執筆者: 秋山大介|データ・アナリスト| プロフィール詳細
(独自の「株トレンド指数」を開発・運用。需給バランスに基づく分析で定評あり。)
1/14に5万4000円の大台を突破し昨年来高値を更新した 日経平均株価 。
その後は「5日続落」し、一時5万2000円台まで押し戻されました。
1/22に再上昇したものの、「このまま天井を打ったのか?」と不安を感じる投資家も多いかもしれません。しかし、独自の「株トレンド指数」を分析すると、意外な事実が見えてきました。
日経平均の動きとは裏腹に、株式市場全体は「再上昇の準備」を整えています。 今回は、来週の予想レンジに加え、2025年10月の上昇時と酷似している「最新の需給バランス」から、今後の展望を詳しく解説します。
【株トレンド指数分析】「株式市場全体」は押し目の準備に入る
こちらをご覧ください。こちらは1/8〜1/22の日経平均株価と株トレンド指数の状況です(株トレンド指数の算出ロジックと運用実績はこちら)。

株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。
・天井指数|相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向を示す(目安:「170」付近)
・底値指数|相場全体が底値に近づき適正株価まで回復する傾向を示す(目安:「220~420」付近)
・押し目買い指数|押し目買い戦略が機能しやすい傾向を示す(目安:「30」に近い水準)
・空売り指数|相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向を示す(目安:「50」付近)
>>株トレンド指数の算出ロジックと運用実績はこちら
日経平均は勢い落ちるも市場全体は再上昇を伺う展開
今週の株式市場は、日経平均株価と株式市場全体が”あまり連動していない週”でした。
なぜなら、日経平均株価は続落から上昇したこともあり水平状態でしたが、株式市場全体は押し目買いの動きを狙った動きをしていたからです。
先週は日経平均株価も株式市場全体も上昇しました。ただし、日経平均株価の上昇勢いよりも、株式市場全体の上昇勢いが大きかったと判断します。
そこから今週に入り両者とも勢いがなくなり上昇が止まったように見えます。しかし、株式市場全体は、押し目買い指数を見る限り、再上昇の機会を狙っていると分析します。
ここが日経平均株価だけでは読み取れない今週の重要ポイントだと考えます。
高値圏での「ブレーキ」と今後の期待
では、この背景をふまえて詳細を見てみましょう。今週の日経平均株価は以下のような推移でした。
- 【1/19】0.65%下落
- 【1/20】1.11%下落
- 【1/21】0.41%下落(5日続落)
- 【1/22】1.73%上昇
今週の日経平均株価は先週末からの下落勢いが続き、週の半ばまで続落しました。1/22にようやく上昇したことで下落が止まり、株価水準も上がりました。
先週末から5日続落しましたが、ネガティブになるほどの下落には至っていません。今週だけ見ると、昨年来高値更新まで上昇した影響から調整に入っていると分析します。
よって、今週は続落はあったものの、引き続き高値圏を推移していますので、全体は好調に推移していると判断します。
次は、今週の株トレンド指数の推移を見てみます。今週は以下のような推移でした。
- 【1/19】上昇傾向を示す天井指数が125から「60」まで下がる・空売り指数「64」水準
- 【1/20】空売り指数が天井指数の水準を上回る・押し目買い指数「19」まで上昇
- 【1/21】空売り指数が天井指数の水準を上回るを維持・押し目買い指数「30」まで上昇
- 【1/22】天井指数「52」まで再上昇・押し目買い指数「高水準」を維持
今週の株式市場全体は、まさに「押し目買いの前兆」と分析します。
注目すべきは、週半ばに「押し目買い指数」が節目となる30に到達したことです。これは、株価が一時的な調整を経て、再び買い場を探っている投資家が多く存在することを示唆しています。
特に今回は「空売り指数」が「天井指数」を上回るという例外的な動きも見られました。これは来週以降の強い反発を後押しする要因になると分析しています。
このような動きを考慮すると、今週の株式市場は日経平均株価の推移と違い「株式市場全体が押し目買いの動きをする前兆」と判断できます。
【来週の予想】日経平均株価の予想レンジ(55,000円~48,000円)
では、直近2ヶ月間の状況もふまえて、現状をより詳しく見てみましょう。
日経平均株価を基準に見ると、明確な上抜けとは言えませんが、昨年までのボックス圏を上抜けしていると判断する手前まできています。
上抜けと判断しても良いかもしれませんが、まだ上昇勢いが不足しています。
大発会から見ても「6.61%」の上昇にとどまっています。押し目の動きをする予測はあるものの、今週も水平状態に近い動きをしてます。
これらを勘案すると、上抜けの手前には来ているが上抜けはしてないと判断するのが妥当でしょう。あくまで、一時的にボックス圏の水準が上がったと判断します。
よって、日経平均株価のボックス圏の範囲は、急上昇時の上値誤差も含めると「上値:5万5000円~下値:4万8000円」と上下ともに1000円上げました。
下値の目安を4万8,000円に据えたのは、ここが昨年から抵抗線だと判断するからです。仮に衆議院選挙等の外部要因で急落したとしても、この水準での反発が想定されます。
ただし、難しいのが上値の目安です。5万5000円まで上げましたが、この水準までくると同じ1%でも円単位での変動が大きくなります。
それを考慮すると、株価水準が上がるほど、上値にはカンタンに到達しやすくなります。もしくは、突発的な上昇があると想定以上に上昇することもあります。
今後の上値については、目安があるとはいえ、ちょっとしたきっかけで超えてしまうことを想定しておくと良いでしょう。
なお、もし超えた場合ですが、先週の動きのように一時期に目安を突破するものの、また戻ることが想定されます。
株トレンド指数を見ると日経平均株価の推移とは違って、短期的な上昇トレンドが発生していると読み取れます。
天井指数がここまで上昇するのはアベノミクス以来です。その点をふまえると、日経平均株価は上抜けの勢いを見せていませんが、株式市場全体は上抜けの動きを見せています。
また、週単位でも分析した通り、今週はこの2ヶ月間の中でも明確に押し目買い指数の水準が上がっています。
その前に天井指数が大きく上昇していることから、やはり今週は上昇過程の中での一時的に下落し再上昇する過程であると分析します。
来週の日経平均株価の予想シナリオとレンジ
このように今週の株式市場は、日経平均株価は上抜け手前であるもの、株式市場全体はいったん上抜けしていることが分かります。
ただし、日経平均株価も引き続き高値圏を推移していることから、株式市場全体の押し目買いの動きに乗り、ここから完全に上抜けすることが想定されます。
そのような状況をふまえて、改めてそのボックス圏の範囲を改めて整理すると、日経平均株価は誤差を含めて以下の範囲を推移すると分析します。
▼来週の日経平均株価の予想レンジ
上値:5万5000円~下値:4万8000円
引き続き、強気な水準です。5日続落など先週から今週にかけて日経平均株価の動きを見ると多少弱気になる部分もあるでしょう。
ですが、株トレンド指数が示す通り株式市場全体は再上昇に向かう準備をしています。
もしここで押し目買い指数が発生しなければ、ダマシの可能性が高いでしょう。今回は、そのような状況ではないので、再上昇を期待し強気で見ています。
なお、一つ不安なのが今後控えている衆議院選挙です。実際は分かりませんが、ニュースを見る限り結果を見てみないと何も分からない状況です。
今は期待感で株式市場全体が動いていると思いますが、万が一期待とは違う結果になると暴落や下落トレンドも想定されます。
強気でありつつも、このような万が一のリスクを念頭に起きながら、引き続き日経平均株価や株式市場を見ていくことをおすすめします。
最新の需給バランス:2025年10月の再来?
※前回の高市政権誕生への期待感で上昇した時期との比較
補足としての日本株市場の根底部分である株式市場全体の最新の需給バランスも見ておきましょう。
・外国人投資家:大きく買い越し → 買い越し水準が下がる(↘)
・個人投資家:売り越し → やや売り越し拡大(↘)
・日本の機関投資家:わずかに買い越し → 売り越し転換(↘)

最終週の需給バランスは、それなりの需給はありましたが全体としては「均衡」でした。
大まかには国内外の投資家が違う動きをしていました。外国人投資家は買い、国内の投資家は売りです。
また、1月1週を含め外国人投資家の動きがとても活発化していることが分かります。1月前半は国内の投資家よりも外国人投資家で株式市場が動いたと考えます。
外国人投資家の動きとその示唆
外国人投資家は、1月1週と比較して買い越しの水準は下がったものの2025年10月以来の買い越し水準です。
このときは、ちょうど自民党総裁選の直前でした。高市総理への期待感からか大きく買い越しに回りました。
今回も状況は似ています。これから衆議院選挙を控え、与党が勝利すれば高市政権が続きます。
国内では様々な報道がありますが、国外の投資家はこの動きからも高市政権が続くことを期待しているのでしょう。
なお、前回の2025年10月は「期待で買う」などの言葉の通り、総裁選前は外国人投資家が大きく買い越しに回りましたが、結果が出ると通常の買い越し水準に戻りました。
今の動きが類似していることをふまえると、今週までは大きな買い越しを維持しますが、それ以降は通常の水準で売り買いすることが想定されます。
個人投資家の傾向と注意点
次は、私たち個人投資家です。1月1週からそれほど水準は変わらず売り越しを維持しました。
ここで気になるのは外国人投資家と反対の動きをしていることです。2025年10月のときも、同じ買い越しであっても水準が全く違っていたり、反対の動きをしていました。
日経平均株価は、個人投資家の動きとは反対に上昇していきました。日経平均株価と株式市場全体に必ずしも連動性はないものの、個人投資家は波に乗れなかった可能性があります。
その点をふまえると、ここから衆議院選挙の結果が出るまでは、できるだけ周囲の個人投資家の波に乗らないほうが良いかもしれません。
日本の機関投資家の今後
最後に日本の機関投資家です。1月1週はわずかに買い越しでしたが、最新週は売り越しに転換しました。
日本の機関投資家は年間を通じて、それほど大きく売り越しや買い越しにはならないので、通常運行といえば、それまでかもしれません。
ちなみに、2025年10月は外国人投資家の売り越しポジションとは違い、売り越しを維持していました。
そして、時間差で比較的大きな買い越しに転換し、再び通常運行の水準で売り越しと買い越しを繰り返す動きをしていました。
その点をふまえると、積極的な動きはないと考えられますが、どちらかと言えば売り越しが続く可能性が高いでしょう。
国内外投資家の売買動向から見た来週の見通し
以上が三者の動向です。全体としては外国人投資家が大きく買い越し、国内投資家が売り越しということもあり、均衡しています。
最終週のときは日経平均株価が一時停滞していたときなので、この需給バランスが影響していたと考えます。
そして、気になるのが今後の需給バランスです。まだ一度だけなので確定できる話ではありませんが、2025年10月の三者の動きを見る限り、外国人投資家は高市政権に期待して買い越しを維持しそうです。
ただし、これまで大きく買い越しをしているので、再び1月1週のような水準には届かないと予測します。
しかしながら、それなりの買い越しを維持するでしょう。これに対して、国内投資家は様々な報道を目にすることもあり、積極的な動きはできないと予測します。
こうなると、衆議院選挙が終わるまでは引き続き、今のような状態が続くでしょう。
一方で、これまでの分析の通り株式市場全体は押し目買いの動きを控えていると判断します。
需給バランスとこの押し目買いの動きをふまえると、ここから発生する再上昇は、先週を上回るものではなく、先週と同じくらいの水準になると再分析します。
まとめ:高値圏での「加速スピード」に備える
このように今週の株式市場は、日経平均株価の昨年来高値更新から5日続落がありましたが、引き続き高値圏を推移しています。
また繰り返しお伝えした通り、今週の上昇の失速はネガティブなものではなく、押し目買いの動きをする前兆だと判断します。
一方で、需給バランスの通り衆議院選挙を控え、外国人投資家は買い越し、国内投資家は様子見の売り越しになりそうです。
それをふまえると週明けの株式市場はすぐに上昇するかまでは分かりませんが、引き続き上昇勢いが途切れることなく、再上昇を狙う展開になると分析します。
また、来週の日経平均株価の範囲は以下のように推移すると判断します。
▼来週の日経平均株価の予想レンジ
上値:5万5000円~下値:4万8000円
直近は比較的強気で見ることができるので、下値はあまり気にせず、上値がどうなるかに比重を置いて良いかもしれません。
特に、この5万4000円に到達するような「5万円相場」になると更に円単位での変動スピードが加速し、1000円以上の変動も十分に考えられます。
その点をふまえると、上値は誤差も含めて見ていますが、一時的に目安を超えることが想定されます。
しかし、それは一時的なものであり、基本的には数日で目安の範囲内に戻る動きをするでしょう。
繰り返しになりますが、その裏には円単位の大きな変動があります。日経平均株価5万円台は、変動率もあわせて読み取り、円単位での動きで状況を見誤らないように注意していきましょう。
この記事は、独自の株トレンド指数を用いた分析レポートの一部です。すべての予測実績検証は過去の分析レポート一覧からご覧いただけます。
▼ご注意▼
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2026/1/22(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
当記事は、特定の銘柄の売買を推奨するものではなく、情報提供を目的としています。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。当記事によって生じた損害等について、当社は一切の責任を負いかねます。


