執筆者: 秋山大介|データ・アナリストプロフィール詳細
(独自の「株トレンド指数」を開発・運用。需給バランスに基づく分析で定評あり。)

日経平均株価 が再び5万1000円台に突入しました。

地政学リスクに加え、今週は『米国大統領の演説』という新たな変数が加わりました。

1日で5%上昇したかと思えば、翌日には失望売り。このセオリーを無視した動きに疲弊している投資家も多いはずです。

しかし、独自の株トレンド指数を読み解くと、相場の『底堅さ』と『次なる展開への準備』が見えてきます。

この記事は、独自の株トレンド指数を用いた分析レポートの一部です。すべての予測実績検証は過去の分析レポート一覧からご覧いただけます

そこで今回も相場の動きを数値で見える化した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向や、来週の日経平均株価の動向や株式市場の見通しについて考えていきましょう。

日経平均株価 は円単位で乱高下も株価水準を維持

こちらをご覧ください。こちらは3/19〜4/2の日経平均株価と株トレンド指数の状況です(株トレンド指数の算出ロジックと運用実績はこちら)。

【2026年4月第1週】市場動向と 日経平均株価 の変動
【2026年4月第1週】市場動向と 日経平均株価 の変動

株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。

天井指数|相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向を示す(目安:「170」付近)
底値指数|相場全体が底値に近づき適正株価まで回復する傾向を示す(目安:「220~420」付近)
押し目買い指数|押し目買い戦略が機能しやすい傾向を示す(目安:「30」に近い水準)
空売り指数|相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向を示す(目安:「50」付近)
>>株トレンド指数の算出ロジックと運用実績はこちら

保有中の個別銘柄の動きと日経平均株価に差異がある週

今週の株式市場は、日経平均株価と株式市場全体が”やや連動していない週”でした。

日経平均株価はグラフの通り乱高下です。上場間もない銘柄の値動きが安定せず、ボラティリティの大きい状態が続いているような動きをしています。

ポジティブに見ると、乱高下するものの全体の株価水準は下がることなく維持することはできています。

一方、株式市場全体は、おおよそ日経平均株価の推移と連動しているものの、週の前半の下落のタイミングが日経平均株価とズレていることが分かります。

日経平均株価も株式市場全体も乱高下していますが、そのタイミングに微妙な差異のある週だったと判断します。

ここまで乱高下してしまうと売買しようにも売買できないかもしれませんが、日経平均株価を基準に相場予測している人にとっては、保有中の個別銘柄の動きと日経平均株価に差異があったと分析します。

日経平均株価は乱高下も株式市場全体はニュートラルへ転換

では、この状況をふまえて詳細を見てみましょう。今週の日経平均株価は以下のような推移でした。

  • 【3/30】2.79%下落:5万1000円台突入
  • 【3/31】1.58%下落:4日続落で5万1000円前半まで下落
  • 【4/1】5.24%上昇:5万3000円に急上昇
  • 【4/2】2.38%下落:5万2000円台まで下落

今週の日経平均株価は、先週と同様に円単位で見ると乱高下状況でした。

先週末から4日続落し、3/31に5万1000円前半まで突入したかと思ったら、4/1には5.24%上昇し、5万3000円台に到達しました。

しかし、翌日4/2には米国大統領の演説に失望売りが入り、再び5万2000円台に下落しています。

今の日経平均株価の水準を考えると、円単位でこのような変動があるのは想定内です。同じ1%でも、5万円水準になると円単位の幅が広くなることが理由です。

ですが、この乱高下が地政学リスクというよりも、米国大統領によって左右されているのはセオリー通りの動きではありません。

投資家たちも、その現状を理解してはいるものの、日替わりのような乱高下になると、日々の株価の動きについていくことに疲れてしまいます。

先週は地政学リスクの今後の予測によって乱高下しましたが、今週は米国大統領の演説というキーになる出来事があっただけに、より厳しい乱高下だったと分析します。

ポジティブに見ると、続落してもそのまま下落トレンドに入ることなく推移しています。

それに伴い株価水準も維持できていることを考えると、日経平均株価自体は崩れていないと判断します。

引き続き、地政学リスクの外部要因によって動かされているのが、今の日本株市場だと分析します。

次は、今週の株トレンド指数の推移を見てみます。今週は以下のような推移でした。

  • 【3/30】底値指数「22」まで上昇
  • 【3/31】底値指数「43」まで上昇
  • 【4/1】天井指数「25」空売り指数「22」まで急上昇
  • 【4/2】天井指数「12」空売り指数「12」底値指数「11」の横並び状態

株トレンド指数を見ると、今週の株式市場全体は週の前半と後半で動きが全く違うことが分かります。

前半は、底値指数の推移の通り下落傾向が見られました。ただし、先週の下落時には底値指数が「54」まで上昇したことをふまえると、先週よりも下落傾向が弱かったと分析します。

日経平均株価は先週よりも下落しましたが、株式市場全体は先週よりも下落していないことが分かります。

後半は4/1に上昇傾向に転換し、4/2はいったんニュートラル状態になりました。

日経平均株価だけを見ると4/2の下落は失望売りによる下落に見えました。しかし、株トレンド指数を見ると、そこまでの下落はなく株式市場全体は「期待とは違ったので、いったんニュートラルに戻る」程度の下落だったと判断します。

角度を変えて見ると、ニュートラル状態になったことで、週明けは再び上下のどちらに動くこともできる準備が整ったと分析します。

よって、週明けの株式市場は、引き続き地政学リスクや米国大統領によって右往左往し乱高下することが予測されます。

例えば今週のように、週の前半と後半で傾向が違ったり、場合によっては日々株トレンド指数のバランスが変化することも想定されます。

このように今週株式市場は、一週間の中で「上昇・下落・ニュートラル」が存在する難しい週でした。

【分析】株トレンド指数が示す『ニュートラル状態』の正体|週明けは上放れの準備期間か?

この状況をより鮮明化することを目的に、直近2ヶ月間の状況もふまえて、現状をより詳しく見てみましょう。

日経平均株価を基準に見ると、引き続き地政学リスクによるセオリーとは違う動きが続いていることが分かります。

ただし、乱高下しているだけで、株価水準は保っていることが分かります。円単位では大きく上下しているように見えますが、底堅く推移していると判断します。

一方、株トレンド指数を見ると、直近の中では下落傾向を示す底値指数が目立っていることが分かります。同時に上昇傾向を示す天井指数も直近2週間の中では目立っていることが分かります。

しかし、どちらもトレンドにはならず、一時的な傾向の発生に留まっています。ここからも、今の株式市場は地政学リスクによって動かされていると分析します。

また、4/2のニュートラル状態も、無風状態でのニュートラルではなく、直近2週間の中では株トレンド指数がある程度発生した状態で起きていることが分かります。

そうなると、週単位で分析した通り、これは次の展開への準備となり、週明けは上下のどちらにも動きやすい状態になっていると判断します。

4/3の株トレンド指数の発生状況が小さくなれば展開が変わるかもしれませんが、4/2と同程度の株トレンド指数が発生すると、その可能性がより高まると分析します。

【来週の予想レンジ】上値5万8000円〜下値5万2000円

このように今週の株式市場は期間を広げて見ても、乱高下しているにも関わらず、底堅く推移していることが分かります。

また、4/2の株トレンド指数の状況を見ると、週明けの日経平均株価は引き続き乱高下することが予測されます。

地政学リスクに左右されている状況ですので、当然かもしれません。しかし、先週よりも株価が動きやすい乱高下になることが予測されます。

そして、この背景を考慮して来週の日経平均株価のレンジは、引き続き以下の範囲を推移すると分析します。

▼来週の日経平均株価の予想レンジ
上値:5万8000円~下値:5万2000円

先週と同水準です。やはり急に上値に到達するのは難しいです。ただし、地政学リスクに旧添加があると、勢いよく上昇する可能性があります。その点を考慮した上値です。

今週多少の動きがあったとはいえ、ボックス圏が続くことで株式市場はエネルギーを蓄積しています。

もし、そのエネルギーが上昇に使われれば、この上値を目指して推移することになるでしょう。

反対に、そのエネルギーが下落に使われると、今週のように一時的に下値を割ることも予測されます。

ただし、そこからズルズル下がる材料もないことをふまえると、全体感としては上記の下値付近を推移すると分析します。

引き続き地政学リスクや米国大統領に左右される状況が続きますが、日経平均株価はこのような範囲で推移すると予測します。

いずれにしても地政学リスクがなくならない限り、今週のような乱高下が想定されますので、「下落しても一時的なもの」「上昇しても一時的なもの」と考えることをオススメします。

【最新】投資主体別売買動向と需給バランス

補足としての日本株市場の根底部分である株式市場全体の最新の需給バランスも見ておきましょう。

外国人投資家:売り越し → 大きく売り越しに転換(↘)
個人投資家:買い越し → わずかに売り越しまたはニュートラル(↘)
日本の機関投資家:売り越し → 買い越しに転換(↗)

投資主体別売買動向
『投資主体別売買動向 | 信用・手口 | トレーダーズ・ウェブ』をもとに筆者作成

最新週は日経平均株価が5万1000円台まで下落し、そこから5万3000円台まで上昇した週です。

全体の需給バランスは、外国人投資家の大きな売り越しによって「売り越し」でした。ここまで明確な売り越しは、少なくとも直近1年間はありません。

特筆すべきは、外国人投資家が直近1年で最大級の売り越しを見せたにもかかわらず、日本国内の勢力がパニック売りに追随しなかった点です。

これは、市場が地政学リスクを織り込みつつあり、安易な暴落が起きにくい『需給の粘り強さ』を示唆しています

外国人投資家の3週連続売り越しが意味すること

外国人投資家は9週連続買い越しが止まったあと「3週連続売り越し」です。しかもこの3周目の売り越しは、直近1年間で最も大きな売り越しでした。

これは地政学リスクも背景にありますが、この不安定な環境の中で日経平均株価が上昇したので、大きく利益確定売りをした可能性があります。

地政学リスクは長期化の恐れもありましたので、ここで一時的に上昇した日本株を早めに現金化し、次の展開に動きやすくしたのかもしれません。

個人投資家は利益確定と仕掛けが混在

次は、個人投資家です。わずかに売り越しでしたが、ほぼニュートラル状態です。日経平均株価が一時5万1000円台まで下落したことをふまえると、再上昇したタイミングで利益確定したと予測します。

もしくは、このタイミングに上手く仕掛けた投資家もいたと考えるので、その動きと相殺してほぼニュートラル状態になったと分析します。

個人投資家は、地政学リスクに左右される株式市場をチャンスにする人と、リスク回避をする人に分かれているのかもしれません。

今後はどちらの人が多いかによって、買い越しと売り越しのどちらになるか決まるでしょう。

国内機関投資家はお化粧買いの動きへ

最後は日本の機関投資家です。売り越しから買い越しに転換しています。しかし、それほど大きな規模ではないことから、外国人投資家の売り圧力に対抗するようなものではありませんでした。

まだ3月のデータであることを考慮すると、お化粧買いに入った動きかもしれません。同じ機関投資家でも、外国人投資家と違って平常運行をしていると思われます。

国内外投資家の売買動向から見た来週の見通し

以上が三者の動向です。最新週は3月3週と内容が大きく変化しました。これまでは積極的まではいかないものの、三者三様の動きを見せていました。

しかし最新週では、各々リスク回避のような動きが見られます。これが続くと下落傾向に入るので、それは考えにくいですが、地政学リスクが長引く中、少しずつリスク回避の動きもしているのかもしれません。

それくらい今の地政学リスクは厄介なものになっています。この状況が続くことは想定しにくいですが、少なくとも最新週から、流れが変わった可能性があることは把握していきましょう。

まとめ:来週は底堅さは残るものの上下の動きを予測

このように今週の株式市場は、需給バランスから見ると、もっと崩れてもおかしくないですが、乱高下しながら株価水準を下げることなく堅く推移しています。

そこで、来週の日経平均株価のレンジを予測すると、以下の通りだと分析します。

▼来週の日経平均株価の予想レンジ
上値:5万8000円~下値:5万2000円

ただし、ここに乱高下はつきものです。地政学リスクがなくなるまでは、下値付近での乱高下が続くと予測します。

万が一、急展開で地政学リスクがなくなったときは、一気に上値を目指して上昇し始めると予測します。

依然として、地政学リスク次第で左右される状況が続いています。一方で、日経平均株価の円単位の推移は大きく見えるものの、まだ暴落や急落はなく底堅く推移しています。

そうなると、乱高下時は、今週のように日経平均株価の円単位の変動が大きくなるでしょう。

だからこそ、このようなときは円単位で変動を見るのではなく「変動率」で捉えることが重要です。

5万円台の相場では、1,000円の変動もわずか2%程度。メディアの『歴史的な下落幅』という言葉に惑わされず、『変動率』という物差しを持つことが、冷静な判断を下す唯一のカギです。

この記事は、独自の株トレンド指数を用いた分析レポートの一部です。すべての予測実績検証は過去の分析レポート一覧からご覧いただけます

▼ご注意▼
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2026/4/2(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。

最終的な投資判断について】

当記事は、特定の銘柄の売買を推奨するものではなく、情報提供を目的としています。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。当記事によって生じた損害等について、当社は一切の責任を負いかねます。