執筆者: 秋山大介|データ・アナリストプロフィール詳細
(独自の「株トレンド指数」を開発・運用。需給バランスに基づく分析で定評あり。)

日経平均株価 がついに7万1000円の大台を突破しました

先週は一時6万5000円を割る場面もありましたが、6日続伸で上昇を続けています。

節目を一気に超えたこともあり、投資家心理が改善され、ここからさらなる上昇を期待し積極的に動こうとする投資家が増えているかもしれません。

しかし、ここで筆者は警鐘を鳴らします。お祝ムードともいえる中で、株トレンド指数は、株式市場全体が不穏な動きを見せていると察知しています

これまで日経平均株価を強気水準で見て「まだ天井ではない」と判断してきましたが、いよいよ「天井」を意識しないといけないタイミングにきました

この記事は、独自の株トレンド指数を用いた分析レポートの一部です。すべての予測実績検証は過去の分析レポート一覧からご覧いただけます

そこで今回も相場の動きを数値で見える化した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向や、来週の日経平均株価と株式市場全体の見通しについて分析します。

空売り指数と底値指数が重しになり天井を示唆

こちらをご覧ください。こちらは6/5〜6/18の日経平均株価と株トレンド指数の状況です(株トレンド指数の算出ロジックと運用実績はこちら)。

【2026年6月第3週】市場動向と 日経平均株価 の変動
【2026年6月第3週】市場動向と 日経平均株価 の変動

株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。

天井指数|相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向を示す(目安:「170」付近)
底値指数|相場全体が底値に近づき適正株価まで回復する傾向を示す(目安:「220~420」付近)
押し目買い指数|押し目買い戦略が機能しやすい傾向を示す(目安:「30」に近い水準)
空売り指数|相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向を示す(目安:「50」付近)
>>株トレンド指数の算出ロジックと運用実績はこちら

日経平均株価の上昇が重しの影響で止まる可能性あり

今週の株式市場は、日経平均株価と株式市場全体が連動している週でした。ただし、とても読み取りにくい状況でした。

なぜなら、底値指数と空売り指数が日経平均株価の上昇を抑え、上値を重たくしていたからです。

その影響もあり、日経平均株価は7万1000円の大台を突破してはいますが、週始め6/15の約5%の上昇を除いては水平状態が続きました。

そして、今週のポイントが「上値を重くしている要因」です。直近何度かあった要因は、日経平均株価が上昇したくても上昇できない重さでした。

しかし、ここにきて「重しの影響で日経平均株価の上昇が止まる」可能性が出てきました。まだ上昇する動きも見られますが、警戒が必要な場面に来ていると分析します。

次は今週の状況をさらに詳しく見て、分析を深めていきましょう。

7万1000円突破も勢い不足の上昇が続く

今週の日経平均株価は以下のような推移でした。

  • 【6/15】4.99%上昇:6万9000円台突入(約3300円上昇)
  • 【6/16】0.13%上昇:前日とほぼ変わらず
  • 【6/17】0.72%上昇:小幅上昇
  • 【6/18】1.65%上昇:6日続伸し7万1000円を終値で突破

今週の日経平均株価は、結果的に7万1000円の大台に乗りましたが、勢い不足が否めない推移でした。大きく上昇したのは週初め6/15のみです。

6/18も上昇しましたが2%未満の上昇です。これは通常ある変動幅と見るのが妥当でしょう。

もしこれが、例えば3~5%の上昇を繰り返していれば勢いがあると判断しましたが、冷静に見ると7万1000円到達ほどの勢いがないと分析します。

なお、所々でお伝えしていますが、日経平均株価もこの水準まできていますので、同じ1%の変動でも、円単位の変動が大きくなっています。

その良い例が6/15の上昇です。「約3300円」上昇しています。しかし、変動率は約5%です。

この水準になると、以前よりもさらに厳しく円単位の変動ではなく、変動率を中心にみていく必要があります。

言い換えると、日経平均株価が何円を突破したということは、今後投資家心理への影響が小さくなるということです。

そういったことをふまえながら、日経平均株価の今後の推移を見ていくことをオススメします。

次は、今週の株トレンド指数の推移を見てみます。今週は以下のような推移でした。

  • 【6/15】押し目買い指数「6」まで下がる/天井指数・空売り指数上昇
  • 【6/16】底値指数「20」前後の水準を維持
  • 【6/17】空売り指数「49」まで上昇/底値指数「20」前後を維持
  • 【6/18】空売り指数と天井指数「57」まで上昇/底値指数「20」前後を維持

今週の株トレンド指数は「空売り指数」と「底値指数」がカギでした。

これまで日経平均株価の上値が重たい展開は何度もありましたが、「底値指数」も一緒に要因になったことはありませんでした。

しかし今週は、その要因に底値指数が入り、日経平均株価の上昇を止めていました。

これまでは上値が重たい中でも、押し目買い指数が発生し、重しが取れるタイミングで上昇することを繰り返してきました。

それが空売り指数に加えて底値指数が重しになったことで、状況が変化しています。

暴落や急落を引き起こすほどの発生水準ではありませんが、底値指数の「20」前後の推移が続いています。

空売り指数は、上昇にブレーキを掛けますが、底値指数は株式市場全体を下落方向へ引っ張ります。

このように今週は、これまでの質とは違う「上値の重たさ」になりました。そうなると、これまで上昇が期待された日経平均株価が、ここが次の展開の分岐点になると判断します

【分析】再上昇期待よりも天井への警戒必要

日経平均株価を基準に見ると、この2ヶ月間は順調に上昇しています。理想的な上昇を描いているように見えます。

しかし、細部を見ると「勢い不足」と分析します。なぜなら、グラフが二次曲線的な推移をしていないからです。

例えば今週初めの6/15は前日から急激に上昇しています。これが約5%の角度です。しかし、これくらいの角度での変化は、他ではあまりみられません。

日経平均株価が勢いよく上昇している場合は、この角度まではいかないものの、近い角度で推移するのが、今の水準です。

直近2ヶ月間の日経平均株価は順調に上昇はしているものの「勢いがない=トレンドが発生していない」状況だと判断します。

次に株トレンド指数を基準に見ると、今週は直近2ヶ月間の中でも底値指数が目立つ週でした。暴落や急落を引き起こすほどではありませんが、20前後の水準が続いています。

直近2ヶ月間で底値指数が発生する場合は、一時的な下落を示すものでしたが、今週はそういった波がなくダラダラと下落傾向を続けています。

ここからも、やはり今週の上値の重たさは、これまでとは違い再上昇の期待できるものではなく「ここで天井を迎えることを警戒」するものだと分析します。

【来週の予想レンジ】7万3000円~下値:6万4000円

このように今週の株式市場は、期間を広げると、直近で発生した上値の重たさと種類違いだと判断します。

先週は押し目買い指数が2桁でしたので、再上昇の可能性があり、その動きが今週初めに現れました。しかし、今週は空売り指数と底値指数が日経平均株価の上昇を阻んでいます。

この状況をふまえて来週の日経平均株価のレンジを予測すると、以下の範囲を推移すると分析します。

▼来週の日経平均株価の予想レンジ
7万3000円~下値:6万4000円

これまでと違い弱気です。来週は「天井」を意識させるような推移になると予測します。

上値は大きいように見えますが、ここから5%未満の上昇でも届く水準です。ここから小幅上昇が発生した場合は届く水準と考えてるのが妥当です。

ただし、一つのシナリオとして考えておきたいことがあります。それは「週明けに再上昇」です。

6/18の株トレンド指数が、現時点では分析が難しい状況です。空売り指数と天井指数が同水準になっているので、週明けに一時的な上昇が発生する可能性もあります。

その場合は、勢い良く上昇するわけではありませんが、一時的にこの上値を超えた水準に到達することも考えられます。

基本スタンスは「天井を意識する動きになる」で、場合によっては一時的な上昇があると捉えておくと良いでしょう。

まだ警戒する段階ではありませんが、これまでの推移の内訳から変化があります。

これまでは停滞しても再上昇を期待することを続けてきましたが、状況が変化する可能性があると念頭に置いておきましょう。

【最新】投資主体別売買動向も天井を意識した動きに変化

補足としての日本株市場の根底部分である株式市場全体の最新の需給バランスも見ておきましょう。

外国人投資家:わずかに売り越し → 小さく売り越しへ転換(↘)
個人投資家:買い越し → 売り越し転換(↘)
日本の機関投資家:小さく買い越し → 小さく買い越し維持(→)

投資主体別売買動向
投資主体別売買動向

最新週は、6月1週と比べてポジションが変化しました。国内の機関投資家以外は売り越しです。全体の需給バランスも「売り越し」に変化しました。

ただし、6月1週も含め、三者のポジション量は小さい状況です。通常よりは微増程度ですが、株式市場に明確な影響が出るほどのポジションではありません。

直近の日経平均株価は、一時的に変動することもありましたが、期間を広げるとほぼ水平状態でした。

その点をふまえても、6月1週から最新週も引き続きポジション量が小さいのでしょう。

外国人投資家は楽観モードから厳しめに転換

外国人投資家は、6月1週から売り越しが強まりました。ただし、前述の通り株式市場に影響を与える規模ではありません。

5月4週から売り越しが続いています。予想ではありますが、もしかすると外国人投資家も、日経平均株価の水平の動きを見て、ここで利益確定売りをしているかもしれません。

このまま売り越しが続くと警戒が必要ですが、今の時点ではまだ通常の売り越しと判断します。

この6月は通常よりも彼らの動きが読みにくい月でもあります。そういった意味では、まだ大きな動きはないものの楽観的になることなく、厳しめに今後の動きを見ると良いでしょう。

個人投資家は天井を意識した様子見を継続

次は、個人投資家です。売り越しに転換しました。日経平均株価が7万円を射程圏内とした水準で停滞したことを受け、利益確定売りをしていると予測します。

一方で、6月1週は買い越しであったことを考慮すると、静観よりは「様子見」の動きをしていると読み取ります。

その中で日経平均株価に動きがあったら動くことを繰り返しているのでしょう。

明確な動きではなく、直近の様子見が続くと予測しますので、引き続き動きが小さいと予測しながら見ていくと良いでしょう。

国内の機関投資家は独自情報で動いている可能性あり

国内の機関投資家は、三者の中で唯一の買い越しです。しかも5月4週から買い越しです。これは外国人投資家と全く反対の動きです。

その点をふまえると、国外の機関投資家で入手できない情報を国内の機関投資家が手に入れているのではないかと考えてしまいます。

実際のところは分かりませんが、年間を通じて買い越しが少ないのが国内の機関投資家の特徴ですので、直近3週の動きは何かの変化として受け止めても良いかもしれません。

ただし、内訳は分かりませんので、あくまでも可能性の範囲として把握しておきましょう。

国内外投資家の売買動向から見た来週の見通し

以上が三者の動向です。全体的なバランスを見ると、売り越し優勢ですが日経平均株価は下がっていません。

その点を考慮すると、次の動きに備えてキャッシュポジションを大きくしているとも見受けます。

一方で、これまでの分析をふまえると天井を意識して、動きが止まりつつあるのかもしれません。よって、様子見よりは動きが止まりつつあると考えておくと良いでしょう。

まとめ:日経平均の上昇はいったん止まり次の展開へ

このように今週の株式市場は、これまでは停滞しても楽観的に再上昇を見込める動きをしていましたが、それが一変しています。

需給バランスを見ても、明確な偏りがなく三者が様子見をしているか、もしくは天井を意識して転換しそうな様子です。

改めて、来週の日経平均株価のレンジ予測をまとめましょう。

▼来週の日経平均株価の予想レンジ
上値:7万3000円~下値:6万4000円

これまでは「一時的上昇→足踏み状態→一時的上昇」の動きをしながら、強気水準の上値を更新してきました。しかし、ここで止まる可能性が出てきています。

ただし、ここで下落トレンドに転換するような悲観的なものではありません。あくまでも、これまでとは内訳の違う停滞になると分析します。

これまで何度も「そろそろ天井では?」と思う場面がありましたが、そろそろ現実的になりそうです

6/18の天井指数と空売り指数のバランスから見ると、場合によってはこれが気にし過ぎのことで、再び強気に戻る可能性もあります。

しかし、これまで順調に来ていますので、ここはいったん気を引き締める意味でも、状況を悲観的に捉え「天井だった場合」を考慮し警戒を強めることをオススメします

この分析が外れたら「状況が好転して良かった」と思うくらいの感覚で、週明けの動向を慎重に見て、あなたのスタンスを決めていきましょう。

この記事は、独自の株トレンド指数を用いた分析レポートの一部です。すべての予測実績検証は過去の分析レポート一覧からご覧いただけます

▼ご注意▼
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2026/6/18(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。

最終的な投資判断について】

当記事は、特定の銘柄の売買を推奨するものではなく、情報提供を目的としています。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。当記事によって生じた損害等について、当社は一切の責任を負いかねます。