執筆者: 秋山大介|データ・アナリストプロフィール詳細
(独自の「株トレンド指数」を開発・運用。需給バランスに基づく分析で定評あり。)

日経平均株価 が一時5万5000円を回復しましたが、3/19前場時点では再び5万3000円台まで押し戻される展開となりました。

「上昇分を即座に打ち消す下落」に、戸惑いを感じている投資家の方も多いのではないでしょうか。

この記事は、独自の株トレンド指数を用いた分析レポートの一部です。すべての予測実績検証は過去の分析レポート一覧からご覧いただけます

地政学リスクによる不透明感が拭えない中、相場はまさに「右往左往」のニュートラル状態。本記事では、独自の「株トレンド指数」を用いて、この一見ランダムな動きの裏側にある「数値化された現状」を解説します。

来週の予想レンジ(5万2000円〜5万8000円)とともに、外国人投資家が9週連続で買い越している「意外な強気」の正体についても詳しく紐解いていきましょう。

【指数分析】日経平均株価の再上昇サインは点灯したか?

こちらをご覧ください。こちらは3/5〜3/18の日経平均株価と株トレンド指数の状況です(株トレンド指数の算出ロジックと運用実績はこちら)。

【2026年3月第3週】市場動向と 日経平均株価 の変動 株トレンド指数
【2026年3月第3週】市場動向と 日経平均株価 の変動

株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。

天井指数|相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向を示す(目安:「170」付近)
底値指数|相場全体が底値に近づき適正株価まで回復する傾向を示す(目安:「220~420」付近)
押し目買い指数|押し目買い戦略が機能しやすい傾向を示す(目安:「30」に近い水準)
空売り指数|相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向を示す(目安:「50」付近)
>>株トレンド指数の算出ロジックと運用実績はこちら

「方向感の喪失」地政学リスクが相場の羅針盤を狂わせる

今週の株式市場は、日経平均株価と株式市場全体が”やや連動していない週”でした。

日経平均株価は、ほぼ横ばい、株式市場全体はやや下落傾向が見られるものの、3/18はどちらも小さな上昇傾向だったというのが全体感でした。

ただし、日経平均株価の推移が示すように、株式市場全体も「よく分からない動き」をしていたと考えられます。

「結局どちらに動きたいのか?」そう言いたくなる状況でした。まさに、これが現状の地政学リスクが日々どうなるか分からないことを示していると分析します。

よって、今週の変動は下落しても悲観的ではなければ、上昇しても楽観的でもないという、状況を捉えるのがとても難しい週だったと判断します。

4日続落後の乱高下。5万3000円台は「絶好の押し目」か?

では、この状況をふまえて詳細を見てみましょう。今週の日経平均株価は以下のような推移でした。

  • 【3/16】0.13%下落:5万3000円台維持も3日続落
  • 【3/17】0.09%下落:ほぼ横ばいに推移も4日続落
  • 【3/18】2.87%上昇:5万5000円回復
  • 【3/19】参考データ:前場時点で5万3000円台に再下落

日経平均株価は、ほぼ横ばいに推移するも3/17に小幅下落したことで、4日続落しました。

そこから3/18に2.87%上昇し5万5000円台まで一気に回復するも、再び3/19前場には5万3000円台に下落しました。

前述の通り、完全に右往左往している状態です。ここには全く傾向や方向感は見られず、地政学リスクの状況に合わせて日々変動しています。

先週よりもさらに先行き不透明が増したのが今週の日経平均株価です。この状況が続くと、投資家たちが日本株から一時的に撤退しないか不安になります。

いずれにしても、この変動は内部要因ではなく外部要因なので、その要因である地政学リスクがなくならない限り、このような変動があることを予測しておくと良いと判断します。

  • 【3/16】底値指数「18」まで上昇/小さな下落傾向
  • 【3/17】底値指数「15」に減少/押し目買い指数「15」まで上昇
  • 【3/18】天井指数「21」空売り指数「16」まで上昇/下落がいったん止まる

週初め3/16は先週末の流れから小さな下落傾向が続きました。ただし、暴落や急落のような下落基調ではなく、通常の一時的に発生する下落でした。

3/17は底値指数もほぼ同水準で発生していましたが、押し目買い指数も2桁まで上昇しました。

その動きがあってか、3/18は押し目の動きをし、天井指数が「21」まで上昇しました。ただし、上昇傾向を示すような勢いはなかったので、一時的な上昇だと分析します。

なお、同日は空売り指数にも変化がありました。前日は「5」でしたが「16」まで水準を上げました。

空売り指数は上昇にブレーキを掛ける役割ですが、「10」以上の水準になると株式市場全体が下落しにくくなる傾向があります。

仮に下落しても、暴落や急落ではなく一時的な下落に留まるようになります。3/19前場時点の日経平均株価を見る限り、この空売り指数によってダラダラ下がることなく止まっていると分析します。

アナリストの視点:空売り指数が示す「底堅さ」
3/18に空売り指数が「16」まで上昇したことは注目に値します。この指数が10を超えると、相場にブレーキがかかり、さらなる暴落を防ぐ傾向があります。3/19の再下落が「ダラダラとした下げ」にならずに止まっているのは、この空売り指数が寄与していると考えられます。

再上昇には地政学リスクの沈静化が必須

次に、直近2ヶ月間の状況もふまえて、現状をより詳しく見てみましょう。

日経平均株価を基準に見ると、引き続き地政学リスクがなくなってないのでイレギュラーな展開も想定されますが、現時点では下げ止まっていると判断します。

3/19前場時点の下落を加味しても、先週よりもやや高い水準を維持していることから、下げ止まりだと判断できます。

また、先週と同様の水準が続いていますが、引き続き下落へ方向感が出ることなく、ボックス圏の下値付近を維持していると分析します。

ただし、ここから衆議院選挙後の上昇水準まで戻るには、時間が掛かりそうな推移をしていると判断します。

もし、回復するならば、地政学リスクがきれいになくなったときでしょう。このリスクがくすぶる限り、今週のように右往左往する展開が続くと考えます。

一方、株トレンド指数を見ると、今週の株式市場も引き続きニュートラル状態だと判断します。

週単位で見るとそれほど感じませんでしたが、2ヶ月単位で見ると今週の株トレンド指数は、日々変化していることが分かります。

株式市場全体を牽引するようなトレンドが発生していないので気が付きにくいですが、下落傾向と上昇傾向が日替わりのような状態が続いています。

背景に地政学リスクがなければ、少しずつボックス圏を抜ける準備に入り、株トレンド指数にも上下のどちらかに進む準備が見られます。

しかし、地政学リスクによるニュートラル状態です。このリスクがなくならない限りは、そういった動きはなく、今週のように日々状況が変わると予測します。

もし、ここから再上昇に向けて動くならば、株トレンド指数よりも地政学リスクの沈静化が先です。

地政学リスクが沈静化しそうだというニュースがでた後、後追いで株トレンド指数が変化すると考えます。

【来週の予想レンジ】上値5万8000円〜下値5万2000円

今週の株式市場は期間を広げて見ても、続落や上昇からの再下落があったものの、日経平均株価は下げ止まり、株式市場全体はニュートラル状態であると判断します。

ただし、先週のニュートラル状態と違うのが、地政学リスクによって日々状況が変化していることです。

動きの小さいニュートラルではなく、変化のあるニュートラルですので、日々の動きに右往左往しかねません。

だから、日経平均株価の下げ止まりを楽観視せず、株トレンド指数のニュートラル状態の通り、日々変化するという心構えでいると良いでしょう。

なお、来週の日経平均株価のレンジを整理すると、以下の範囲を推移すると分析します。

▼来週の日経平均株価の予想レンジ
上値:5万8000円~下値:5万2000円

先週と同水準です。いきなり上値に到達するのは難しいですが、ポテンシャルとしてここまで見て良いという意味合いで捉えると良いでしょう。

今は、日本株市場の内部要因ではなく、外部要因である地政学リスクで起きている状況です。

それもあり、今週のように日々状況が変化しても、ボックス圏の下値を割ることなく底堅く維持できています。

だからこそ、もし地政学リスクがパタッとなくなった場合は、再び上値に向けて動き出すと分析します。

最新の需給バランス:個人は「様子見」へ移行。地政学リスクへの警戒感が強まる

補足としての日本株市場の根底部分である株式市場全体の最新の需給バランスも見ておきましょう。今週はまだ最新データが発表されていないので先週と同じデータです。

外国人投資家:買い越し → 買い越し弱まる(↘)
個人投資家:売り越し → 買い越しに転換(↗)
日本の機関投資家:大きく売り越し → 売り越し弱まる(↗)

投資主体別売買動向 2026年3月 外国人投資家 買い越し
『投資主体別売買動向 | 信用・手口 | トレーダーズ・ウェブ』をもとに筆者作成

最新週の需給バランスは、2月4週から少々変化し「均衡」です。ただし、この均衡の内訳は特殊です。

外国人投資家と個人投資家は買い越しでしたが、この両者のポジションと同じだけ日本の機関投資家が売り越しています。3週連続の大きな売り越しです。

反対に言えば、外国人投資家と個人投資家のいずれかが売り越しに回っていたら、株式市場全体が下落方向へもっと勢いよく進んだ可能性があります。

その場合は、暴落が想定されましたので、この需給バランスによってリスク回避できた側面もあると判断します。では、各投資家の詳細を見てみましょう。

【強気の正体】外国人投資家は9週連続買い越し、日本株への信頼は不変?

年初から9週連続買い越しです。地政学リスクのあった最新週でも買い越しを維持しました。

最新週は、ちょうど日経平均株価が3日続落で約8%下落したときです。しかし、外国人投資家は買い越しを維持していることをふまえると、日本株にはリスクが小さいと判断しているのでしょう。

そうなるとポイントになるのは、最新データが更新されたときです。もし10週連続で買い越しになれば、外国人投資家は日本株市場の再上昇により期待していると判断します。

そのときは、地政学リスクがなくなったときに、日本株市場を押し上げる要因になると分析します。

個人投資家は再びニュートラルに近づく

次は、個人投資家です。売り越しから一気に買い越しに転換しました。前回は買い越しから売り越しでしたので、直近は大きく動いています。

日経平均株価の年初来高値更新での利益確定売りが出たと思ったら、地政学リスクの下落を狙って仕掛けをしているような動きに見えます。

ただし、個人投資家は国内外の機関投資家と違って、日々ポジションが変化する動きが見られるので、最新データでどのような動きがあるか気になるところです。

原油のことが出たタイミングですので、もしかするとニュートラルに近づいているかもしれません。

そういった急に変化するのが個人投資家ですので、変化を前提に最新データを見ていきましょう。

国内機関投資家は年末に向け売り越しが強まるか

最後は日本の機関投資家です。月2週から8週連続売り越しです。売り越し規模が、ようやく1桁減りました。

しかし、依然として外国人投資家と個人投資家の合計と同じくらいの規模で売り越しています。

地政学リスクもありますが、引き続きこの3月は銘柄の入れ替えをする「お化粧買い・売り」が発生すると予測します。

しかも、彼らは3月下旬に向けて例年売り越しを強める傾向があります。これを考慮すると、ここから更に売り越しが強まることも想定しておくのが良いでしょう。

国内外投資家の売買動向から見た来週の見通し

以上が三者の動向です。最新週は外国人投資家と個人投資家が買い越し、国内の機関投資家が売り越しというバランスで均衡しました。

改めて状況を見ると、日本の機関投資家のポジションは変化がなさそうなので、外国人投資家と個人投資家がどう動くかで、次の展開が変わりそうです。

依然として地政学リスクがあることをふまえると、ここから積極的な買いに入ることは難しいかもしれません。

しかし、それが沈静化したときに彼らがどう動くかが需給バランスのポイントになるでしょう。

まとめ:来週は「押し目期待」と「イレギュラー下落」の背中合わせ

このように今週の株式市場は、先週とは少々動きが変わり、日々状況が変化するニュートラル状態になりました。

ですが、ニュートラル状態には変わりありませんので、来週の日経平均株価のレンジは以下の通りだと分析します。

▼来週の日経平均株価の予想レンジ
上値:5万8000円~下値:5万2000円

今週の推移を見る限り、下値は5万4000円まで水準を上げても良い部分もあります。しかし、地政学リスクは何があるか分からないので、一時的な下落を考慮してこの水準にしました。

上値は前述の通り、現時点ではここまでのポテンシャルがあるという意味合いです。地政学リスクが沈静化し、この上値水準に近づけば、再び6万円水準に移行すると分析します。

ただ、その前にどうしてもつきまとうのが予測不能な地政学リスクです。今週が良い例で、日々の報道によって株式市場は右往左往すると判断します。

もしかしたら来週パタッと収束しているということもあるかもしれませんが、リスクが続く限り先行き不透明な状況が続くでしょう。

一方で、外国人投資家が9週連続で買い越しにきていることをふまえると、このリスクがある中でも日本株に期待していると捉えられます。

リスクが沈静化するまでは、無理にポジションを広げず、株トレンド指数の変化を待つのがセオリーです。

特に外国人投資家の10週連続買い越しが確認できれば、それが再上昇の強力なエンジンとなるでしょう。

当サイトでは引き続き、週次で『株トレンド指数』の推移を公開していきます。次回の更新もぜひチェックしてください。

この記事は、独自の株トレンド指数を用いた分析レポートの一部です。すべての予測実績検証は過去の分析レポート一覧からご覧いただけます

▼ご注意▼
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2026/3/18(水)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました(日経平均株価のみ3/19前場時点のデータを含みます)。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。

最終的な投資判断について】

当記事は、特定の銘柄の売買を推奨するものではなく、情報提供を目的としています。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。当記事によって生じた損害等について、当社は一切の責任を負いかねます。