日経平均株価が再び3万9000円を割りました。
5日連続で3万9000円台を維持していましたが、2/20の1.2%の下落により再び3万8000円台に突入です。
今週は横ばい状態から下落幅は小さいものの、2/20の下落でやや急降下した印象もあるかもしれません。
また悲観的になるような下落水準ではありませんが、3万9000円前後を右往左往していることもあり、引き続き「次の展開が全く読めない状況」が続いています。
このような中、来週の日経平均株価はどのように動くことが予想されるのでしょうか。
そこで今回も「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向や、今後の動向について考えていきましょう。
今週の株式市場動向
こちらをご覧ください。こちらは2/6〜2/20の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。

株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。
・天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
・底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
・押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
・空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
これらの指数をふまえると今週の株式市場は、先週から変化し日経平均株価と株式市場全体が”あまり連動していない週”でした。
どちらかと言えば、日経平均株価と株式市場全体の動きに”差異”が生じた週だったと考えられます。
詳細を見てみましょう。週初め2/17は日経平均株価は0.06%の上昇ですので、ほぼ変動なしでした。
これだけ見ると、先週末から変動がないことは分かりますが、株式市場全体がどうなっているかは判断できなかったでしょう。
株トレンド指数を見ると、上昇傾向を示す天井指数が先週末2/14よりもわずかに上昇しています。ここから日経平均株価で見た単なる横ばいではなく「上昇勢いを維持したまま」の横ばいであることが分かります。
ただし、同時に上昇へのブレーキを掛ける空売り指数も上昇したことで、ややその上昇の勢いが押されつつあることも分かります。
2/18は日経平均株価が0.25%上昇しましたが、前日同様ほぼ横ばい状態の変動なしでした。
株トレンド指数を見ると、引き続き上昇傾向を示す天井指数の水準は前日に近く、空売り指数も同様の状況が続いています。
ここから、この2/18も日経平均株価だけでは単なる横ばいですが、株式市場全体は上昇の勢いを維持したまま推移していることが分かります。
また、こちらも同様に上昇にブレーキを掛ける空売り指数も水準をほぼ保ちましたので、やや上昇の勢いが押されつつあることが分かります。
2/19は日経平均株価が0.27%下落しました。1%未満の小幅下落ですので、こちらも前日同様ほぼ横ばい状態で変動なしだと読み取れます。
しかし、ここで株トレンド指数との差異がやや出てきました。株トレンド指数を見ると、上昇傾向を示す天井指数がわずかではありますが水準を上げました。
そして上昇にブレーキを掛ける空売り指数の水準が天井指数より小さくなったことで、上昇へのブレーキがなくなりはじめました。
これにより引き続き、日経平均株価は横ばい状態だが、株式市場全体は上昇勢いを保っていることが分かります。
2/20は日経平均株価が1.24%下落し、これまで維持していた3万9000円台を割り込みました。ただし、まだ小幅下落にとどまっていますので、下落とも判断できない状況です。
これに対して、株トレンド指数はこれまで上昇勢いを保っていた状況から、少々変化が起きています。
これまで上昇傾向を示す天井指数の水準が20以上を保っていましたが、ここで14まで減少しました。それに反比例するように下落傾向を示す底値指数の水準も上がってきました。
そして、この日に特筆すべきなのが「押し目買い指数」です。同日に限らず今週の押し目買い指数は10前後の水準を保っています。
それを考慮すると、2/20に上昇勢いがなくなりつつあるようにも見えますが、ここから再上昇を狙っているように見受けられます。
2/21の株式市場の動き次第でもありますが、この押し目買い指数の動きを見る限り、2/20は失速する合図ではなく、また上昇の勢いを取り戻す過程だとも考えられます。
このように今週は日経平均株価を見ると、横ばいから小幅下落したので、ほぼ横ばいと捉えるか、感覚的に横ばいから下落したという印象かもしれません。
しかし、株トレンド指数を見ると株式市場全体は、まだ上昇の勢いを残していて、再上昇を狙う動きをしているようにも見えます。
もし、この両者の動きが来週も続くと、日経平均株価の動きでは予想できない株式市場全体の動きがあるでしょう。
もしくは、来週に株式市場全体に明確に上昇の動きが出てくれば、日経平均株価に連動することも予想されます。
いずれにしても、来週の株式市場も日経平均株価だけでは予想が難しい状況が続くことが想定されますので、引き続き株トレンド指数で株式市場全体の実態を掴むようにしたほうがよいでしょう。
日本株来週の見通しは?
日経平均株価を基準に見ると、引き続き約2ヶ月間変わり映えしない状況です。2/20の小幅下落で3万8000円台に突入しましたが、この期間で見ると変化がほとんどないことが分かります。
よって、引き続きボックス圏の範囲は先週同様「上値:4万円・下値:38,500円前後」で考えて良いでしょう。
そのようなこともありますので、2/20の小幅下落はボックス圏の下値に向かった動きであり、ボックス圏を下抜けするような動きではないことも分かります。
そして、このように期間を広げて見ると、現状の日本株は引き続き崩れにくく底堅い状況だと考えても良いでしょう。
対して、株トレンド指数を見ると、上昇の勢いは今週後半から落ちてきてはいるものの、まだその勢いがなくなっていないことが分かります。
押し目買い指数の水準も、この2ヶ月間の中では高いほうなので、再上昇の可能性も十分に考えられます。
なお、先週の段階で今週は上昇する期待がありました。その分岐点になりそうだったのが今週でした。
ですが、まだその分岐点がきていないように見受けられます。前述の通り、まだ株式市場全体には上昇勢いが残っています。これがなくならない限りダマシとは判断できないでしょう。
日経平均株価だけを見ると、ほぼ横ばい状態なのでそもそも上昇の可能性があることも読み取れないうえ、どちらかと言えば失速の判断かもしれません。
しかし、株トレンド指数を見る限り、失速と言い切れるほど上昇勢いは途切れておらず、上昇とダマシの判断は、まだ先になると考えられます。
ポイントは、ここから天井指数が10を下回る水準など、そういった水準が定着するかでしょう。定着するとダマシであることが確定します。
一方、そうなることなく今週のような水準が続けば、先延ばしになる可能性もあるものの、本格的な上昇トレンドの発生の期待は消えずに残るでしょう。
ぜひ、そういった視点を持ちながら、来週の株式市場を見つつ、日経平均株価の予想をしていくと良いかもしれません。
需給バランスから見た来週の見通しは?
補足としての日本株市場の根底部分である株式市場全体の需給バランスも見ておきましょう。先週と同じデータですが、需給バランスは、以下の通りでした。
・外国人投資家:売り越し → わずかに買い越しに変化
・個人投資家:買い越し → わずかに売り越しに変化
・日本の機関投資家:買い越し → わずかに買い越し変化
三者をまとめると全体の需給バランスは「ほぼ中立」です。タイムラグがあるデータではありますが、このバランスを見る限り、引き続き日本株の下地は「中立」状態になっています。
先週時点では、需給バランスが偏りはじめていました。そのまま偏ることでトレンドが発生するのではないかと思われましたが、ここにきて再び中立に戻りました。
ただし、この中立も株トレンド指数の状況と複合して考えれば「上昇の勢いを保った中立」だと考えられます。
完全に次の展開が読みにくい中立ではなく、そういった状況での中立であることをふまえると、次にどの投資家が買い越しに転じるかがポイントになるかもしれません。
これまであまりありませんでしたが、来週はこの需給バランスと株トレンド指数を複合的に見ていくと、より状況を鮮明に捉えることができるかもしれません。
このように今週の日本株市場は、再上昇の可能性がありつつも、いったん落ち着く動きを見せています。
しかしながら、押し目買い指数を見る限りでは、ジャンプの前にかがんでいる状況にも見えます。
いずれにしても、ここで失速したわけではなく、いったん完全に方向感なしに戻るか、再上昇を狙うかの分岐点になるのが来週の株式市場になると考えられます。
数週間、そういった分岐点が続いていますが、このように連日ある程度のトレンドが発生するのは、本当に久しぶりの状況です。
ある程度のトレンドがあることで、次の展開のシナリオも複数予想できる状況ですので、ぜひこのようなデータをもとに、来週の株式市場の動向を見ていきましょう。