執筆者: 秋山大介|データ・アナリスト| プロフィール詳細
(独自の「株トレンド指数」を開発・運用。需給バランスに基づく分析で定評あり。)
日経平均株価が7/2に7万円を割り6万8000円まで下落しました。
これまで長期的に見ると順調に上昇してきた日経平均株価ですが、ここで上昇が止まったように見えます。
先週の分析で「天井を意識するタイミング」とし、需給バランス次第では再上昇もあるかもしれないと判断しました。
しかし、今週の動きを見る限り、日経平均株価は天井をつけ、これから新たな展開がありそうにも見受けられます。
特に今週の株トレンド指数は、先週までと状況が変わり「軟調な推移」を主張する発生状況が続いています。
この記事は、独自の株トレンド指数を用いた分析レポートの一部です。すべての予測実績検証は過去の分析レポート一覧からご覧いただけます。
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そこで今回も相場の動きを数値で見える化した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向や、来週の日経平均株価と株式市場全体の見通しについて分析します。
空売り指数と押し目買い指数で日経平均株価が動く
こちらをご覧ください。こちらは6/19〜7/2の日経平均株価と株トレンド指数の状況です(株トレンド指数の算出ロジックと運用実績はこちら)。

株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。
・天井指数|相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向を示す(目安:「170」付近)
・底値指数|相場全体が底値に近づき適正株価まで回復する傾向を示す(目安:「220~420」付近)
・押し目買い指数|押し目買い戦略が機能しやすい傾向を示す(目安:「30」に近い水準)
・空売り指数|相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向を示す(目安:「50」付近)
>>株トレンド指数の算出ロジックと運用実績はこちら
日本株市場は「無風状態」へ突入
今週の株式市場は、日経平均株価と株式市場全体があまり連動していない週でした。
ただし、日経平均株価が、ほぼ横ばいに推移していることと、株トレンド指数の各指数の発生が乏しいことを考えると「連動している」と判断できます。
グラフの通り、今週の株トレンド指数は各指数の発生が一気に乏しくなりました。先週までは、株式市場全体を牽引するほどではないものの、目立つ指数がありました。
それが、ほぼ横並びになり「無風状態」に近い状況に変化したと分析します。
これまでは優位性のある指数があり、それにより株式市場全体の動きを予測できましたが、今週は風がなくなりました。
これにより、今後の日経平均株価が上がるのか、それとも下がるのかを予測するのがとても難しい局面に突入したことが分かります。
ここから今週の状況をさらに詳しく見て、分析を深めていきましょう。
6万9000円割れだが水平状態を継続
今週の日経平均株価は以下のような推移でした。
- 【6/29】0.15%上昇:7万円割れ
- 【6/30】0.86%上昇:7万円回復
- 【7/1】0.59%上昇:前日とほぼ変化なし
- 【7/2】2.47%下落:6万9000円割れ
今週の日経平均株価は、6/15以来の6万9000円割れがありました。ただし、変動率を見ると、この表現ほど下落していないことが分かります。
3%以内の下落であり、6/29~7/1は1%未満の変動が続き、ほぼ水平状態の推移です。
7/3の場中に6万9000円台に回復する場面も見られることから、いったん方向感を失い完全な停滞をしていると判断します。
また、これから上下のどちらに進むか迷っている状態になり、わずかに発生するトレンドも含め「トレンドがリセット」された状態だと判断します。
こうなると、今後の展開の予測がとても難しくなります。その手がかりを探すべく、次は今週の株トレンド指数の推移を見てみます。今週は以下のような推移でした。
- 【6/29】全指数が、ほぼ横並び状態でトレンド発生なし
- 【6/30】前日よりも全指数の発生が乏しく無風状態に突入
- 【7/1】天井指数・空売り指数が前日よりも上昇するも無風状態を継続
- 【7/2】天井指数「32」まで上昇も、無風状態を抜け出せず
今週の株トレンド指数は、全体的に発生が乏しい「無風状態」に突入しました。7/2に天井指数が上昇したように見えますが「32」までしか上昇していません。
先週と比較すると、グラフの通り全体的に全指数に動きがないことが分かります。
よって、今週は多少の変化はあるものの、無風状態になり日経平均株価も水平の動きをしたと分析します。
なお、1箇所だけ注目点があります。それは7/2の押し目買い指数が2桁になっていることです。
押し目買い指数は2桁になると後日再上昇が期待できることを示します。無風状態が続く中ですので、これまでのような上昇は期待できませんが、小幅上昇は期待できます。
ただし、全体としては「無風状態」は変わらず、「株価が動きにくい」「これから上下のどちらに進むか分からない」状態であることには変わりないと判断します。
【分析】日経平均株価は値幅の動きほど変動せず
この状況をより鮮明化することを目的に、直近2ヶ月間の状況もふまえて、現状をより詳しく見てみましょう。
日経平均株価を基準に見ると、長期的に見てこれまでは順調に上昇してきましたが、ここにきて上昇がストップしたと分析します。週単位で見た通り「完全な停滞」です。
ただし、1つ補足があります。この状況を見ると「日経平均株価は上がり過ぎだった」と判断する投資家もいるでしょう。
この点については株トレンド指数も見ると分かりますので、このまま株トレンド指数を基準に見ていきましょう。
株トレンド指数も、週単位の通り、ここにきて全指数の発生水準が小さくなりました。まさに、これが日経平均株価の停滞の原因です。
この2ヶ月間で見ると、4月上旬が似た発生水準です。このときも日経平均株価は停滞しました。その後、上昇していますが4月上旬は不安のある停滞でした。
今回はこのタイミングよりも、やや全指数の発生水準は高いですが、不安のある停滞は同じです。ここから再上昇があるか、下落するのかの分岐点にきていると判断します。
そして、先ほどの補足です。「日経平均株価が上がり過ぎだったのか」については、株トレンド指数から、上がり過ぎなどの概念ではなく「無風状態になったから上昇が止まった」と判断します。
短期的に見れば、7万円を超えた水準が天井になりますが、今が上がり過ぎだったから下落したという根拠はありません。
あるのは、株トレンド指数から読み取れる「無風状態になったから」という根拠です。
いったんトレンドがリセットされていますので、ここから再上昇するか、それとも下落するかは分かりませんが「上がり過ぎたから下落する」などと考える必要はありません。
あくまでも、どちらの方向へ進むかは、株式市場全体がどう動こうとしているか次第です。
【来週の予想レンジ】日経平均株価は7万3000円~下値:6万4000円
このように今週の株式市場は、週単位で見ても2ヶ月単位で見ても「無風状態による停滞」だと分析します。しばらく勢い不足が続いていましたが、その勢いが完全になくなったのが今週です。
この状況をふまえて来週の日経平均株価のレンジを予測すると、先週同様に以下の範囲を推移すると分析します。
▼来週の日経平均株価の予想レンジ
7万3000円~下値:6万4000円
引き続き同レンジを予測するのは「無風状態になりトレンドがリセットされた」からです。
押し目買い指数や水準は低いものの天井指数の状況を見ると、再上昇がやや優勢と分析します。しかしそれは「51:49」のような比率ですので、下落することも十分に考えられます。
なお、今回の予想レンジで注意したいのは「ボックス圏の上値と下値の目安」で考えることです。
先週までは、明確なトレンドまではいかないものの、やや方向感がある状態で、どちらかと言えば上値に推移することが多くありました。
ですが、来週は予想レンジはボックス圏になると考えます。方向感を失っていますので、ある日は上昇し、ある日は下落して、この目安の方向へ動くと予測します。
しかも、まだ方向感が定まらない状況ですので、来週は変動率はそれほどではないものの、円単位の変動が大きくなるでしょう。
そのような違いが、この予想レンジではあります。同じ目安でも、これまでと意味合いが違いますので、この点は十分に注意していきましょう。
【最新】投資主体別売買動向は四半期決算を意識した展開に
補足としての日本株市場の根底部分である株式市場全体の最新の需給バランスも見ておきましょう。
・外国人投資家:大きく買い越し → 大きく売り越しへ転換(↘)
・個人投資家:売り越し → 買い越しへ転換(↗)
・日本の機関投資家:売り買い越し → わずかに買い越しへ転換(↗)

最新週は、6月2週と比べて国内外の機関投資家のポジションが変化しました。外国人投資家は6月3週と最新週で全く反対の動きを大きくとっています。
反対に、先週同様、国内の投資家と、外国人投資家で全く反対のポジションをとっていることや全体的に均衡状態であることには変化がありません。
外国人投資家は四半期決算を意識した売り越しか
外国人投資家は、前週大きく買い越ししたと思ったら、大きく売り越しに大きく転換しました。この規模の売り越しは、3月4週以来です。
日経平均株価が先週時点で天井を意識することになったのは、これが原因の1つと分析します。
過去3年分の動きを見ても、この時期に大きく売り越すことはありませんでした。これは傾向ではなく、日本株に大きな要因があってのことでしょう。
タイミングとして四半期決算に該当します。もしこれが理由であれば、いったんここで利益確定し、7月に入ってから買い戻す可能性もあります。
そうなった場合は、再び大規模な買い越しになりますので、日経平均株価や日本株が再上昇する要因になるかもしれません。
個人投資家の買い支えで株式市場は崩れず
次は、個人投資家です。買い越しに転換です。最新週は個人投資家の動きに救われました。
もし、個人投資家の買い越しがなければ、株式市場は一気に崩れていました。まさに、個人投資家が買い支えをしたのが最新週です。
ただ、こうなると難しいのが今後の動きです。個人投資家は日経平均株価の推移に影響を受けやすいので、この停滞をどう見るかです。
また、連続でこの水準の買い越しを続ける傾向はないので、次は買い越し水準が下がるか、売り越しへ転換です。
そういった意味では、今後の展開を読むのが少々難しい局面に入っています。
日本の機関投資家は通常運行
国内の機関投資家は、わずかに買い越しで、ほぼニュートラル状態です。これが彼らの通常運行と言えばそれまでです。
外国人投資家と同様、四半期決算のことを考えると、彼らは動くことを選択せず静観を選択したと予測します。
そうなると、今後は何か大きな材料がない限り、いつも通りの動きが続くと予測します。
国内外投資家の売買動向から見た来週の見通し
以上が三者の動向です。全体的なバランスは前週から変わらず均衡状態でした。ただし内訳は変わり、国内の投資家が買い、外国人投資家が売りでの均衡です。
もし外国人投資家が四半期決算の影響で大規模な売り越しをしているなら、これは日経平均株価上昇の期待が持てます。
恐らく、そうなると次は大規模な買い戻しです。これに連動して、日経平均株価は上昇するでしょう。そして、この上昇を見て個人投資家が追随し、日経平均株価は再上昇するシナリオが考えられます。
もちろん、これは楽観的なシナリオですが、外国人投資家がここまで大規模な動きをしただけに、次はこういったことも考えられます。
ただし、基本的には中間で見ていかないといけないのが、今の株式市場です。日経平均株価は停滞し、株トレンド指数の発生もなくなり無風状態が今の状況です。
その点を忘れずに、もし外国人投資家が大きく転換することがあれば、このようなシナリオが期待できるという程度で考えておくのが良いでしょう。
まとめ:日経平均はボックス圏内を上下する展開へ変化
このように今週の株式市場は、需給バランスから見ると次の展開はポジティブに見ることもできるものの、「完全均衡」に近い状態です。
今週のデータではないものの、今週の日経平均株価の停滞や株トレンド指数から見える無風状態を示しているようにも見えます。
改めて、来週の日経平均株価のレンジ予想を見てみましょう。
▼来週の日経平均株価の予想レンジ
上値:7万3000円~下値:6万4000円
先週までは、緩やかなトレンドがあり、上値を目指しつつ一時的に下値に向かって動き出す展開でした。
それが今週の無風状態で、同じレンジでも「ボックス圏のレンジ」に変化しました。ボックス圏のレンジですので、日によって上下の動きは変わります。
今の日経平均株価の水準は1~3万円のときと違い6~7万円水準まで上昇しています。しかし、この水準で私たちはボックス圏の推移を、ほとんど経験していません。
この6~7万円水準のボックス圏では、同じ変動率でも円単位の上下がとても大きくなります。イメージとしては、2000円上昇した次の日に3000円下落のようなことがあってもおかしくありません。
そうなると、上記の予想レンジの範囲内で常に上下することを念頭に置きながら推移を見ていく必要があると判断します。
方向感がなくなり、いったんトレンドがリセットされた今、再びトレンドが発生し方向感が定まるまでは振り子のように日々どちらにも動きます。
来週は、そのような展開の入口になると予測しますので、ぜひこの予想レンジを想定しながら、円単位で激しく上下しても驚くことなく冷静に推移を見ていきましょう。
この記事は、独自の株トレンド指数を用いた分析レポートの一部です。すべての予測実績検証は過去の分析レポート一覧からご覧いただけます。
▼ご注意▼
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2026/7/2(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました(日経平均株価のみ7/3場中のデータを含みます)。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
当記事は、特定の銘柄の売買を推奨するものではなく、情報提供を目的としています。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。当記事によって生じた損害等について、当社は一切の責任を負いかねます。
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