日経平均株価が3日続伸で3万7000円台に回復しました。
先週時点ではボックス圏の下値付近で下げ止まり、下抜けすることなく維持していましたが、そこから今度は上昇です。
ただし、その上昇は先週時点での分析の通り株式市場を牽引するような上昇ではなく、小幅上昇にとどまっています。
そのまま下抜けしなかったのは良いことですが、まだ上昇の勢いが小さいことから、何とももどかしい状況が続いています。
これがボックス圏特有の動きと言えばそうなりますが、そうは言ってもこのボックス圏の推移は方向感がつかみにくく難しいです。
日経平均株価は再びボックス圏の中心付近まで上昇してきましたが、次はボックス圏のどちらの方向へ進むのでしょうか?
そこで今回も「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向や、今後の動向について考えていきましょう。
今週の株式市場動向
こちらをご覧ください。こちらは3/6〜3/19の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。

株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。
・天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
・底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
・押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
・空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
今週は日数が少ないので参考データにはなりますが、これらの指数をふまえると今週の株式市場は、先週から変化し日経平均株価と株式市場全体が”連動している週”でした。
日経平均株価と株式市場全体が連動し、両者とも上昇傾向にあったのが今週でした。この点を考慮すると、今週は日経平均株価を基準に相場分析しても、致命的になるような差異はなかったと考えられます。
また、上のグラフの通り、先週までは日経平均株価が下落し、ボックス圏の下値付近にとどまっていましたが、その流れが週末3/14で切れたことが分かります。
この日を起点に今週の上昇が始まったと考えられます。一方で、注意点もあります。それは、まだこの上昇は本格的な上昇トレンドではないということです。
日経平均株価も小幅上昇、株トレンド指数もそれほど水準が上がっていないので錯覚する可能性は低いですが、そのような注意点があります。
日経平均株価3/14からの3日続伸で約1000円上昇しましたが、上昇幅は約2.8%にとどまっています。
また、株トレンド指数も上昇傾向を示す天井指数が昨年11月以来の水準まで上昇していますが、これは一時的な上昇であり、本格的な上昇トレンドとは違います。
結果的に、この上昇はボックス圏の下値付近まで下がった株式市場を、今度はボックス圏の中心に戻す上昇だったと読み取れます。
以上をふまえて改めて詳細を見てみましょう。週初め3/17は先週末の流れのまま小さな上昇傾向に入りました。
日経平均株価は小幅上昇、上昇傾向を示す天井指数も11月以来の水準まで上昇しました。強いて言うなら、日経平均株価だけを基準に相場分析すると、週初めから差異が生じた可能性もあります。
なぜなら、日経平均株価は1%未満の上昇でしたが、天井指数は昨年11月以来の水準まで上昇したからです。
おそらく、日経平均株価だけを見ると、単なる小幅上昇と感じたでしょう。しかし、天井指数もふまえて複合的に見ると、株式市場全体が小幅上昇よりも上昇していることが分かります。
視点を変えると、日経平均株価の採用銘柄はそれほど上昇しなかったが、それ以外の銘柄はそれ以上に上昇し始めたタイミングだと考えられます。
週単位で見ると、どちらを基準に相場分析しても差異がないように見えますが、場合によってはこの週初めの捉え方が週末まで差異となって出てきた一面もあったかもしれません。
続いて3/18も日経平均株価は1.2%程度上昇しましたが、天井指数は昨年11月以来の水準まで更に上昇しました。
3/19は日経平均株価は1%未満下落しましたが、天井指数は引き続き直近の中では高い水準を維持しました。
このように今週は、週単位で見ると日経平均株価を見ても、株トレンド指数を見ても「本格的な上昇トレンドではないが上昇した」という一言になるでしょう。
だから、両者のどちらを基準にしても差異は生じませんでした。しかし、細部を見ると、日経平均株価が小幅変動が続いたのに対し、株式市場はそこそこ上昇している状況でした。
本格的な上昇トレンドではないので致命的な差異にはなりませんが、一時はズルズルと下落していただけに、株式市場への視点が変わったでしょう。
日経平均株価だけを見れば「なんとか上昇してきたが、やや悲観さが残る」、株トレンド指数も見れば「本格的な上昇トレンドではないものの、悲観的な状況から脱した」といったところでしょう。
このように実売買に影響はありませんが、今後の見通しをするうえでポジティブに見るか、ネガティブに見るかが、どちらの指標を使うかで分岐点になったとも言えます。
日本株来週の見通しは?
日経平均株価を基準に見ると、今週の上昇で持ち直してきていることが分かります。ただし、2月上旬までの水準から下降しているので、ボックス圏の水準が下がっているようにも見えるかもしれません。
ただし、それはそう見えるだけで、再び3万8000円まで上昇しようとしている動きもありますので、数字的に考えると引き続きボックス圏の範囲「上値:3万9000円付近・下値:37,000円前後」を維持していると考えられます。
また、今週の動きにより先週時点では下落が続くようにも見えた動きが止まり、新たな展開に向かいそうにも見えます。
対して、株トレンド指数を見ると、天井指数の水準は昨年11月以来ではありますが、この2月間でも大きく目立っていることが分かります。
ただし、まだ株式市場全体を牽引するような天井指数の水準ではないことも分かります。あくまで、この2ヶ月間の中では水準が上がり、これにより株式市場全体がボックス圏の中心に向かったと考えられます。
このように両者を見ると、明確なことは「引き続き同じボックス圏を推移していること」です。
先週時点でボックス圏の下値付近でギリギリとどまっていることが分かりましたが、ややリスクを感じるところもありました。
そういったことをふまえると、ここからはボックス圏の中心に向かって動き出すと考えられます。日経平均株価で考えると、3万8000円前半が目安になってくると思われます。
そして、その後はこの中心付近を方向感なく推移し、再びボックス圏の上値か下値のどちらかに向かって動き出すと予想されます。
一言でいえば、ボックス圏特有の「方向感のない動き」ではありますが、その中での動きは、このような展開になることが予想されるでしょう。
需給バランスから見た来週の見通しは?
最新データが更新されていないので先週と同じデータにはなりますが、補足としての日本株市場の根底部分である株式市場全体の需給バランスも見ておきましょう。需給バランスは以下の通りでした。
・外国人投資家:売り越し → わずかに売り越しに変化(↗)
・個人投資家:買い越し → 売り越しに変化(↘)
・日本の機関投資家:わずかに買い越し → 大きく買い越しに変化(↗)

三者をまとめると全体の需給バランスは以下のグラフのように「やや買い優勢」もしくは「わずかに売り優勢」です。タイムラグがあるデータではありますが、このバランスを見る限り日本株の下地は「多少買い気味の中立」に近い状態を維持しています。
また、前週データと比較すると、前週のほうがより中立に近いことが分かります。それを考慮すると、株式市場全体はやや上昇しようとしていることが分かります。
結果論にはなりますが、このやや上昇しようとしている動きが、今週の上昇になったとも考えられます。
需給バランスが中立に近いこともあり、本格的な上昇トレンドになることはなく、ボックス圏の中心付近に向かう上昇にとどまっていると考えられます。
もちろん、これは最新データではないので、予測の範囲内ですが、現状の需給バランスが買いか売りのどちらかに偏らない限りは、ボックス圏の中心をウロウロしそうです。
なお、ここから一つだけ予測不能なことがあります。それが外国人投資家の動きです。このグラフの前週データでは明確に売り越しました。そして、グラフ上の最新データでは小さく売り越しています。
この動きと米国の動きを踏まえると、今は米国大統領の方針で色々なことが大きく変わるタイミングなので、リスク回避を目的にポジションを整理している可能性があります。
そうなると、いったんポジションをなくしたものの、どこかのタイミングで一気にポジションを持ち始める可能性もあります。
そうなると、ボックス圏を一時的に上抜けし、再び日経平均株価が4万円台になることも予想されます。
どのタイミングでそうなるかは分かりませんが、外国人投資家の動きが今は消極的になっていることは、この需給バランスからも分かります。
ただし、それは日本株が理由ではなく、米国が理由だと考えられます。株トレンド指数には現れない部分ですが、この需給バランスではこういった点も見ておくと良いでしょう。
ワンポイントアドバイス
このように今週の株式市場は、先週までの流れが止まり、大きな上昇ではないものの、再びボックス圏の中心に向かって上昇する動きを見せました。
勢いが不足しているのは寂しいですが、先週までの悲観的な部分がなくなったのは良い材料でしょう。
こうなると、次の展開は前述の通り、ボックス圏の中心付近である日経平均株価3万8000円前半にいつたどり着くかがポイントでしょう。
この水準に到達すると、いったん株式市場全体が落ち着き、この付近を方向感なく推移すると予想されます。
視点を変えると、外国人投資家が再び買い越しにならない限り、本格的なトレンドの発生はないと考えられます。
個人投資家と日本の機関投資家だけでは、そこまでの勢いを作ることができません。
そういった背景もありますので、ここからは少し前のようにしばらく方向感のない展開が続くと考えるのが良いでしょう。
そして、もし株価が大きく動くとしたら、まず外国人投資家が動き出し、それに追随して個人投資家や日本の機関投資家が動き出したときでしょう。
ただし、それもすぐには起きるような状況ではありません。むしろ、いったんボックス圏の中心付近に戻ったあとは、再び下値付近へ動くこともあれば、上値付近へ動き出すこともあります。
引き続きボックス圏特有の動きからは抜け出せない状況が続いていますので、その点を考慮しながら、株式市場の動向を見ていきましょう。
▼ご注意▼
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2025/3/19(水)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。