執筆者: 秋山大介|データ・アナリストプロフィール詳細
(独自の「株トレンド指数」を開発・運用。需給バランスに基づく分析で定評あり。)

日経平均株価 が再び続伸で高値更新しました。

依然として 地政学リスクは続いているものの、先週に続き期待感から小幅上昇を続け、日経平均株価は6万円が射程圏の水準まで上昇しています。

ただし、勢いのある上昇での到達ではないこともあり「そろそろ天井ではないか?」と心配になる部分もあるのではないでしょうか。

高値更新の好材料は続いているので6万円突破への期待と、全く反対にここで上昇が止まるのではないかと不安が入り乱れているのが投資家心理かもしれません。

この記事は、独自の株トレンド指数を用いた分析レポートの一部です。すべての予測実績検証は過去の分析レポート一覧からご覧いただけます

そこで今回も相場の動きを数値で見える化した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向や、来週の日経平均株価の動向や株式市場の見通しについて考えていきましょう。

日経平均株価の上昇ほど市場全体は盛り上がっていない?

こちらをご覧ください。こちらは4/9〜4/22の日経平均株価と株トレンド指数の状況です(株トレンド指数の算出ロジックと運用実績はこちら)。

【2026年4月第4週】市場動向と 日経平均株価 の変動
【2026年4月第3週】市場動向と 日経平均株価 の変動

株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。

天井指数|相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向を示す(目安:「170」付近)
底値指数|相場全体が底値に近づき適正株価まで回復する傾向を示す(目安:「220~420」付近)
押し目買い指数|押し目買い戦略が機能しやすい傾向を示す(目安:「30」に近い水準)
空売り指数|相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向を示す(目安:「50」付近)
>>株トレンド指数の算出ロジックと運用実績はこちら

日経平均高値更新も株式市場全体は上値が重たいまま

今週の株式市場も、日経平均株価と株式市場全体が連動しない「デカップリング(切り離し)状態」でした先週のデカップリング状態の詳細ははこちら)。

見かけ上の「高値更新」とは裏腹に、内部では激しい「指数の綱引き」が行われていました

日経平均が6万円を伺う動きを見せるも、独自の株トレンド指数では空売り指数(重し)と押し目買い指数(推進力)が同時に高水準を維持する珍しい均衡状態が続いています。

これが、数字ほど勢いを感じさせない「上値の重さ」の正体だと分析します。

一方で、株式市場全体は空売り指数の上昇ブレーキによって上昇が抑制された状態だったこともあり、日経平均株価の小幅上昇は連動している見方もできます。

また、ここが天井の可能性もあるので、ここから詳細を分析して判断していきましょう。

日経平均は再び高値更新も上昇勢いは乏しく

今週の日経平均株価は以下のような推移でした。

  • 【4/20】0.6%上昇 
  • 【4/21】0.89%上昇:5万9000円台回復
  • 【4/22】0.4%上昇:高値更新

今週の日経平均株価は、 地政学リスクは依然として残っていますが期待感から3日続伸し、先週に続き高値更新しました。

ただし、ここで冷静に見なければいけないのが「上昇勢い」です。3日とも1%以下の小幅上昇です。

5万9000円を回復し、再度高値更新したといっても勢いは乏しく、上昇過程で偶然到達した水準だと考えます。

日経平均株価も、3万円、4万円、5万円、そして6万円目前の水準までくると、同じ変動率でも値幅が大きくなります。

今週も1%未満の変動率ですが円単位では1000円以上上昇しています。もしこれが、3万円水準であれば値幅の動きは小さく、高値更新などはなかったでしょう。

4/22の高値更新は、相場のエネルギーによる「突破」というより、日経平均株価の「高水準ゆえの押し上げ」という側面が強いと分析します

6万円目前まで切り上がった今、わずか0.4%の変動でも、かつての3万円台における1%近い値幅に相当します。

つまり、今週の高値更新は「勢い」の結果ではなく、日経平均株価水準のベースアップによる「スライド到達」に近いものだと判断します

投資家が「そろそろ天井では?」と直感的に抱く不安は、このエネルギー不足を敏感に察知しているからだと言えるでしょう。

次は、今週の株トレンド指数の推移を見てみます。今週は以下のような推移でした。

  • 【4/20】空売り指数「45」押し目買い指数「22」高水準/ 天井指数「19」まで上昇
  • 【4/21】空売り指数「53」押し目買い指数「12」高水準/ 天井指数・水準維持
  • 【4/22】空売り指数「40」押し目買い指数「14」高水準/ 天井指数・水準維持

株トレンド指数を見ると、今週は空売り指数優位の状態が先週から続きました。さらに押し目買い指数の高水準維持も加わりました。

天井指数は20前後を維持し、勢いがない状態のまま小幅上昇を維持していたと判断します。

この状態が日経平均株価は小幅上昇しているが、株式市場全体は勢いがなく上昇ブレーキにつながっていると判断します。

そして、これが日経平均株価と株式市場全体を「デカップリング(切り離し)状態」にし、見方によっては連動しているとも捉えられる要因でした。

注目の異常値

ただし、ここで注目点があります。それが「押し目買い指数」の動向です。押し目買い指数は通常10にも届かず2桁に到達することが少ないです。

しかし、今週の押し目買い指数は4/20に異常値なほど上昇しましたが、4/21、4/22は次に押し目の動きがあることを示唆する水準にきています。

空売り指数で上昇ブレーキを掛けている一方で、押し目の動きを狙っているのが、今週の株式市場です。

押し目買い指数のセオリーでいけば、今週末に再上昇の可能性があると読み取れます。空売り指数のセオリーでいくと、どこかで跳ねるか、このまま沈静化すると読み取れます。

このように今週の株式市場は、日経平均株価だけでなく株トレンド指数もふまえると、日経平均株価の小幅上昇や勢い不足は株トレンド指数が示しています。

一方で、重しである空売り指数の水準や、再上昇を狙う押し目買い指数が機能すると、ここから勢い良く短期的に上昇するシナリオがあると分析できます。

地政学リスクが完全に沈静化していない状況ですが、株式市場はいよいよ動き出す目前のように見受けられます。

ただし、上昇にはダマシがつきものです。そのダマシの可能性を示すのが空売り指数の高水準維持状態です。

つまり、重しが外れ押し目の勢いが出ると更に上昇が期待できますが、重しが外れないままだと「ここが天井」だと分析します。

【分析】空売り指数が重しになり上昇できない展開

日経平均株価を基準に見ると、地政学リスクが残る中、ほぼ順調に上昇しています。地政学リスク発生前水準を上抜けしています。

ただし、前述の通り円単位での変動幅が小さいので、小幅上昇が重なった結果の上昇だと読み取れます。

もしこれが通常の上昇であれば、同じ変動率でも値幅が大きくグラフの傾きがもっと強くなります。それが見られないことからも、現状は勢い不足と判断します。

また、株トレンド指数を基準に見ると、上昇にブレーキを掛ける空売り指数の水準と押し目買い指数の水準が高いことが分かります。

株式市場全体は、上昇しようしようにも空売り指数が重しになっていると判断します。

ですが、押し目買い指数も同時に高水準を維持していますので、この2つの指数のどちらが主導権を握るか争っているようにも見えます。

つまり、次の展開はまだどちらになるか分からず、このまま上値が重たい状況が続くシナリオもあれば、押し目の動きになるシナリオもあると分析します。

【来週の予想レンジ】上値6万円~下値:5万6000円

このように今週の株式市場は期間を広げて見ても、日経平均株価は順調に上昇しているように見えますが、上値が重たい状況だと判断します。

ただ、だからと言って「ここが天井」と判断するのは「時期尚早」です。

このまま上値が重たい状態が継続すると天井の展開が見込まれますが、押し目買い指数が勝ると、もう少し上昇余地があると分析します。 

そこで来週の日経平均株価のレンジを予測すると、以下の範囲を推移すると分析します。

▼来週の日経平均株価の予想レンジ
上値:6万円~下値:5万6000円

先週から水準を上げました。ただし、これには2つの補足があります。

1つ目は、地政学リスクです。まだ地政学リスクが完全に沈静化したわけではありません。再燃があれば、下値は下がることを想定しておきましょう。

2つ目は、上値がこの目安をこえる可能性です。これまで何度かお伝えしてきた通り、日経平均株価がこの水準までくると、同じ1%の変動でも円単位の変動が大きくなります。

今週のように5万9000円半ば水準までくると、1%未満の上昇でも500円上昇してしまいます。

そうなると、この上値をこえることもありますので、上値は多少緩めにみておきましょう。

ただし、全体としては「上値の重たさ」が気になるところです。今は、次の展開で上昇するかどうか、もみ合いで検討中のような動きです。

前述の通り、ここで押し目買い指数が空売り指数に負けてしまうと、このもみ合いが結果的に「天井」を意味することになります。

反対に、押し目買い指数が空売り指数に勝てば、ここは通過点になります。

現時点では、どちらかの展開に絞らず、両面で見ていくのが良いでしょう。

【最新】投資主体別売買動向と需給バランス

補足としての日本株市場の根底部分である株式市場全体の最新の需給バランスも見ておきましょう。

まだ最新データが更新されていないので先週と同じデータですので「最新データ公開後に注目すべき変化点」についてお伝えします

外国人投資家:大きく買い越し → 大きく買い越しを維持(→)
個人投資家:小さく売り越し → 売り越し強よまる(↘)
日本の機関投資家:小さく買い越し → 小さく売り越し(↘)

『投資主体別売買動向 | 信用・手口 | トレーダーズ・ウェブ』をもとに筆者作成

最新週は、国内外の投資家でポジションが分かれました。この時点では外国人投資家が大規模買いをしていましたが、これから発表される最新データでは、それが止まっているかもしれません。

今週の日経平均株価の小幅な動きをふまえると、外国人投資家のポジションが小さくなり、全体としては均衡状態になっていると予測します。では、各投資家の詳細を見てみましょう。

外国人投資家は買い戻しから様子見中

外国人投資家は、2週連続大規模の買い越しが続きました。 直近で大規模だった2024年4月の規模よりも大きな水準が続いています。

これまで見てきた通り、外国人投資家は地政学リスクは終焉を迎え、次の展開に向けて準備しているように見受けられます。

ただ、この動きは日本株への期待ではなく、下落前の買い戻しだと予測します。買い戻してから様子見し、次の展開を狙おうとしていると考えます。

日経平均株価もそれに近い動きをしています。最新データでポジションが小さくなっていたら、今はちょうど様子見に入ったと判断できるでしょう。

個人投資家は利益確定売りが強まる

次は、個人投資家です。3週連続売り越しです 。個人投資家は日経平均株価が節目に到達すると利益確定売りが入り売り越しが強まる動きが見られます。

それを考慮すると、直近は日経平均株価が高値更新しているところですので利益確定売りによる売り越しになっていると予測します。

ただし、それは対規模ではなく直近のような売り越し幅だと想定します。

国内機関投資家はニュートラル状態に近づく

最後は、国内の機関投資家です。彼らは年間を通じてそれほど動きが見られません。

また、直近は下落前水準に回復したこともあり、ポートフォリオの入れ替えなどは積極的にせず、様子を見ているところだと予測します。

よって、最新データでもニュートラル前後で動いているのではないかと考えます。

国内外投資家の売買動向から見た来週の見通し

以上が三者の動向です。最新データではないので予測になってしまいますが、直近の三者の需給バランスは「均衡」に近い状態になっているのではないかと予測します。

日経平均株価も直近に上昇はしているものの小幅変動であることをふまえると、このような動きが想定されます。

そこから今後の展開を考えると、これまでの分析の通り、もみ合いの間は均衡状態が続くでしょう。

そこから、三者のうち誰かが大きくポジション転換するか、組み合わせで偏りがでてくると上下のどちらかに動き出すと予測します。

ただし、上下のどちらかはこれまでの分析や需給バランスの均衡予測をふまえると、まだ分かりません。

このように需給バランスも、次の展開がどちらになるか分からない状況です。どちらか一方に決めるのではなく、やはり2つのシナリオを想定するのが良いでしょう。

まとめ:来週の予想レンジともみ合い状態の注意点

このように今週の株式市場は、需給バランスの予測を考慮しても次の展開が予測できない状況です。

そういった背景を踏まえて、来週の日経平均株価のレンジを予測するとこのようになります。

▼来週の日経平均株価の予想レンジ
上値:6万円~下値:5万6000円

先週から水準を上げました。このレンジ設定には「指数の決着」という視点を含めています

  • 押し目買い指数が勝利: 空売り指数の重しを突破し、心理的節目である6万円時代へ一時的に突入
  • 空売り指数が勝利: 現水準が「目先の天井」になり、地政学リスクの再燃があれば5万6000円水準まで調整

現時点ではどちらのパワーも拮抗しています。週明けも「もみ合い」が続く可能性が高いでしょう。安易に方向性を決め打ちせず、この均衡がどちらに崩れるかを見極める局面が今だと分析します。

判断が難しい局面ではありますが、このような目安を元に、どのシナリオに進むか冷静に見ていきましょう。

そして、そのシナリオにも対応できる準備を進め、いざ動き出したらその波に乗れるようにしていきましょう。

この記事は、独自の株トレンド指数を用いた分析レポートの一部です。すべての予測実績検証は過去の分析レポート一覧からご覧いただけます

▼ご注意▼
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2026/4/22(水)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。

最終的な投資判断について】

当記事は、特定の銘柄の売買を推奨するものではなく、情報提供を目的としています。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。当記事によって生じた損害等について、当社は一切の責任を負いかねます。