執筆者: 秋山大介|データ・アナリスト| プロフィール詳細
(独自の「株トレンド指数」を開発・運用。需給バランスに基づく分析で定評あり。)
日経平均株価が7万2000円の大台に到達しました。
先週に続き高値更新しています。一気に2500円下落し7万円を割るときもありましたが、高値圏を推移しています。
しかし、6/26前場の場中には7万円台まで下落する場面もあると、ここが天井で来週は失速するのではないかと心配するのが投資家心理でしょう。
先週の分析で, 今週は「天井を意識するタイミング」と判断しましたが、来週以降の見通しはどうなるのでしょうか。
株トレンド指数は、押し目買い指数と空売り指数を中心に次の展開につながる動きもしています。
この記事は、独自の株トレンド指数を用いた分析レポートの一部です。すべての予測実績検証は過去の分析レポート一覧からご覧いただけます。
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そこで今回も相場の動きを数値で見える化した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向や、来週の日経平均株価と株式市場全体の見通しについて分析します。
空売り指数と押し目買い指数で日経平均株価が動く
こちらをご覧ください。こちらは6/12〜6/25の日経平均株価と株トレンド指数の状況です(株トレンド指数の算出ロジックと運用実績はこちら)。

株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。
・天井指数|相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向を示す(目安:「170」付近)
・底値指数|相場全体が底値に近づき適正株価まで回復する傾向を示す(目安:「220~420」付近)
・押し目買い指数|押し目買い戦略が機能しやすい傾向を示す(目安:「30」に近い水準)
・空売り指数|相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向を示す(目安:「50」付近)
>>株トレンド指数の算出ロジックと運用実績はこちら
日経平均株価の上昇が重しの影響で止まる可能性あり
今週の株式市場は、日経平均株価と株式市場全体が連動している週でした。
ただし、日経平均株価だけを見ている投資家にとっては強く天井を意識してしまった週だったと分析します。
なぜなら、6/23の約3.6%下落で2500円ほど下落したからです。その後6/25に4.6%再上昇したものの、印象としては乱高下し方向感覚を失うような動きだったでしょう。
反対に、株トレンド指数も組み合わせると、週の前半は「空売り指数」の影響を受け、後半は押し目買い指数の影響を受けていることが分かります。
この影響をふまえれば、日経平均株価の上下の推移は、「空売り指数」と「押し目買い指数」の通りだったので、比較的読み取りやすい週だったと判断します。
なお、先週時点では「空売り指数」や「底値指数」が重しになっていましたが、今週はそれが解消されていました。
ここから、先週の分析で悲観的に見たシナリオにはならなかったことも分かります。
しかし、まだ次の展開がどうなるかは読み取りにくいタイミングです。判断が難しいところですので、ここから今週の状況をさらに詳しく見て、分析を深めていきましょう。
7万2000円の大台到達も安定せず
今週の日経平均株価は以下のような推移でした。
- 【6/22】1.55%上昇:高値更新・7万2000円の大台到達
- 【6/23】3.55%下落:7万円割れ
- 【6/24】0.88%下落:前日とほぼ変化なし
- 【6/25】4.61%上昇:再び7万2000円台到達
今週の日経平均株価は、週明け早々7万2000円の大台に到達したものの、そこから下落し再び大台に戻るV字回復のような推移でした。
先週時点で「天井を意識」のキーワードが出ましたが、まさにそのような動きを示しました。
ポジティブに見れば「底堅く崩れにくい」、ネガティブに見れば「上昇勢いがなくなった」と分析します。
6/26の前場の場中に再び7万円台まで下落したこともふまえると、ここはネガティブに判断したほうが良いかもしれません。
株トレンド指数を見ると違う判断もできるかもしれませんが、日経平均株価の推移だけを見ると、先週よりも「天井を意識」するタイミングだと判断します。
次は、今週の株トレンド指数の推移を見てみます。今週は以下のような推移でした。
- 【6/22】空売り指数「87」の高水準まで上昇/天井指数「45」まで上昇
- 【6/23】天井指数「5」まで急落/押し目買い指数「28」の高水準まで急上昇
- 【6/24】押し目買い指数「35」までさらに上昇
- 【6/25】押し目買い指数沈静化/空売り指数「63」の高水準まで上昇
今週の株トレンド指数は「空売り指数」と「押し目買い指数」がカギでした。
前述の通り、週の前半は「空売り指数」の影響を受け、後半は「押し目買い指数」の影響を受けました。
先週は、空売り指数と底値指数が上昇勢いを削ぐ重しになっていましたが、その役割は先週時点で終わりました。
しかし、依然として混沌とした状態は続き、週の前半と後半で展開が分かれる案外難しい週だったと判断します。
とはいえ、それは次の展開を読みにくいというだけで、その場その場では株トレンド指数の推移の通りに株式市場全体や日経平均株価が動いていたと分析します。
具体的には、週明け早々の上昇は「空売り指数」が天井指数を上回ったことで、上昇幅が小さくなりました。
7万2000円の大台には乗りましたが、日経平均株価の上昇幅は1.55%と小幅上昇です。空売り指数は、この日だけ軽い重しになったと分析します。
便乗したV字回復に見えますが、細部を見ると「勢い不足」は否めません。円単位では大きく動いていますが、上昇率で見ると緩やかな推移です。
そして、週半ば6/23、6/24は「押し目買い指数」が高水準になりました。これは次に押し目の動きをして再上昇することが期待できるものです。
6/25はその通り、日経平均株価は4.61%上昇し、再び7万2000円に回復しています。
ですが、その後6/26の前場では日経平均株価が下落しています。
それは、6/25の押し目買い指数の効果を使い切ってしまったことと、空売り指数の上昇が軽い重しになった影響だと分析します。
このように今週の株式市場は、空売り指数が随所に軽い重しになり、週の後半は押し目買い指数の推移に合わせた動きをしていると判断します。
【分析】日経平均株価は値幅の動きほど変動せず
日経平均株価を基準に見ると、今週はV字に推移しているものの、順調に上昇し理想的な上昇を描いているように見えます。
しかし、先週同様、細部を見ると「勢い不足」は否めません。円単位では順調に推移していますが、上昇率を見ると緩やかに上昇しています。
つまり、今の高値圏の推移は、日経平均株価そのものの勢いがあるから到達したのではなく、日々の小幅上昇の積み重ねで到達したと分析します。
長期的に見れば上昇トレンドかもしれませんが、投資家にとっては「全く風の吹いていない上昇=トレンドがない」が続いていると判断するのが妥当でしょう。
次に株トレンド指数を基準に見ると、今週の株式市場全体はトレンドが発生しているものの、株式市場全体を牽引するような発生ではないことが分かります。
5月の連休空けに空売り指数の水準が大きくなっていますが、空売り指数はトレンドを発生させる指数ではありません。
そのような点をふまえても、今週の株式市場は日経平均株価の推移の通りあまり変化のない週だと判断します。
どちらかと言えば、日経平均株価が空売り指数 の発生状況に合わせて推移していたようにも見えます。
【来週の予想レンジ】日経平均株価は7万3000円~下値:6万4000円
このように今週の株式市場は、週単位で見ると株トレンド指数に沿って日経平均株価が変動しましたが、2か月単位で見ると、あまり変化がないことが分かりました。
総合的に見ると、ポジティブに見れば「崩れにくい」状態で、ネガティブに見ると「勢い不足」が続いています。
この状況をふまえて来週の日経平均株価のレンジを予測すると、先週同様に以下の範囲を推移すると分析します。
▼来週の日経平均株価の予想レンジ
7万3000円~下値:6万4000円
ネガティブに見ると「天井を意識せざるを得ない」ので、上値は7万3000円止まりです。一時的に突破するタイミングもあるかもしれませんが、それは一過性だと予測します。
また、下落するときは下値目安まで考えておくと良いでしょう。変動率に対して円単位の変動幅がとても大きくなってきています。
この下値目安はボックス圏の下値でもあります。一時的に無風状態になるなど株トレンド指数の発生水準が下がったり、底値指数の水準が上がると十分に考えられる水準です。
なお、「天井を意識」について補足があります。これは「ここが天井」ではなく「天井を意識して推移を見たほうが良い」ということです。
日経平均株価の上昇勢いは不足していますが、再上昇の可能性はあります。ここから底値指数の水準が上がらない限り、一時的な足踏み状態だと分析します。
天井を意識というよりも「一時的な停滞」と表現したほうが良いかもしれません。
いずれにしても、これまでとは違って再上昇を期待する中での一時的な足踏みではなく、次の展開をどちらにするか考えているような足踏みです。
だから、この足踏みを「これは押し目のチャンスだ!」などとは考えず、その可能性もありますが、ボックス圏の下値に向かう展開に変化するシナリオも想定しておきましょう。
【最新】投資主体別売買動向は新たな展開に
補足としての日本株市場の根底部分である株式市場全体の最新の需給バランスも見ておきましょう。
・外国人投資家:小さく売り越し → 比較的大きく買い越しへ転換(↗)
・個人投資家:売り越し → 売り越しを維持(→)
・日本の機関投資家:小さく買い越し → 売り越しへ転換(↘)

最新週は、6月2週と比べて国内外の機関投資家のポジションが変化しました。外国人投資家は買い越しへ転換、日本の機関投資家は売り越しへ転換です。
これに伴い全体のポジション量も大きくなりました。しかし、ほぼ同量のポジションになったことで、国内外の投資家でポジションが反対になり、全体としては均衡状態になりました。
これが6月3週時点のポジションであることをふまえると、日経平均株価の上値が重たかったのもこの影響だったと分析します。
外国人投資家は買い越しモードへ転換
外国人投資家は、3週振りに買い越し転換です。しかも比較的大きな買い越しです。この水準に近いのは、5月1週以来です。
もっと大きく買い越すこともありますが、この水準でも年間の中では数回しかない大きな水準です。
これを考えると、外国人投資家にとって日本株を比較的大きく買い越す材料があったと推測します。
もし、この動きが留まらなければ、国内の投資家の動き次第で、日経平均株価の再上昇の展開も見込めます。
個人投資家は引き続き天井を意識した様子見を継続
次は、個人投資家です。先週とほぼ同水準の売り越しを維持しました。日経平均株価の推移の影響を受けやすいのが個人投資家なので、今は判断が難しいところかもしれません。
ここは下手に動くよりも「様子見維持」をし、一時的に日経平均株価が上昇したタイミングで「利益確定売り」に動いていると予測します。
そうなると、個人投資家が動き出すのは、日経平均株価が上昇したときか、暴落や急落したときです。それまでは現状維持が続きそうです。
日本の機関投資家は四半期の成績確定に向け動きあり
日本の機関投資家は、年間でも珍しい買い越しから売り越しへ転換しました。彼らの中ではやや大きな売り越しですが、株式市場に影響がある規模ではありません。
この6月は四半期の成績を決めるタイミングということもあり、見た目をよくするように利益確定売りや銘柄の入れ替えをしていると推測します。
そうなると、7月に仕掛けを増やすことも想定されますので、7月に入ると一時的な買い越しに転換するかもしれません。
国内外投資家の売買動向から見た来週の見通し
以上が三者の動向です。全体的なバランスは均衡状態です。分析すると、外国人投資家は日本株に期待して積極的に仕掛け、国内の投資家は守りに動いていることが分かりました。
こうなると、次の展開に向けカギを握っているのは日本の機関投資家かもしれません。外国人投資家の買い越しが続き、日本の機関投資家が四半期の成績を確定されると、再び買い越しに転換する可能性があります。
そうなると、需給バランスから日経平均株価の上昇が期待されます。日経平均株価が上昇すると次は個人投資家が動き出しますので、このときどのような展開が起きるかに注目です。
6月は例年あまり三者が動かない月ですが、今年は7月頭に向けて動きのある兆しがあります。
ここからは、そういったことを意識しながら三者の需給バランスを見ていくと良いでしょう。
まとめ:日経平均は再上昇の可能性を含む停滞
このように今週の株式市場は、需給バランスを見ても停滞していることがよく分かります。一方で、日本の機関投資家の背景を考えると、7月上旬に三者のバランスが変化すると予測します。
これまでの分析では「天井を意識」することが強い印象でした。しかし、需給バランスもふまえると、この天井は「一時的な停滞」と判断しても良いかもしれません。
改めて、来週の日経平均株価のレンジ予測をまとめましょう。
▼来週の日経平均株価の予想レンジ
上値:7万3000円~下値:6万4000円
先々週まで「一時的上昇→足踏み状態→一時的上昇」の動きを考えていましたが、先週から天井を意識するように変化しました。
今週の流れをふまえると、再び「一時的上昇→足踏み状態→一時的上昇」の流れに乗った可能性があると分析します。
まだ明確な判断ができないので、50%よりは高い確率という程度ではありますが、ここが天井で一時的に失速することよりは、再上昇に向けた停滞だと判断します。
ボックス圏の下値に向かって動き出すシナリオも十分に想定されますので、引き続き警戒は必要です。
ですが、需給バランスの中でも日本の機関投資家の動きから先週よりも再上昇の可能性を含んだ「天井意識」に変化しています。
楽観はいけない場面ですが、悲観ではなく「中間よりは悲観」で、今後の動向を見ていけば、リスクを小さくしつつ次の展開に合わせた動きができると判断します。
ぜひ、そういった視点を持ちながら来週の日経平均株価や株式市場を見ていきましょう。
この記事は、独自の株トレンド指数を用いた分析レポートの一部です。すべての予測実績検証は過去の分析レポート一覧からご覧いただけます。
▼ご注意▼
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2026/6/25(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました(日経平均株価のみ6/26前場時点のデータを含みます)。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
当記事は、特定の銘柄の売買を推奨するものではなく、情報提供を目的としています。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。当記事によって生じた損害等について、当社は一切の責任を負いかねます。
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