執筆者: 秋山大介|データ・アナリストプロフィール詳細
(独自の「株トレンド指数」を開発・運用。需給バランスに基づく分析で定評あり。)

日経平均株価 がついに6万円を突破しましたが、続落で失速しています。

この下落を見て『ついに天井か?』と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

しかし、株トレンド指数を詳細に分析すると、見かけの下落とは異なる『再上昇に向けた準備』が見えてきました。

今週の動きがなぜ『調整』と言えるのか、その根拠を詳しく見ていきましょう。

この記事は、独自の株トレンド指数を用いた分析レポートの一部です。すべての予測実績検証は過去の分析レポート一覧からご覧いただけます

そこで今回も相場の動きを数値で見える化した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向や、来週の日経平均株価の動向や株式市場の見通しについて考えていきましょう。

日経平均株価は天井ではなく再上昇の可能性を残す展開

こちらをご覧ください。こちらは4/16〜4/30の日経平均株価と株トレンド指数の状況です(株トレンド指数の算出ロジックと運用実績はこちら)。

【2026年4月第5週】市場動向と 日経平均株価 の変動
【2026年4月第3週】市場動向と 日経平均株価 の変動

株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。

天井指数|相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向を示す(目安:「170」付近)
底値指数|相場全体が底値に近づき適正株価まで回復する傾向を示す(目安:「220~420」付近)
押し目買い指数|押し目買い戦略が機能しやすい傾向を示す(目安:「30」に近い水準)
空売り指数|相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向を示す(目安:「50」付近)
>>株トレンド指数の算出ロジックと運用実績はこちら

日経平均高値更新も株式市場全体は上値が重たいまま

今週の株式市場も、日経平均株価と株式市場全体が連動しない「デカップリング(切り離し)状態」でした。これで3週連続です先週のデカップリング状態の詳細ははこちら)。

日経平均という『表の顔』と、市場全体という『中身』がバラバラに動いている状態が続いています。

ただし、先週と違うのは空売り指数と日経平均株価の関係です。先週は空売り指数の上昇ブレーキによって日経平均株価が小幅上昇に抑えられていました。

対して今週は上昇傾向を示す天井指数の水準が少しずつ上がったにも関わらず、日経平均株価は続落しました。

よって、今週は先週のような上値が重たい展開ではなく、株式市場全体は先週よりも上値が軽くなり、少しずつ上昇に向けて動き出した展開だと分析します

そのような中、日経平均株価は違う動きをしましたが、下落率2%程度であることを考えると、上値が重たいのではなく「もみ合い」または「調整局面」に入っていると判断します。

ゆえに全体感としては、まだ日経平均株価は天井に到達せず、再上昇の可能性を残していると分析します。

次は今週の状況をさらに詳しく見て、分析を深めていきましょう。

日経平均は勢い不足も再上昇を狙う

今週の日経平均株価は以下のような推移でした。

  • 【4/27】1.38%上昇:6万円到達 
  • 【4/28】1.02%下落:6万円割れ
  • 【4/30】1.06%下落:続落し5万円9000円前半に後退

今週の日経平均株価は、 先週の期待感から上昇の流れに乗り週明け早々に節目となる6万円に到達しました。

上昇率1.38%であることから、これは先週高水準を維持していた押し目買い指数の影響だったと分析します。その後は続落し再び5万9000円台に後退しました。

節目の6万円には到達しましたが維持できないことや続落をふまえると、今の日経平均株価には6万円の印象ほど上昇勢いがないと判断します。

投資家心理としては、ここで気になるのが「天井」です。上昇勢いはありませんが、その後の続落が約2%にとどまっています。

その点を考慮すると、ここは「もみ合い」または「調整局面」だと判断するのが妥当です。

ただし、次の展開が上下のどちらに動くかは日経平均株価だけでは分かりません。今の時点では、天井ではないかが、上下のどちらにも動く展開を想定するのが良いです。

データ・アナリストの視点
日経平均株価の水準が上がり始めてから「割高ではないか」「なぜ5万円(6万円)なのだ?」「5万円(6万円)は上がり過ぎだ」などと目にすることが多いかもしれません。

しかし、日経平均株価には「何円が妥当」という水準がありません。経済原理で考えると「株価は永遠に右肩上がり」なので株価は青天井です。円単位での割高感に惑わされることなく、今の水準を指数のエネルギー(需給)を見ることが重要です。

次は、今週の株トレンド指数の推移を見てみます。今週は以下のような推移でした。

  • 【4/27】押し目買い指数「17」高水準維持/ 空売り指数>天井指数の関係
  • 【4/28】押し目買い指数「15」高水準維持/ 空売り指数>天井指数の関係を維持
  • 【4/30】空押し目買い指数「14」高水準維持/ 空売り指数と天井指数がほぼ同水準

株トレンド指数を見ると、今週は水準が下がったものの押し目買いの高水準が続きました。同時に、「空売り指数>天井指数」の関係がほぼ維持されました。

ここから分析できるのは、株式市場全体は日経平均株価と違って「上昇に向けて動き出している」ことです。それを押し目買いが示しています。

また、「空売り指数>天井指数」の関係から「一時的な上昇に向けた調整局面」だと分析します。

日経平均株価だけを見ると、上下のどちらに進むか分かりませんでしたが、下落傾向を示す底値指数の水準も上がっていないことから、上方向に進む準備だと判断します。

ただし、本格的な上昇トレンドへの動き出しではなく、今週のような一時的な上昇に向けた準備だと分析します。

日経平均株価は、まだ天井ではない

このように今週の株式市場は、日経平均株価の動きと株式市場全体の動きが乖離していました。

日経平均株価だけを見ると次の展開が読みにくかったですが、株トレンド指数を見ると一時的な上昇に向けた準備をしていることが分かります

よって、日経平均株価6万円到達は「まだ天井ではない」と判断します。勢い良く、そのまま7万円を目指すような勢いある上昇は想定しにくいですが、ここを天井に下落することも考えにくいです。

このまま高値圏を維持し、一時的な上昇をしたあと、再び次の展開に向けて準備し動き出すと考えます。

この状況をより鮮明化することを目的に、直近2ヶ月間の状況もふまえて、現状をより詳しく見てみましょう。

【分析】空売り指数の重しが取れ、次の展開への準備に動く

日経平均株価を基準に見ると、地政学リスクが残る中、ほぼ順調に上昇しています。地政学リスク発生前水準の上抜けを維持しています。

6万円到達から続落しましたが、2%程度ということもあり、ほとんど下落していません。

よって、今週の日経平均株価はもみ合いというよりは「調整局面」と分析できます。

ただし、1つ気がかりなこともあります。日経平均株価の水準は上がっていますが、勢いがないことです。

変動率で見ても4/8以降目立った上昇がありません。小幅上昇の積み重ねで今に至ります。

それをふまえると、日経平均株価6万円到達は日本株市場に上昇の機運があって到達したのではなく、下がる要因がない中、小幅上昇が続いた結果として到達したと分析します。

株トレンド指数を基準に見ると、4月中旬に比べ指数全体の発生が小さくなっていることが分かります。

ただし、押し目買いは10以上が高水準ですので、4月は押し目の動きが目立っていることが分かります。

そこに空売り指数の水準が通常よりも大きくなっていることもあり、株式市場全体の上昇は小幅にとどまっているとも分析できます。

また、先週までは空売り指数が重しになっていましたが、上昇傾向を示す天井指数が先週よりも上昇してきたことで、その重しが取れたと判断します。

この動きからも「まだ天井ではない」と考えられます。ただし、週単位で見た通り上昇勢いはありませんので、ここから一時的な上昇を控えているという程度です。

【来週の予想レンジ】上値6万1000円~下値:5万7000円

このように今週の株式市場は、期間を広げて見ても週単位で見た通り、日経平均株価には勢いがなく、株式市場全体は一時的な上昇に向けて準備していることが分かります。

この状況をふまえて来週の日経平均株価のレンジを予測すると、以下の範囲を推移すると分析します。

▼来週の日経平均株価の予想レンジ
上値:6万1000円~下値:5万7000円

先週から一段水準を上げました。ただし、地政学リスクの再燃があれば、下値は下がることを想定しておきましょう。

また、日経平均株価の今の水準は、1%未満の上昇でも500円以上上昇します。これにより想定の上値を超えることもありますので、多少緩めにみておきましょう。

繰り返しになりますが、節目の6万円は天井ではないと判断します。しかし、まだ全体的に上昇勢いがないので、上値は今週から多少プラスした程度の動きになるでしょう。

【最新】投資主体別売買動向と需給バランス

補足としての日本株市場の根底部分である株式市場全体の最新の需給バランスも見ておきましょう。

外国人投資家:大きく買い越し → 買い越し弱まる(↘)
個人投資家:売り越し → 小さく買い越しへ転換(↗)
日本の機関投資家:小さく売り越し → 小さく売り越し維持(→)

投資主体別売買動向
『投資主体別売買動向 | 信用・手口 | トレーダーズ・ウェブ』をもとに筆者作成

最新週は、全体的にポジションが小さくなりました。これはゴールデンウィークが影響していると予測します。

まだ地政学リスクが沈静化していない中ですので、通常よりも連休中のリスクを考慮した動きになっていると考えます。

そのような中、外国人投資家と個人投資家は買い越し、日本の機関投資家は売り越しのポジションでした。では、各投資家の詳細を見てみましょう。

外国人投資家の買い越し維持は、日本株の底堅さの象徴

外国人投資家は、2週連続大規模の買い越しから水準を下げました。それでも、過去1年間の中では大きな水準を維持しています。

個人投資家の買い越しが小さかったことをふまえると、日経平均株価が地政学リスクの下落前水準に戻ったのは彼らの影響が大きいと判断します。

地政学リスクが沈静化していない中、外国人投資家が日本株を大きく買い越ししているということは、日本株に期待しているとも読み取れます。

次に発表される最新データでも同水準の買い越しを維持することがあれば、さらなる日経平均株価の押し上げにつながると分析します。

個人投資家は連休のリスク回避で利益確定売りの動き

次は、個人投資家です。3週連続売り越しが止まり買い越しに転換しました。個人投資家は日経平均株価の水準に影響を受けやすいので、地政学リスクによる下落前水準に戻ったタイミングで利益確定の動きが多かったと予測します。

しかし、そのような中でも買い越しになったことをふまえると、個人投資家も日本株市場の回復とさらなる上昇を小さく期待しての動きだったとも判断できます。

ただし、次に発表される最新データではゴールデンウィーク前ということもあり、リスク回避を目的に利益確定していることも予測されます。

特に今年はいつもとは違い、地政学リスクがあるままの連休です。これをふまえると、このまま順調に買い越しが増すのではなく、売り越しまたはニュートラルポジションを想定しておくと良いでしょう。

国内機関投資家もリスク回避で利益確定売りの動き

最後は、国内の機関投資家です。彼らは年間を通じてそれほど動きが見られません。

あまり動きに変化がありませんでした。特にこのタイミングは連休を控え、下落前水準に日経平均株価が戻ったときです。

それをふまえると、リスク回避と水準回復による利益確定をしていると予測します。

こうなると、今後は彼らがゴールデンウィーク開けに買い戻しの動きをするかがポイントです。

ただし、彼らは年間を通じて大きくは動きませんので、需給バランスに影響は小さいと予測します。

国内外投資家の売買動向から見た来週の見通し

以上が三者の動向です。全体的なバランスは、買い越しがやや優勢です。ただし三者ともポジションが小さくなっているので、より株価が動きにくい状況です。

今週の日経平均株価の変動が小さかったこともふまえると、次に発表される最新データでも同じようになるかもしれません。

そうなると、やはり今後発生するのは勢いのある上昇ではなく、押し目買い指数の影響で一時的に小さく上昇するものだと分析します。

まとめ:来週の予想レンジともみ合い状態の注意点

このように今週の株式市場は、需給バランスの予測を見ても、株価が動きにくい状況であることが分かります。

ただし、株トレンド指数の通り下落方向への動きが見られないことから、これから押し目買い指数の影響で小さく上昇する前兆だと読み取れます。

よって、今週の日経平均株価の動きは、天井を付けたのではなく、次の動きに向けた「調整局面」だと判断します。

それを踏まえて、来週の日経平均株価のレンジを予測するとこのようになります。

▼来週の日経平均株価の予想レンジ
上値:6万1000円~下値:5万7000円

前述の通り、上下とも超える可能性がありますが、このレンジで推移すると予測します。

ここが天井ではないとはいえ、勢いのある上昇を控えているわけではありません。よって、上値は今週とそれほど変わらない動きになると予測します。

下値は地政学リスクが再燃しないと到達しない水準です。株トレンド指数を見ても下落傾向になる可能性は低いので、これは悲観的なシナリオ水準として捉えると良いでしょう。

そろそろ天井かと気になるところですが、これまでの分析の通り今が天井だと言える根拠はありませんでした

むしろ、上昇幅は小さいものの、再上昇の可能性を残しているのが今の日本株市場です。

違う視点で見ると「まだ上昇余地があるのに材料不足」とも言えます。それが、今後の期待が小さな上昇にとどまる原因でもあります。

先週までは、空売り指数が重しになっていました。その前は、地政学リスクが重しになっていました。

それらが外れた今、上昇しても良いタイミングですが材料不足というのが、今の日本株市場です。

そうなると、日経平均株価も、これまでのような小幅上昇の積み重ねで上昇することになると判断します。

つまり、今後の日本株市場に好材料が現れるかで、今後の上昇の幅が決まると考えられます。

当たり前の話に聞こえるかもしれませんが、今上昇に不足しているのが、その要素です。今後はどのような材料が出てくるかに着目しながら動向を見ていくと良いでしょう。

この記事は、独自の株トレンド指数を用いた分析レポートの一部です。すべての予測実績検証は過去の分析レポート一覧からご覧いただけます

▼ご注意▼
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2026/4/30(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。

最終的な投資判断について】

当記事は、特定の銘柄の売買を推奨するものではなく、情報提供を目的としています。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。当記事によって生じた損害等について、当社は一切の責任を負いかねます。