを続けているかもしれません。
むしろ、日本株を安全性の高い株式として冷静に評価し、買い越し規模を大きくしている可能性もあるでしょう。
個人投資家の傾向と注意点
次は、個人投資家です。買い越しから一気に売り越しに転換しました。日経平均株価が年初来高値更新したことで、利益確定売りが出たと分析します。
そこから地政学リスクが発生しましたので、今度は利益確定売りではなく、慌てて手仕舞いして現金化しているかもしれません。
一部の個人投資家は、こういったリスクが発生したとき逆張り戦略などで積極的に動き出しますが、全体を見ると売り越しになるのではないかと判断します。
日本の機関投資家の今後
最後は日本の機関投資家です。1月2週から7週連続売り越しです。直近2週は規模が1桁大きくなっています。
日経平均株価の状況を見ると、個人投資家同様、日経平均株価の年初来高値更新により利益確定売りをしたと予測します。
また、3月は年度末ということもあり、これから銘柄の入れ替えである「お化粧買い・売り」が発生しやすい時期に突入します。
1月2週から売り越しが続いていることをふまえると、今がそのピークなのかもしれません。
ただし、地政学リスクを考慮すると、ここからいったんニュートラルポジションを取って、落ち着くのを待ってから銘柄の入れ替えに動き出すかもしれません。
国内外投資家の売買動向から見た来週の見通し
以上が三者の動向です。詳細を見ると、国内の投資家はそれぞれ最新週のポジションの理由が見えてきました。外国人投資家は予測が難しい状況です。
今は、ちょうど地政学リスクが発生してしまったタイミングでもあります。何もなければ、ここから全体の需給バランスは買い越しに向けて動き出すと想定されます。
しかし、今は何かがある状態ですので、再上昇を狙いつつ、いったんはニュートラルポジションに近づき、それから買い越しに転換すると予測します。
まとめ:来週は下落前水準へゆるやかやかに上昇の可能性
このように今週の株式市場は、大台の日経平均株価6万円を狙える展開から、地政学リスクにより下落しました。
ただし、その地政学リスクによる下落も限定的で長引かないと判断します。それに伴い、来週の日経平均株価のレンジは、引き続き以下の通りだと分析します。
▼来週の日経平均株価の予想レンジ
上値:6万2000円~下値:5万4000円
今は、下値付近をウロウロしている状態です。違う見方をすれば、大幅下落したように見えた日経平均株価も、ボックス圏の想定内でした。
この点を考慮しても、今は下げ止まり再び上値に向けて動き出そうとしていることが分かります。それを後押しするように押し目買い指数も高水準を維持しています。
来週のポイントは、この再上昇がいつ始まるかです。株式市場全体はいつでも再上昇できる状態ですが、地政学リスクの方向性が見えない限り、これが重しになるでしょう。
よって、今後注目すべきことは、地政学リスクの不安がいつ解消されるかだと考えます。これが解消されれば日本株市場はいつでも再上昇する準備ができています。
地政学リスクという『重し』がある間は不安定ですが、指数の数値を見る限り、日本株のファンダメンタルズや内部需給が崩れたわけではありません。
むしろ、多くの個人投資家が恐怖で手放している今こそ、冷静にデータを読み解く投資家にとっての好機となる可能性があると私は判断しています。
この記事は、独自の株トレンド指数を用いた分析レポートの一部です。すべての予測実績検証は過去の分析レポート一覧からご覧いただけます。
▼ご注意▼
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2026/3/5(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました(日経平均株価のみ2/12前場のデータも含みます)。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
当記事は、特定の銘柄の売買を推奨するものではなく、情報提供を目的としています。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。当記事によって生じた損害等について、当社は一切の責任を負いかねます。
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