執筆者: 秋山大介|データ・アナリストプロフィール詳細
(独自の「株トレンド指数」を開発・運用。需給バランスに基づく分析で定評あり。)

日経平均株価 は、節目となる5万3000円の高値圏を維持しながらも、足元では方向感の乏しい「足踏み状態」が続いています。

週初め1/26に1.79%の下落があったものの、その後は連日1%未満の狭いレンジでの推移となりました。

目前に迫った衆議院選挙を控え、株式市場全体が強い「様子見ムード」に包まれていることが伺えます。

2月相場を目前に控え、日本株はこのまま膠着状態を続けるのか、あるいは爆発的な再上昇へのエネルギーを溜めているのか?あなたも判断に迷う時期ではないでしょうか。

そこで今回も相場の動きを数値で見える化した「株トレンド指数」をもとに、今週の振り返りと来週の予想レンジ、そして国内外投資家の最新需給バランスから今後の展望を詳しく解説します。

【株トレンド指数分析】日経平均は「横ばい」でも市場内部は「再上昇」を準備

こちらをご覧ください。こちらは1/16〜1/29の日経平均株価と株トレンド指数の状況です(株トレンド指数の算出ロジックと運用実績はこちら)。

【2026年1月第4週】市場動向と 日経平均株価 の変動
【2026年1月第4週】市場動向と 日経平均株価 の変動

株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。

天井指数|相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向を示す(目安:「170」付近)
底値指数|相場全体が底値に近づき適正株価まで回復する傾向を示す(目安:「220~420」付近)
押し目買い指数|押し目買い戦略が機能しやすい傾向を示す(目安:「30」に近い水準)
空売り指数|相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向を示す(目安:「50」付近)
>>株トレンド指数の算出ロジックと運用実績はこちら

日経平均だけでは見えない、市場全体の“溜め”の動き

今週の株式市場は、日経平均株価と株式市場全体が”連動していない週”でした。

日経平均株価が水平状態に近く、株式市場全体は動きがバラバラで複雑な動きを見せていました。これまで長期間データ分析を続けてきましたが、今週のような状況はとても珍しいです。

注目すべきは、先週から引き続き「押し目買い指数」が異例の高水準を維持している点です。

一部メディアでは、この日経平均株価の水平状態から「株式市場は現政権を評価していない」などの内容も見られました。

しかし、データが示す現実は異なります。独自の分析によれば、衆議院選挙で極端な政権交代などのサプライズがない限り、市場全体は虎視眈々と「再上昇」を狙っていると判断します。

この「上昇へのエネルギーの溜め」こそが、日経平均の表面的な動きだけでは読み取れない今週の最重要ポイントです。

高値圏で「停滞」の裏に潜むポジティブな兆候

では、この背景をふまえて詳細を見てみましょう。今週の日経平均株価は以下のような推移でした。

  • 【1/26】1.79%下落
  • 【1/27】0.85%上昇
  • 【1/28】0.05%上昇
  • 【1/29】0.03%上昇

今週の日経平均株価は週初めは1.79%下落し、5万3000円を割りました。しかし、そこから3日続伸で約1%上昇し、再び5万3000円台を回復しました。

ただし、全体を見ると週初めに約2%の変動があっただけで、それ以降は1%未満の変動にとどまり、ほとんど株価が動いていません。

高値圏を維持しながら推移していますが、停滞しているのが今週でした。

次は、今週の株トレンド指数の推移を見てみます。今週は以下のような推移でした。

  • 【1/26】押し目買い指数9から「24」まで上昇
  • 【1/27】天井指数7から「21」まで上昇・押し目買い指数24から「13」まで下落
  • 【1/28】天井指数、押し目買い指数ともに、ほぼ同準を維持
  • 【1/29】天井指数19から「30」まで再上昇・押し目買い指数14から「18」に上昇

今週の株式市場全体も、まさに「押し目買いの前兆」と分析します。全体として先週よりも押し目買い指数の水準は下がっています。

しかし、押し目買い指数は、通常10にも届きません。それが今週は最も小さくても13と10以上の水準を維持しています。

一方で、先週から押し目買い指数の高水準が続いていることをふまえると、イレギュラーな動きになり、少しずつ沈静化する傾向もあります。

その点をふまえると、現状はそれに該当しそうに見えます。ですが、現在はデータ分析外の情報にはなりますが「衆議院選挙」を控えています。

前回の参議院選挙のときも同様でしたが、ネガティブなサプライズがない限り、株式市場は与党が順当に進むことを織り込んでいるように見受けられます。

ただ、万が一のことがないとは言い切れない状況ですので、株式市場は「順当な結果になり再上昇を期待しているが、様子見している」と考えます。

この再上昇の期待が、先週と今週の押し目買い指数が高水準に推移していることを現しているのだと判断します。

来週、この流れが途切れないとは言えませんが、もしこのまま来週も押し目買い指数の高水準が続けば、株式市場全体が上抜けすると予測します。

【来週の予想】日経平均株価の予想レンジ(55,000円~48,000円)

では、直近2ヶ月間の状況もふまえて、現状をより詳しく見てみましょう。

現在の5万3000円付近は「上抜け手前の踊り場」に位置していると考えられます。昨年までのボックス圏を一段切り上げた状態であり、ここからの上昇にはもう一段の勢いが必要です。

日経平均株価の予想レンジは先週から据え置き「上値:5万5000円~下値:4万8000円」だと考えます。

4万8000円は依然として強力な下値支持線(サポート)として機能し、外部要因による急落があってもここでの反発が期待できます。

株トレンド指数を見ると週単位での分析の通り、市場全体は「押し目」の機会を狙っていると分析します。

よって、1月中旬の短期的な上昇トレンドは突発的に終わったのではなく、断続的な上昇または、ここからアベノミクス初期のような上昇もシナリオとして考えられます。

選挙結果が「上抜け」のトリガーになる可能性

来週の焦点は、何と言っても衆議院選挙の結果とその事前予測です。市場は現在、期待感と警戒感の狭間で「動き出すきっかけ」を待ち様子見しています。

そ改めて日経平均株価のボックス圏の範囲を整理すると以下の範囲を推移すると分析します。

▼来週の日経平均株価の予想レンジ
上値:5万5000円~下値:4万8000円

もし選挙結果が安定政権の維持を裏付けるものであれば、株トレンド指数の示す「押し目」の準備が実を結び、アベノミクス初期のような爆発的な上昇トレンドに移行するシナリオも現実味を帯びてきます。

反対に、万が一期待とは違う結果になると、大きく押し目の動きの準備をしている分、その反動で暴落や下落トレンドも想定されます。

強気でありつつも、このような万が一のリスクを念頭に起きながら、引き続き日経平均株価や株式市場を見ていくことをおすすめします。

最新の需給バランス:2025年10月との共通点

補足としての日本株市場の根底部分である株式市場全体の最新の需給バランスも見ておきましょう。

・外国人投資家:買い越し → 小さく買い越し(↘)
・個人投資家:売り越し → 買い越し(↗)
・日本の機関投資家:売り越し → 売り越し弱まる(↗)

投資主体別売買動向
『投資主体別売買動向 | 信用・手口 | トレーダーズ・ウェブ』をもとに筆者作成

最新週の需給バランスは、1月2週から全体的に小さくなっています。均衡よりは、やや買い越しが優勢の状況です。

個人投資家と国内外の機関投資家で比較すると、最新週は個人投資家が三者の中で大きなポジションを取っていました。

しかしながら、株式市場全体を動かすようなポジションではないので、直近の株式市場の推移の通り株価が動きにくい状況であったことを示しています。

外国人投資家の動きとその示唆

外国人投資家は、1月2週と比較して買い越しの水準が下がっています。1月2週まで大きく買い越ししていたので急に動きが止まった印象を受けます。

ですが、昨年の自民党総裁選があったタイミングでも、2週連続で大きく買い越して、3週目は買い越しが落ち着いています。

この3週目に当たるタイミングで、売り越しになっていないことを考慮すると、外国人投資家から見た日本株市場は、期待が高いと判断します。

こうなると、衆議院選挙の結果が出てから、どのような動きをするかがポイントになるでしょう。

再び大きく買い越すことがあれば、アベノミクス初期のような動きも現実味が出てくるでしょう。

個人投資家の傾向と注意点

次は、私たち個人投資家です。1月2週の売り越しから転換し、最新週では買い越しに転換しました。

奇しくも、この動きも昨年の自民党総裁選のときと同じです。外国人投資家が2週連続で大きく買い越し後、3週目で売り越し転換したとき、個人投資家は買い越しに転換しました。

ただし、ここに傾向があるわけではありません。偶然の一致と捉えるのが良いかもしれません。

一方で、このような見方もあります。重要な局面で、個人投資家は機関投資家と反対の動きをしがちですので、そこに該当するようにも見えます。

もしくは、純粋に日経平均株価の動きに乗り遅れて、日経平均株価が高値圏を維持する状態を見て、慌てて買い越しに動いた可能性もあります。

そして、ここからは衆議院選挙も控えていますので、個人投資家の動きは規則性を見つけにくい動きになると予測します。

その点をふまえると、ここから衆議院選挙の結果が出るまでは、できるだけ周囲の個人投資家の波に乗らないほうが良いかもしれません。

日本の機関投資家の今後

最後に日本の機関投資家です。1月2週の売り越しから、最新週では売り越しが小さくなりました。

ただし、日本の機関投資家は年間を通じて、それほど大きく売り越しや買い越しにはならないので、これが通常運行といえば、それまでかもしれません。

昨年の自民党総裁選のときも売り越しを維持していましたので、ここから大きな動きをすることなく引き続き売り越しが続くと予測します。

国内外投資家の売買動向から見た来週の見通し

以上が三者の動向です。先週から全体的にポジションが小さくなっていますが、1月2週までの流れもふめると、2025年10月の自民党総裁選前に動きが似ています。

これを考慮すると、先週も読み取った通り外国人投資家は高市政権への期待を高めていると読み取れます。一方、個人投資家や機関投資家は様子見をしているように見えます。

この需給バランスを見ても、次に株価が動き出すのは、やはり衆議院選挙後だと分析します。

先行して外国人投資家は動いていますが、大きな買い越しを維持していないことをふまえると、本格的に動くのは控えているのでしょう。

とはいえ、株トレンド指数の分析もふまえると、この様子見は期待通りの結果が出るか待ち構えているような状態です。

そして、期待通りの結果になれば、今起きている「押し目」の準備の通り、再上昇というのが、一つのシナリオだと考えます。

まとめ:様子見状態の中でも「変動スピード」に備える

今週の停滞は、来るべき再上昇に向けた「ポジティブな様子見」であると分析します。

衆議院選挙前に、需給バランスも株トレンド指数も、期待通りの結果になったときの爆発の瞬間を待ち構えているような状況です。

これらをふまえると週明けの株式市場は、いったん上昇は止まっていますが、ポジティブな状態での様子見を維持すると考えます。

来週の日経平均株価の範囲は、以下のように推移すると判断します。

▼来週の日経平均株価の予想レンジ
上値:5万5000円~下値:4万8000円

ポジティブな様子見ということもあり、強気な水準は変わりありません。

そして、最後にお伝えしたいのは、「5万円相場における変動幅」への適応です。今週初の下落は約960円に達しましたが、変動率に直せばわずか1.8%弱に過ぎません。

ポジティブな状態の様子見が続くとはいえ、この程度の変動は週明けもよくあるものです。

同じ様子見でも、円単位の変動は大きくなりますので、これに右往左往することなく、変動率で日経平均株価の推移を捉えていきましょう。

この記事は、独自の株トレンド指数を用いた分析レポートの一部です。すべての予測実績検証は過去の分析レポート一覧からご覧いただけます

▼ご注意▼
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2026/1/29(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。

最終的な投資判断について】

当記事は、特定の銘柄の売買を推奨するものではなく、情報提供を目的としています。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。当記事によって生じた損害等について、当社は一切の責任を負いかねます。